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Tag [続刊レビュー] 2010.12.27
作品紹介はこちら→*新作レビュー*水城せとな「失恋ショコラティエ」
2巻レビュー→徐々に他のもので浸食されていく、爽太のチョコへの想いがどうしようもなく面白い物語を生む《続刊レビュー》「失恋ショコラティエ」2巻
関連作品紹介→水城せとな「黒薔薇アリス」




1102992365.jpg水城せとな「失恋ショコラティエ」(3)


俺の夢想も幾ばくかは
現実になるかもしれないんだ



■3巻発売です。
 チョコ好きの人妻・サエコを振り向かせるためにショコラティエとして活躍する爽太。彼は同僚のオリヴィエの助言により、悪い男を演じてサエコの気を引かせる作戦に出た。甘いだけじゃダメ。苦いだけでもダメ。恋にもショコラにも、「愛」と「哀」がなくちゃね。とはいえ苦しい、この出口なき片想いロード。わざと気のないふりをして、さらっと接してみたり、突き放してみたり、また同じ想いを抱えるえれなと関係を持ってみたり…。その成果が出る日はくるのだろうか。。。


~まさかのハチクロ状態~
 かなりゆったりなペースで刊行されている本作ですが、熟成の2巻を経て、3巻にてついにそれぞれ状況は大きく動き出そうとしています。登場する人全員が、皆々恋をしている。しかも想いが通じている人は、一人としていません。あれ、なんだこのハチクロ状態!!こちらは一応大人なお話で、あくまでハチミツではなくショコラ。そこには不健全さや苦みがブレンドされているのですが、それでも「好き」という感覚は仄かに甘く、まして叶わぬ想いを抱えているのであれば、その純度は増して、切なく心に迫ってきます。そして想いが募るごとに、飛び出てくるのは名言の数々。「なんてありがたいお言葉…」とか「その気持ちすごくわかるよ…」という台詞が、今回は本当に多かったです。


~誠実に真摯に思うからこそ、重みのあるオリヴィエの言葉~
 今回個人的にもっとも印象に残る言葉を残したのは、オリヴィエでした。ステイ先の、爽太の妹・まつりに恋をしてしまったオリヴィエ。しかしまつりはオリヴィエのことを恋愛対象としては捉えておらず、彼の想いは行き場を失い彼の中に堆積していきました。しかしそれも限界。一緒に住んでいれば、当然のことながら色々とスキはあるわけで。結局紆余曲折あり、ちゃんと想いを伝えようと決意し、その旨を爽太に伝えるのですが、その時の言葉がなんとも素敵で
 
 
どんなアコガレがあっても
出会えた人としか恋はできないよ
人生の中で巡り会える相手って
案外限られてる
ハムスターは同じカゴの中にいるハムスターとつがいになる
それと同じでしょ?

まつりちゃんと僕を同じカゴに入れてくれた神様に
僕は感謝してる
片想いでもね


 こう思えるようになりたいものです、うん。言っていることは、実にシンプル。わかりやすい簡単な言葉と、明快な例で。シンプルに自分の考えを伝えるってのはすごく大変なことなのですが、オリヴィエはそれを簡単にやってのけます。やっぱりすごいなぁ。それにこれとか…
 

失恋ショコラティエ3-1
ソータにショコラがあるように
僕には萌えがあるから



 ええ、この残念さ。彼自身残念な気持ちで一杯なのですが、聞かされるこちらの方がより残念感のある素晴らしい台詞です。この作品、先のような素晴らしいフレーズをかき消すほどに、残念な台詞が沢山。あんなクサい台詞をポンポン聞かされていたら、その甘さでくらくら来てしまいそうですが、ちょくちょく残念なフレーズを挟むことで、それを絶妙に中和。特に生き方自体が残念な主人公・爽太に関しては、恐ろしいほど残念な明言を数々生み出しております。
 

~残念名言集~
 以下、ダイジェストでお楽しみください。


失恋ショコラティエ3-2
「元カレ」だよ「元カレ」!!
どうよ この大出世!!
すっごくない!?(ガッツポーズ)





失恋ショコラティエ3-3
その夢想は許されないだろ
夢想ポリスに逮捕される気がするわ





失恋ショコラティエ3-4
デートとかめんどくさいこともういいから
サクッとやることやれたらいいのに…





失恋ショコラティエ3-5
ほんとだよ
持つべきものはセフレだぁー!




 意外と賛同できてしまう台詞があるのが悔しい所です。しかし夢想ポリスってすごい言葉ですね。私もきっと逮捕されているだろうな、と思ったり。

 さて、こんなキモイ考えをしてばっかりの爽太ですが、実は目的に向けては着々と歩を進めており、振る舞い次第ではゴールも可能な位置にまできました。しかし彼は、ゴールに近づけば近づくほど、疑心暗鬼になり、サエコさんを遠ざけてしまいます。多分彼はまだ、サエコさんのことを「憧れ」として捉えており、実際にガチンコで恋愛する相手としては、捉えきれていないのではないかな、という感じがします。憧れの期間が長過ぎたために、いざくっつくまでの過程を考えられない。彼の目標は「サエコさんを振り向かせる」ということだけであり、振り向かせてからのその後の駆け引きについては、ノーシミュレーション。自分のことを「サエコさんのファンみたいなもの」と形容していることからも、シフトチェンジには苦労するだろうなぁ、と思わされます。サエコさんはなんとなく移り気なイメージなので、このチャンスを生かさない手はないのですが、さて気が向いてくれている間に、ちゃんと爽太は対応できるのか。できないからこそ爽太な気がしますが、ここらで一皮むけてくれても良さそうなものです。
 

~恋する女はキレイさ~
 恋する女性はホントに綺麗です。郷ひろみが言っているのだから間違いないです、きっと。3巻の時点で、恋に悩む女性は4人。爽太に恋する薫子に、友達の彼氏に恋するまつり、ミュージシャンに恋するえれなに、爽太に想いを寄せつつあるサエコ。どれも想いが通じず、現状にやきもき、悩みを募らせています。そんな中見せるもの憂げな表情や、切なさに押しつぶされそうになる表情、そしてちょっとした出来事に表情を驚くほど明るくさせる瞬間。そのどれもが眩しいです。この記事のはじめの方に出したハチクロでは、明確な片想いを抱え悩む女性は山田さんくらいでしたが、こっちは4人ですよ、4人。さすがに一人で山田さんには太刀打ちできませんが、4人揃えばそれはもう破壊力抜群。個人的には薫子さんに幸せになってもらいたいですが、薫子さんはダメ男に恋をしてしまっているという残念さをどこかで自覚しているからこそ素敵だとも思うわけで、新キャラに移って欲しくはないな、とちょっと思っていたり。きっと爽太は後押しとかしちゃって地雷踏みまくりなんだろうな…。


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