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Tag [オススメ] [新作レビュー] [読み切り/短編] 2009.03.01
罪恋吉永ゆう「罪恋」


黙ってほしかったら
あたしとも浮気して



■作者さんの初単行本です。読切り5編を収録。
 とりあえず表題作「罪恋」をご紹介。軽いけれど、女子にモテるクラスメートの真木。そんな彼が浮気をしているところを目撃してしまった弥代は、彼女にそのことを言わない代わりに、自分とも浮気してくれ、と頼む。そんなことから始まった二人の関係だったが、弥代の想いはだんだんと本気になっていって…。
 
 その他に、双子の妹と入れ替わり忍び込んだクラスで、隣の席の男の子に恋をしてしまう「恋に落ちるまで」、小学生のときに、キスしたことで不仲になった男の子と高校になって再会する「金魚の涙」、夢の中にだけ現れる彼に、想いを募らせる「夢で逢いましょう」、クラスメイトが髪を切ったことから恋が始まる「恋のじゅもん」、の4編を収録。どれも恋をすることの甘酸っぱさが前面に押し出された内容となっています。
 
 「夢で逢いましょう」は少しファンタジックな要素が含まれていますが、他は学校生活での、少女たちの等身大の恋心を、丁寧な描写で綴っていきます。そうそう、ページ数が限られている読切りでは、何も派手なことをする必要はないんです。いかに「恋心」を繊細に描き出せるかってところがポイントになるわけですが、この作者さんは見事にそれをやってのけています。微かに自意識系の匂いがする作風も、いかにもベツコミにマッチしそう。新人さんということですが、これは期待できるんじゃないでしょうか?
 
 ただ血尿(あとがき参照)は気がかり。無理をなさらず描き続けて欲しいものです。


【オトコ向け度:☆☆☆  】
→題材が「恋」ではあるものの、少女マンガ特有の甘ったるさはそこまで感じられません。好きな人は好きでしょう。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→期待の新人さんが現れました!ベツコミらしい良作短編集。作者さん共々、チェックしておいて損はないと思います。次が楽しみ。


作品DATA
■著者:吉永ゆう
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:デラックスベツコミ(2008年春の超!特大号,夏の超!特大号初,初秋の超!特大号,秋の超!特大号,2007年初秋の超!特大号,)
■全1巻
■定価:400円+税

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