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2010.12.24
1102969615.jpg谷本和弘/井上紀良「華と修羅」(1)


■えーと、今まで一貫して女性向けの作品をレビューしてきた当ブログですが、今回はヤングジャンプ連載の、完全な青年向けマンガのレビューでございます。事の運びを簡単に説明すると、レビューサイト界隈を行き交う不幸の手紙レビューバトンがうちに投げられたという。発端は、有名テキストサイトのLOGIC&MATRIXの遊星さん。そこからはじまり次々にレビューバトンが渡され、面識のある近代麻雀漫画生活のいのけんさんが、あろうことかうちに渡してきたというわけでございます(“さん”にリンクがかかってないのはたまたま)。ちなみに自分はマンガ雑誌を買う習慣が全くないのですが、このために単行本はもちろん、わざわざヤングジャンプをここ数週間購入しておりました。「華と修羅」を読むためにヤングジャンプ買ってる人はたくさんいると思うのですが、「華と修羅」を読むためだけにヤングジャンプを購入する輩は、そうそうおるまい。

 さて、こちらの作品の概要ですが、単行本帯に書いてある紹介文をそのまま拝借すると…
 
「『夜王』の美麗絵師が新人原作者と強力タッグで贈る大正ゴシック・サーガ」。えーと、なんだかよくわからい感じです。自分の言葉で説明するのであれば、大正の華族(それも名家中の名家)に生まれた青年の激動の半生を描いた物語。主人公の慎太郎は、妾の子で三男という生い立ちから、野心家の母(正妻)と長男、そして腰巾着精神全開の次男に疎まれ虐げられているという立場にあります。それでもめげずに、時に悩みつつも逞しく生きていく様子を描いたものなのですが、まぁ多分レビューバトンを遡って読んでいけば物語の流れはつかめると思います(最後に丸投げ)。


 というわけで、ようやく本編のレビューです。
 

~摩訶不思議なゴシック・サーガ~

花と修羅1 
 のっけから【微グロ注意】なこのシーン。新を刺そうとした真智子を身体を張って止めた慎太郎←柱コメまま。すぐに離せばよかったものの、話したために離せなくなり(くどい言い回し)、意を決して掴んだままになった包丁を抜いたのでした。その後怪我を負った手を、真智子さんに手当してもらうのですが…
 

花と修羅2
あれ、手当てしたとこ間違ってないか…?


 先の画像的に見て、患部は指の第二関節あたりかと思われるのですが、真智子さんが手当てしたのは、手のひらのあたり。血が出ていた手で真智子さんの頭を撫でていることから、止血は万全のようですね。のっけから摩訶不思議な現象を目の当たりにし、大正ゴシック・サーガの恐ろしさを少しだけ感じさせられたのでした。実はこの後にも、シャツについたハズの血が突如消えていたり、右手に巻いたはずのハンカチが消えていたりするのですが、その辺もまた大正ゴシック・サーガの恐ろしさということなのでしょう。ところで今更なんですが、ゴシック・サーガってどういう意味なんですか?


~ほっこり兄さんのポテンシャル~
 さて、この一件のあとは、ほっこり兄さんの独壇場でした。いきなり煙草を銜えながら、一物を銜えさせるというダイナミックな登場の仕方。下手したら上の煙草だけでなく、下のスティック状のものからも白いm(自重
 
 その後はかくれんぼに燃える子どもらしい一面を見せたり…
 
 

花と修羅3
子どもらしく飽きっぽく、すぐ機嫌を損ねるほっこり兄さんの図
 
 
 武闘派な一面を見せたり…
 
 
花と修羅4
圧倒的戦闘力。
 

 とにかくほっこり兄さんファン(希少種だと思う)は必見の回となっております。個人的に一番印象的だったのは、窓に近づいていくほっこり兄さんのその姿。この作品に登場する人物たち、なぜか走る姿が異様なまでに気合い入っており、スプリンターを彷彿とさせるものがあるのですが、窓越しに見るほっこり兄さんの歩く姿といったら、全然歩いているように見えないんですよ。コツコツという擬音を隠したら、悠然と立っているようにしか。あと1コマ目と2コマ目での、近づいてる感の無さ。むしろ近づいているのはカメラのような気もします。そんなほっこり兄さんのターン、この後もしばらく続きそうです。なんてったって、とんでもない火種(文字通り)を残していきましたから…次回以降、燃えるような展開になるはずです!

 そんなアツい展開になりそうな28話をレビューしてくださるのは、前々からお世話になっています、「水星さん家」の水星さんです。レビューバトンの件をお話したところ、快く引き受けて下さいました。ウチは出発点のロジマトさんとは全く関わりのない外様なので、このバトン引き継いでしまって申し訳ない気持ちなのですが、ロジマトさんに関わりのあるサイトさんに繫ぐことができて、ひとまず最低限の仕事はできたかな、という感じです。奇しくもほっこり兄さんはどちらかというと黒髪ロング(あくまで当社比)。これは期待できる…!それではよろしくお願い致しますっ!
 

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