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Tag [新作レビュー] 2010.12.06
1102980108.jpgみつきかこ「DEAR!」(1)


火の花びらが
胸に
落ちた音を聞いた気がした   



■玲・和真・万里は生まれたときからずっと一緒に育った、仲良し幼なじみ。ガサツで男勝り、いつも元気一杯の玲と、クールで知的な和真、そして女たらしでやんちゃで明るい万里のコンビネーション・バランスはバッチリ。ずっと3人でいることが当たり前で、男も女も意識したことがないくらい、ずっと一緒。たぶんこんな日々が、しばらくは続くんじゃないかと、そう思っていた。けれどあることをキッカケに、玲が万里を男として意識しはじめ、3人の関係に変化が…?

 みつきかこ先生の新連載作品でございます。ヒロイン一人に、イケメン二人、そんなところに、可愛らしい女の子が一人追加、4人で送る青春群像ものとなっております。ヒロインは、男勝りでヤンチャな女子高生・玲。小さい頃から一緒に育った幼なじみ、クールで知的な和真と、女たらしだけど明るい万里と、男女を意識することなく、いつも一緒に仲良く過ごしていました。しかしふとしたきっかけで、玲は万里を「男」として意識。そんな万里の気持ちに気づいた和真と、知ってか知らずか、特に変わらぬ態度の万里。そして現れた、一人の可愛い女の子・紫。仄かに芽生えた恋心は、やがて大きな波紋となって、3人の関係に変化をもたらしはじめます。


dear.jpg
ヒロインよりも、ヒーロー達の方が少し成長が早い。ヒロインの悩みとは、もっと先の所で思い悩む。


 みつきかこ先生の、四角関係の学園恋愛ものというと、「片恋の月」を思い出します。設定だけで、詳しい内容まではあまり覚えていないのですが、こちらの方が、よりヤンチャな印象。鎌倉あたりが舞台になっているのかと思うのですが、海沿いの街で奔放に育った3人組がメインで、かなり元気である一方、ちょいと下品なところもあるという感じ。そんなヒロインが、ある日突然、幼なじみの一人に恋心を抱きはじめることから、変化し始める3人の関係。鈍感で、ひとつ一つ自分の恋心を受け入れ、前に進んで行くヒロインに対し、成長の早いイケメン二人は、ヒロインの恋心に気がつきつつ、自分のできることをする。芯はしっかりしていても、まだ固まりきっていない関係に、不安定な心が大きな影響を及ぼして行きます。

 ちょっと前のヒーロー・イケメン像を持った相手役を軸に、切ない恋物語を展開というのは、みつきかこ先生お得意のパターン。「片恋の月」の前例もありますし、この手の作品は描きたい作品として、みつきかこ先生の引き出しの中にずっとあるものなのかもしれません。望み通りにならない悲しみをミックスし、やや重めな雰囲気というのは、好きな人は好きなのだと思います。ただその演出の仕方がやや大げさだったりするので、個人的には苦手とまではいかずとも、あまり心に響かないと言いますか。この絵に描いたようなステレオタイプのイケメン像が正直得意でないのかもしれません。当然ながら強引さミックスなのですが、怪我を気遣って、既に手当てしてある傷口を舐めるとか、そういう距離の取り方があまりよく分からないという。また全体的にどこか薄さが残るのは、ヒロインのみの心情に集中するのではなく、幼なじみの二人にまで気がいってしまっているためなのかな、という気がします。


【男性へのガイド】
→このヒーローたちを受け入れられるのか、なかなかハードル高い気がします。
【私的お薦め度:☆☆   】
→悪くはないですが、薄い。この手の作品はたくさんある中では、やはり少し埋もれてしまうのではないかと思います。


■作者他作品レビュー
みつきかこ「ソラログ」
みつきかこ「月のワルツ」


作品DATA
■著者:みつきかこ
■出版社:ベツコミ
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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