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Tag [続刊レビュー] 2010.12.17
作品紹介→シリーズ第2弾!今度は地味な、無い無いづくしの新人の初恋を描く:ねむようこ「午前3時の危険地帯」1巻
関連作品紹介→「午前3時の無法地帯」/「パンドラ」/「ペンとチョコレート」/「東京無印女子物語」



1102985334.jpgねむようこ「午前3時の危険地帯」(2)


誰かを好きになったら
どーこーしたいに決まってんじゃん



■恋人のいる会社の上司・堂本への恋心を自覚したたまこ。自覚したは良いものの、こちらは恋愛経験皆無で、あちらは彼女持ち。どうすることもできないままに、ただただ戸惑いが積もる。そんなとき、研修先の店員・西岡にストーカーされ、襲われかけた所を宮下に助けられたたまこ。それをきっかけに、第一印象最悪だった宮下と徐々に打ち解けていくが、今度は宮下狙いの超美人・アキホに敵視されてしまい…?


~不幸せスタート、幸せ不全の二人のステージ~
 2巻発売です。今回のヒロインさん、相変わらず地味です。ももこがあまりにキラキラしていたので、どうしても見劣りしてしまうのですが、それでも彼女なりに一生懸命恋愛と仕事、しております。
 
 今回のお話のメインは二人。宮下とたまこなのですが、どちらも地味発進の元恋愛不幸せ組。いや、今もまだ、恋愛に関しては幸せとは言えないのかもしれません。たまこは彼女持ちの堂本に対して想いを寄せるも、特に動こうとはせず、今そこにあるささやかな接点に幸せを見出そうとします。これで十分という、この姿勢。。。なんて謙虚…いや、多分彼女にとっては、これ以上踏み出す術を知らないのでしょう。だからこれで良いし、納得してしまっているという。憧れにも似た、儚い恋心です。
 
 一方の宮下は、イケメンに生まれ変わったものの、同じバイト先で一番の美人・アキホを難なく落としてしまったところで、絶望。「こんなもんなのかよ」と、アキホを突き放すようになります。彼の場合、恋愛の志向は自ら動こうというもの。それは、必死で努力して生まれ変わったが故でもあるのですが、それだけに、恋愛に対する憧れも並々ならぬものがあると想像できます。だからこそ、アッサリ落ちてしまう美人に、絶望してしまう。これもまた、恋に縁がなかったからこそ、陥ってしまう現象と言えなくありません。そういった共通項を持つ二人を描くという意味では、こちらの作品の方が前作に比べてよりテーマっぽいものが強くでているという印象。印象は地味かもしれませんが、描こうとしていることは、こちらの方がより意識的に感じられる分、大変なんじゃなかろうかって気がします。



~どーこーしたいに決まってんじゃん~
 さて、今回の台詞抜粋させて頂いたのは、宮下の一言…


午前3時の危険地帯2-1
誰かを好きになったら
どーこーしたいに決まってんじゃん

 

 帯にもこの台詞が抜き出されているのですが、いい言葉ですよね。どーこーしたいに決まってる。なかなか自ら動けない草食男子にとっては辛い一言ではあるかもしれませんが、とりあえず心に刻んでおきたい一言です。さてこの言葉、そのとおりに受け取るのだとしたら、これこそが彼の恋愛バロメーターになるわけで。例えばアキホに対しては、まったくどーこーしない彼、そんな彼が…


午前3時の危険地帯2-2
どーこーしたっ!


 物語中では、自覚以前の淡い淡い想いですが、こういう宣言の後のこういった行動だとハッキリと分かってニヤニヤしてしまうというもの。いやあ、頑張って欲しいですね。しかしたまこは彼の気持ちにいつ気づいてくれるのか。。。


~真野さん…~
 そんなニヤニヤ展開の横で、一人涙を流す女性の姿が…。そう、美人の真野さんです。素敵女子が仕事を本格的にしだすと、フィーヤンでは必ず恋愛が上手くいかなくなります(超偏見)。うーん、こちらどうなるんでしょうか。たまこ的に見れば、これはチャンスなのかもしれませんが、どう考えてもこのチャンスを活かせるキャラには思えず。物語中の位置付けとしては、単に真野さんの人生に変化が訪れたという感覚の方が強いです。こちらはこちらで、本筋以上に目が離せない、一つの物語となっております。とりあえず真野堂本組って素敵なカップルだなぁ、と今さら気がつくなどしました。そんな二人にもいつか別れは来るのだから、よくわからないものです。とりあえず堂本さん、どうやって真野さんと付き合うに至ったのか知りたいんですが。


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レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
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