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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.12.20
1102992455.jpg亜樹新「フェティッシュベリー」(1)


言…言えない
「そうです 私が変態です」
なんて…!!



■手フェチ、声フェチ、髪フェチ、エトセトラ…。いろんなフェチを持ちすぎて、なかなか理性を保っていられないのは、この春高校に入学したばかりの水原ひより。今までそのフェティシズムが露呈する度に、男の子に引かれ、辛い思いをしてばかりの彼女は、高校ではフェチを隠し平穏に過ごそうと決意するけれど、あろうことかひよりの反応するフェチをカンペキに備えた男・成田と出会ってしまい…。しかも成田は、ジャイアニズムの継承者のとんでもない問題児で…!?

 亜樹新先生の新作でございます。前回は男装女子が主人公の学園コメディでしたが、今回は様々なフェチを兼ね備えた結果、フェチが反応する相手を見つけるたびに理性崩壊・暴走してしまうというヒロインが主人公の学園コメディです。声フェチ、髪フェチ、腕フェチ…数えればキリがないフェチの数々を備えた、主人公の水原ひよりは、今までフェチが露見する度に相手に引かれてきた経験から、高校ではフェチを隠し平穏に暮らそうと決意をします。しかし、今までにないくらいにひよりのフェチポイントをカンペキに押さえる男子・成田と同じクラスに。尋常でない反応にひよりの理性は早々崩壊、彼の美しすぎる手を、彼の居眠り中に無意識に口に運ぼうとしている時に気づかれ、ジエンド。弱みを握られた彼女は、ジャイアニズム発揮しまくりの彼の下僕として、尽くすことになってしまったのでした。


フェティッシュベリー
フェチズムの反応っぷりのバロメータは、よだれ。だらだら流すその仕草もまたかわいいと思うのですよ。


 不器用人間が多数集う、学園コメディ。異様なフェチズムを持つヒロインを筆頭に、溢れ出るジャイアニズムに自ら飲まれていきそうになる相手役・成田、そして超絶美女でありながら、腐女子妄想が止まらない浅雛さん。唯一まともなのは、暴走しがちなヒロインを優しく見守る幼なじみの男の子・関くんくらいでしょうか。しかしながら、ヒロインに密かに想いを寄せており、さらに彼女がなんだか変な人が揃うコミュニティにいがちというために、変人基準で比較してむしろ疎外感を感じることすらあるという残念な状況。そんな彼に、一瞬にして惚れてしまいました。てか亜樹先生の描くキャラは、みんなどこか残念でとっても愛らしいのです!
 
 変なテンションから怒濤の展開を見せるスタイルは、今作でも健在。変なキャラが勢い良く転がっていく様子が、痛快であり、そんな中に時に見せる悲しみやトキメキに、少しうるっとくる、そんな作品です。テンション高めで上手く中和されていますが、基本的には普通になりきれない不器用な子達が、自分なりに一生懸命人間関係を作って、自分の世界を広げていこうと頑張る青春物語。コメディなのでかき消されがちですが、そんな想いを汲み取りつつ読むと、また違った味わいがあって面白かったり。何はともあれ、この亜樹先生の作品は個人的にツボですので、続きも楽しみです。そして前作もそうでしたが、今作も装丁が目を惹きますよね。実に可愛らしく、手に取りたくなります。


【男性へのガイド】
→変なキャラと変なテンションについてこれれば大丈夫。男性のツボを押さえるような描写もちょくちょくあり、笑いのセンスが合えば、結構楽しめるのではないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→亜樹先生の作品は、個人的にツボでして。好き嫌いあると思いますが、好きなので。今回はヒロインはじめ、キャラが軒並み愛らしいです。


■作者他作品レビュー


作品DATA
■著者:亜樹新
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックアヴァルス
■掲載誌:アヴァルス(連載中)
■既刊1巻
■価格:571円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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