このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2010.12.31
作品紹介はこちら→*新作レビュー* ろびこ「となりの怪物くん」
2巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》ろびこ「となりの怪物くん」2巻
3巻レビュー→三者三様の考え方…女の子たちがとっても魅力的です《続刊レビュー》「となりの怪物くん」3巻
4巻レビュー→あさ子の可愛さに、目が離せない!《続刊レビュー》ろびこ「となりの怪物くん」4巻
5巻レビュー→あなたがわたしにくれたもの:ろびこ「となりの怪物くん」5巻



1102992429.jpgろびこ「となりの怪物くん」(6)



…名づけるなら
きっとこれが
恋なのだろう




■6巻発売です。
 夏目さん、ササヤン、ヤマケン。それぞれのおかげでちゃんとお互いの気持ちを考えいようと変わり始めた水谷雫と吉田春。まだ変わり始めたことに、二人とも気づいてはいないけれど。そんな中、迎えるイベントはバレンタイン!夏目さんも、大島さんも、雫もそれぞれ想いを込めてチョコを作ったけれど、大島さんと雫は、あげたい相手が被ってしまう!今まで気持ちを抑えていた大島さんは、当日、ハルに・・・!?



~ハッピーバレンタイン~
 6巻発売です。現実の世界では、もう年の瀬ですが、物語中はバレンタインが間近に迫る季節。今回は登場する4人が一緒にチョコを作るという、実に少女漫画らしいイベントがあるわけですが、いやーこの4人はひと際素敵です。おあつらえ向きに、全員がしっかりと恋をしていて、あげたい相手が明確にいる。純度100%の本命チョコです。最近加わったユウちゃん含め、この物語に登場する女の子たちは、皆々恋をしているあたり。変わったキャラたちではあるけれども、どこまでも少女漫画的だと思いませんか。そして6巻の構成を、チョコを作る中での女の子同士の駆け引きと、男の子を相手にする際のがんばる女の子たちを描く後半という二つのフェーズに分けているところもニクいです。バレンタインというイベントでここまで引っぱれる作品というのも、そんなにないのではなかろうか。



~バレンタインは女の子のもの!~
 今回はメインの女子3人の告白シーンがあり、揃いも揃って頑張ったのですが、個人的には大島さんの告白が、バレンタインっぽくて好きでした。迷いに迷った末、チョコを渡そうと決意した大島さん。ハルを呼び出しドキドキしながら待つも、早々に見つかり、「ハルくんが自分だけを待っててくれる時間」はすぐに終了。挙げ句、雫へのプレゼント選びに付き合わされてしまうことになります。それでもそんなハルくんが好き。改めてその魅力と自分の想いを再確認した彼女は、プレゼント選びに悩む彼にこんな言葉をかけるのでした。

 

となりの怪物くん
…プレゼントは
吉田くんのあげたい物じゃなくて
水谷さんの欲しいものにしなよ



 
 最初「ハルくんがあげたい物だったらなんでも嬉しい」と言った後に、「水谷さんの欲しいものにしなよ」と言い換えた大島さん。“あげたい物をあげて満足”ではなく、より関係性を強調した形での提案。当然のことながら、“水谷さん”という枠に、決して自分が収まることがないことを、大島さんは受け入れています。それでも、それでもその後に、大島さんはハルにチョコをあげるわけですよ。雫がハルにあげるチョコと、ハルが雫にあげるプレゼント。その両方とは異なり、ハルの意思が介在しない大島さんのチョコは、彼女の物差しの元客観的に見たら、一枚落ちなわけで。それでもあげたいと思う、大島さんの気持ちと、それを許してくれるバレンタインという日。女の子に、ほんのちょっとの勇気をくれる、特別な日なのです。友チョコとか逆チョコとか最近やたらとありますが、やっぱりバレンタインは女子がチョコを贈ってこそですよね!(←ささやかなくださいアピール。あれ、ブログでしても意味ないんじゃ



~対怪物くん用告白~
 最終的にチョコを渡し、自分の想いも伝えた大島さん。しかしその想いも虚しく、ハルにはその想いが伝わることはありませんでした。伝わらなかったってのは、成就とかそんなレベルではなく、そもそも告白と認識してもらえなかったという。確かにかなりサラッと、加えて大島さんには珍しく、冷静な感じで放ったその言葉は、他人の感情の機微を感じることのできないハルがその意図を読み取るには、少し難しすぎたかもしれません。そういう意味では、雫の方がそういった事に関しては俄然怪物くん向き。今回あった告白でも、
 


となりの怪物くん6-2
大島さんの告白がこんな感じだったのに対し、雫の場合は…
 
 


となりの怪物くん6-3
わかった!?のおまけつき。
 

 
 やっぱりこれくらいやらないと、ハルには想いが通じないということなのでしょう。普通の感覚であれば、雫のやり方はかなり外れているというか、相手によってはビックリして引いてしまうことさえありそうなもの。でもそれが、ハル相手だとこの上なくフィットするというのですから、面白いです。「となりの怪物くん」とサラッと書かれているタイトルですが、その怪物くんのとなりにいるのは、とっても大変なんだぞ、と。改めてお似合いの、不器用過ぎる二人の恋路から、目が離せません。


■購入する→Amazon

カテゴリ「デザート」コメント (11)トラックバック(0)TOP▲
コメント

こんにちは♪
となりの怪物くん、いづきさんのお勧めということで読んでみました☆
2回のレンタルの末、とうとう購入してしまいました^^
めちゃくちゃ大好きです!
キャラクターみんな可愛らしくて、個性的ですよね。
初め一人だった人たちや、喧嘩してた人たちがどんどん仲良くなって
一緒にいるのが普通になってきたのがなんか嬉しくて幸せです☆

6巻のシズク、すごーく可愛かったですね!
私はヤマケンが好きなので7巻のヤマケンに期待です♪

今日ろびこさんの、ひみこいとボーイミーツガールも買ってしまいました!どんどんはまりそうです。
いづきさんのレビューを読んでほんとにたくさんの漫画を読みました!
2011年も楽しみにしています☆良いお年を!
From: ぴょんきち * 2010/12/31 18:38 * URL * [Edit] *  top↑
このコメントは管理人のみ閲覧できます
From:  * 2011/01/06 22:12 *  * [Edit] *  top↑
お気に召していただけたようで何よりです!
本当にキャラクターがみなみな個性的で、素敵なんですよねー
2011年も楽しみな作品の一つです。

ヤマケンにはいつかスポット当てたいと思っているのですが…次こそは(笑)

今年も毎日更新目指してがんばりたいと思いますので、
よろしくお願い致します。

コメントありがとうございました!
From: いづき * 2011/02/06 09:39 * URL * [Edit] *  top↑

はじめまして( ^ω^ )
こちらのサイトで知った面白そうなまんが、
いつもたくさん買っています!!
今日もお金がないのに
フェティッシュベリー買ってしまいました(笑)

そしてその中でもダントツ1番に
お気に入りなのが怪物くんですっ(>_<)!
お話はもちろん、
とにかく絵が可愛くて可愛くて!!
しかも今ろびこさんのブログを拝見していたら
2月24日発売のデザートで
なにやらお知らせがあるそうで…
もう本当に大好きな作品なので
今から楽しみです★!!!!

いつも更新ありがとうございます(⊃ω⊂)
これからも紹介された作品、
いっぱい買いたいと思いますっ!!笑
From: さき * 2011/02/19 01:02 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして。
おへんじ遅くなってしまい、申し訳ありません!

ウチの記事がきっかけで、「フェティッシュベリー」や「となりの怪物くん」を買ってくださり、
さらに気に入ってくださったようで、とても嬉しいです!

これからも、素敵な作品との出 会いをお手伝いできるよう、
更新頑張って行きたいと思います!

コメントありがとうございました!
From: いづき@管理人 * 2011/03/17 23:50 * URL * [Edit] *  top↑
読んでます。夏目ちゃんすごいかわいいですよね!

早く新刊出ないかなあー
個人的には、ヤマケン君のお友達が好きです!
マーボとか見てて楽しいです!
From: まっぴー * 2011/03/31 09:37 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして(._.)))
いづきさんの記事を読んだところ思わず買いたくなってしまい、
1~6巻を大人買いしちゃいました(笑)
でも買って正解でした!!! オ モ シ ロ イ !!!!!!
ハルが雫になついてるのがかわいい(´ー`*)
共感どころも多いですね。特に夏目さんの心情が・・・

レビューを見まくったところ、ココロボタンもすごく好きになりました!
一途に古閑君を思うニーナがかわいくて仕方ない!
爽やかSの古閑君も素敵です!

基本的に片方が片方を熱烈に好きな話がツボなんですが、
何かお勧めありますでしょうか?

これからもレビュー参考にさせて頂きますヽ(´∀`)ノ
From: キノピオ * 2011/04/06 21:05 * URL * [Edit] *  top↑
コメントありがとうございますー。
夏目さんのここ最近の恋するオトメっぷりは、読んでいて思わずゴロゴロしてしまう程に破壊力があります(笑)
ヤマケンすごく人気みたいですねー
そろそろ彼の特集もしたいところです!
From: いづき@管理人 * 2011/04/23 21:04 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして!
わーい!また一人「となりの怪物くん」ファンの方が増えてくれて、嬉しいです!
「ココロボタン」も読まれたのですねー。
片方が片方を熱烈に好き…ですか!
うーん、例えば昨年のオススメ1位にした「八潮と三雲」なんかはそのタイプかと思われますー。
ファンタジックな設定が苦手であれば、「360°マテリアル」なんてどうでしょうか?
仄かにココロボタンっぽさがあるような気も。。。

これからもレビューがんばります!
From: いづき@管理人 * 2011/04/23 22:14 * URL * [Edit] *  top↑
オススメ さすがですね・・!!
「八潮と三雲」実はレビューを読んで目をつけていました^^✿
3巻のレビューを読んで買うかどうか決めようと思います!要チェックです!
360°マテリアルに関しては2巻まで持ってます!(笑)←お 金 が な い ^^
オススメでプレッシャー感じましたか?!すみませんーー((+_+))
でも私はオススメ選んで頂けてうれしかったですヨ(●'ω'●)!私としてはまたオススメして頂きたいなあと思います!買うかどうかは自分で判断しますしね!(お金がな・・

このブログを見て「花と悪魔」も大好きになりました!ファンタジック好きですよ!
10巻の美しい終わり方はもう非の打ち所がない感じでした!!

「僕らはいつも」はもともと買ってたのですが(榛名が典になついてるので)
7巻レビュー笑えました(^^)w
ヘタれ泣き(笑)
でも私はそんな京ちゃんにもらい泣きしそうになってしまいました!
From: キノピオ * 2011/05/08 00:46 * URL * [Edit] *  top↑
すみません、オススメするのはちょっと怖いです…(笑)
記事を見て、ご自分で選んで頂ければと思います!
個人的にはどれもオススメです!
特に年間オススメなどは、イチオシばかりですので是非!
From: いづき@管理人 * 2011/05/20 22:58 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。