■「来る」とか言っておきながら、もう3日になってしまいましたが、2010年ベストセレクションのお届けです。
完結作についてのベストはこちら→2010年、これだけはチェックしてほしかった完結10作品
昨年のベストはこちら→2010年へ向けて、これだけはチェックしておきたい15作品
今年も昨年と同様に、2011年も新刊が出ると思しき作品から、「おとなもこどももおねーさんも」を念頭に、「2010年盛り上がった」+「2011年もかなり期待できる」という二つの観点からチョイス。リンクをクリックすると、レビューへ飛びます。それではどうぞ…
1.草川為「八潮と三雲」

…今年の新作で最も心掴まれた一作。特に2巻の破壊力がハンパなかったです。独特の設定で送る、噛み合ない凸凹コンビのラブでコメな展開に、終始にやにやがとまりませんでした。設定の使い方と良い、かけ合いの絶妙さと良い、とにかくすべての歯車がカチッとハマっている感じがするのです。(既刊2巻)
2.藤原よしこ「だから恋とよばないで」

…「君に届け」の二人がくっつき、「ストロボ・エッジ」が完結した中、次に来る学園モノの恋愛作品は間違いなくこれだと思います。先生と生徒という王道の組み合わせもなお良し。3巻以降の切なさ加速は必至かと。(既刊2巻)
3.勝田文「ちくたくぼんぼん」

…2巻は未レビュー、というかつい先日読んだばかりなのですが、物語の面白さと同時に、こういった作品が読めるという幸せさから思わず泣きそうに。昭和初期のとある女中の姿を描いたコメディなのですが、深い、切ない、そして温かい。 (既刊2巻)
4.高屋奈月「星は歌う」

…こういった類いのランキングでは、勢いというのも大事。昨年は「神様はじめました」を据えましたが、昨年一番の変わり身を見せたのはこの作品。序盤の不可解さは消え、いまや残るのは面白さのみ。さすが「フルバ」の高屋奈月といったところか。勢いそのままに2011年も走り抜けてくれそうです。(既刊9巻)
5.水城せとな「失恋ショコラティエ」

…昨年まではどちらかというと「黒薔薇アリス」の方が面白いと思っていたのですが、2巻~3巻が神懸かりすぎていて、一気に虜に。大人なのに、皆がみんな片想いをしているという不思議な状況に、ワクワクがとまりません。(既刊3巻)
6.音久無「花と悪魔」

…こちらも勢い重視のピックアップ。次の10巻が最終巻となります。9巻での泣かせ方が、ベタと言えどとにかく素晴らしかった。人間の子どもと、悪魔の青年の絆を描いた物語。序盤の家族愛的なところから、中盤以降の恋愛へのシフトチェンジがお見事。どんなラストになるのか、今から楽しみで仕方ありません。(既刊9巻)
7.ろびこ「となりの怪物くん」

…昨年の新作で一番プッシュした本作ですが、2010年も素晴らしかった!メイン二人だけでなく、二人を中心に広がりを見せる、不器用な少年少女たちの全力でのぶつかり合いが、どこまでも滑稽で、そして眩しかったです。広がりは一旦一段落、今年はそれぞれの人物・関係を掘り下げていくことで、より深みを見せてくれることでしょう。(既刊6巻)
8.河内遙「夏雪ランデブー」

…幽霊と低体温男子と未亡人という異色の三角関係を描く本作は、突飛な設定もさることながら、それに負けない話運びで魅せる魅せる。変なのに、面白いし、なんでか共感してしまい、引き込まれる。1位と2位に挙げた「八潮と三雲」、「だから恋とよばないで」と並んで、昨年の新作で最もチェックして欲しい作品の一つです。(既刊2巻)
9.葉月かなえ「好きっていいなよ。」

…二人がくっついてから失速してしまう作品が多いですが、こちらはむしろ面白さが増すばかり。自己評価の低いヒロインが、完璧な彼氏を前に、恋愛に前向きになれない中、それでも時間と触れ合いを重ねることによって、喜びを見出し、自分自身も受け入れる。コンプレックスを抱えた登場人物たちが、壁にぶつかりつつも他人に承認されることによって、自らを認めていく、その力強さに、いつも勇気づけられます。(既刊5巻)
10.金田一蓮十郎「ライアー×ライアー」

…「ハレグウ」「ニコイチ」の金田一蓮十郎先生の初少女漫画作品。女子高生に扮した女子大生のヒロインが、仲の悪い義弟にあろうことか一目惚れされてしまい、猛アタックを受けて困惑…というラブコメディ。1巻は助走段階なのですが、それでも十分面白く、2巻以降への期待が膨らみまくりです。(既刊1巻)
11.奈々巻かなこ「港町猫町」

…巻数表示なかったのですが、2巻が1月に発売されるということで、こちらに。一人で生きる寂しき女=魔女と、そんな彼女に優しく寄り添う気まぐれな猫の触れ合いを描いたお話。寂しさを抱える女性に贈る、大人のための童話です。(既刊1巻)
12.よしながふみ「大奥」

…シネマライズも絶好調。いつもながらの濃密さで、2010年も楽しませてくれました。特に6巻は、老いた二人がついに結ばれたシーンで感涙。いよいよ物語のはじめに戻る所にまで、時代は進んできましたが、どう繋げていくのか。続刊は遅めの刊行かと思いますが、それでも期待は薄れず、この位置で。(既刊6巻)
13.末次由紀「ちはやふる」

…ハイペースで刊行を続けながらも、その熱量は落ちることなくキープ。二年目に突入し、新キャラも登場。全国大会へ向けての熱戦の連続に、とにかくアツかった2010年。そして2011年はいよいよ全国の舞台で。これで盛り上がらないわけがない。引き続き要注目の一作です!(既刊11巻)
14.鴨居まさね「君の天井は僕の床」

…勝手に「アラフォーのハチクロ」とか言っているのですが、この大人たちの緩いご近所付き合いが本当に面白いのです。トキメキはそれなり、目から鱗の金言たっぷり。刊行ペースが遅いのはご愛嬌。こういうシングルアラフォーライフを送ってみたいと、読めばきっと思うはず。(既刊2巻)
15.おかざき真里「&」

…立ち止まり癖のある女がヒロインの、お仕事&恋愛マンガ。今回も祥伝社フィールっぽさを出しつつも、前作「サプリ」とは全く異なる雰囲気の作品に仕上げております。一度も男性と付き合ったことがないというヒロインが、仕事に恋愛に迷いつつも時に流され、時に抗い、進んでいく、その様子と心情の描き出しが見事。(既刊1巻)
+α.紺野キタ「つづきはまた明日」

…大好きな作品なのですが、こちらもまた刊行ペースが遅いことが上位でのピックアップを阻む形に…(泣)とにかく優しく温かく、子どもとその成長を見守る大人たちの姿を描いた作品。温かい、優しい、そんな言葉を集約したような、読んでいてホッとする素敵な作品です。(既刊2巻)
以上、15作品でした。20作でのピックアップと迷ったのですが、一応昨年に準拠してみました。+αは、許して下さいませ。
以下順位付けするとしたら…
17.岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」
18.こうち楓「LOVE SO LIFE」
19.桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」
20.和泉かねよし「女王の花」 てな感じになるでしょうか。。。
この他迷った作品としては、なかよしから「野ばらの森の乙女たち」、「先生に、あげる。」や、ベテラン・くらもちふさこ先生の新作「花に染む」や、これまたベテラン勢から吉田秋生「海街Diary」など。
花ゆめとしては「恋だの愛だの」や「百年恋慕」が期待大です。小学館では「Piece」を泣く泣く外す形に。。。また集英社では「武士道シックスティーン」、「私日和」などで迷いました。
この他「あめのちはれ」や「青年のための読書クラブ」、「シックスハーフ」、「うさぎドロップ」も削るなど、今回も昨年と同様に、かなり選定が難しかったです。こちらも同様に、オススメですので、余裕がありましたら是非ともチェックしてみてください。
ではでは、今年も沢山の素晴らしい作品に出会えることを祈って、この記事を締めたいと思います。
完結作についてのベストはこちら→2010年、これだけはチェックしてほしかった完結10作品
昨年のベストはこちら→2010年へ向けて、これだけはチェックしておきたい15作品
今年も昨年と同様に、2011年も新刊が出ると思しき作品から、「おとなもこどももおねーさんも」を念頭に、「2010年盛り上がった」+「2011年もかなり期待できる」という二つの観点からチョイス。リンクをクリックすると、レビューへ飛びます。それではどうぞ…
1.草川為「八潮と三雲」

…今年の新作で最も心掴まれた一作。特に2巻の破壊力がハンパなかったです。独特の設定で送る、噛み合ない凸凹コンビのラブでコメな展開に、終始にやにやがとまりませんでした。設定の使い方と良い、かけ合いの絶妙さと良い、とにかくすべての歯車がカチッとハマっている感じがするのです。(既刊2巻)
2.藤原よしこ「だから恋とよばないで」

…「君に届け」の二人がくっつき、「ストロボ・エッジ」が完結した中、次に来る学園モノの恋愛作品は間違いなくこれだと思います。先生と生徒という王道の組み合わせもなお良し。3巻以降の切なさ加速は必至かと。(既刊2巻)
3.勝田文「ちくたくぼんぼん」

…2巻は未レビュー、というかつい先日読んだばかりなのですが、物語の面白さと同時に、こういった作品が読めるという幸せさから思わず泣きそうに。昭和初期のとある女中の姿を描いたコメディなのですが、深い、切ない、そして温かい。 (既刊2巻)
4.高屋奈月「星は歌う」

…こういった類いのランキングでは、勢いというのも大事。昨年は「神様はじめました」を据えましたが、昨年一番の変わり身を見せたのはこの作品。序盤の不可解さは消え、いまや残るのは面白さのみ。さすが「フルバ」の高屋奈月といったところか。勢いそのままに2011年も走り抜けてくれそうです。(既刊9巻)
5.水城せとな「失恋ショコラティエ」

…昨年まではどちらかというと「黒薔薇アリス」の方が面白いと思っていたのですが、2巻~3巻が神懸かりすぎていて、一気に虜に。大人なのに、皆がみんな片想いをしているという不思議な状況に、ワクワクがとまりません。(既刊3巻)
6.音久無「花と悪魔」

…こちらも勢い重視のピックアップ。次の10巻が最終巻となります。9巻での泣かせ方が、ベタと言えどとにかく素晴らしかった。人間の子どもと、悪魔の青年の絆を描いた物語。序盤の家族愛的なところから、中盤以降の恋愛へのシフトチェンジがお見事。どんなラストになるのか、今から楽しみで仕方ありません。(既刊9巻)
7.ろびこ「となりの怪物くん」

…昨年の新作で一番プッシュした本作ですが、2010年も素晴らしかった!メイン二人だけでなく、二人を中心に広がりを見せる、不器用な少年少女たちの全力でのぶつかり合いが、どこまでも滑稽で、そして眩しかったです。広がりは一旦一段落、今年はそれぞれの人物・関係を掘り下げていくことで、より深みを見せてくれることでしょう。(既刊6巻)
8.河内遙「夏雪ランデブー」

…幽霊と低体温男子と未亡人という異色の三角関係を描く本作は、突飛な設定もさることながら、それに負けない話運びで魅せる魅せる。変なのに、面白いし、なんでか共感してしまい、引き込まれる。1位と2位に挙げた「八潮と三雲」、「だから恋とよばないで」と並んで、昨年の新作で最もチェックして欲しい作品の一つです。(既刊2巻)
9.葉月かなえ「好きっていいなよ。」

…二人がくっついてから失速してしまう作品が多いですが、こちらはむしろ面白さが増すばかり。自己評価の低いヒロインが、完璧な彼氏を前に、恋愛に前向きになれない中、それでも時間と触れ合いを重ねることによって、喜びを見出し、自分自身も受け入れる。コンプレックスを抱えた登場人物たちが、壁にぶつかりつつも他人に承認されることによって、自らを認めていく、その力強さに、いつも勇気づけられます。(既刊5巻)
10.金田一蓮十郎「ライアー×ライアー」

…「ハレグウ」「ニコイチ」の金田一蓮十郎先生の初少女漫画作品。女子高生に扮した女子大生のヒロインが、仲の悪い義弟にあろうことか一目惚れされてしまい、猛アタックを受けて困惑…というラブコメディ。1巻は助走段階なのですが、それでも十分面白く、2巻以降への期待が膨らみまくりです。(既刊1巻)
11.奈々巻かなこ「港町猫町」

…巻数表示なかったのですが、2巻が1月に発売されるということで、こちらに。一人で生きる寂しき女=魔女と、そんな彼女に優しく寄り添う気まぐれな猫の触れ合いを描いたお話。寂しさを抱える女性に贈る、大人のための童話です。(既刊1巻)
12.よしながふみ「大奥」

…シネマライズも絶好調。いつもながらの濃密さで、2010年も楽しませてくれました。特に6巻は、老いた二人がついに結ばれたシーンで感涙。いよいよ物語のはじめに戻る所にまで、時代は進んできましたが、どう繋げていくのか。続刊は遅めの刊行かと思いますが、それでも期待は薄れず、この位置で。(既刊6巻)
13.末次由紀「ちはやふる」

…ハイペースで刊行を続けながらも、その熱量は落ちることなくキープ。二年目に突入し、新キャラも登場。全国大会へ向けての熱戦の連続に、とにかくアツかった2010年。そして2011年はいよいよ全国の舞台で。これで盛り上がらないわけがない。引き続き要注目の一作です!(既刊11巻)
14.鴨居まさね「君の天井は僕の床」

…勝手に「アラフォーのハチクロ」とか言っているのですが、この大人たちの緩いご近所付き合いが本当に面白いのです。トキメキはそれなり、目から鱗の金言たっぷり。刊行ペースが遅いのはご愛嬌。こういうシングルアラフォーライフを送ってみたいと、読めばきっと思うはず。(既刊2巻)
15.おかざき真里「&」

…立ち止まり癖のある女がヒロインの、お仕事&恋愛マンガ。今回も祥伝社フィールっぽさを出しつつも、前作「サプリ」とは全く異なる雰囲気の作品に仕上げております。一度も男性と付き合ったことがないというヒロインが、仕事に恋愛に迷いつつも時に流され、時に抗い、進んでいく、その様子と心情の描き出しが見事。(既刊1巻)
+α.紺野キタ「つづきはまた明日」

…大好きな作品なのですが、こちらもまた刊行ペースが遅いことが上位でのピックアップを阻む形に…(泣)とにかく優しく温かく、子どもとその成長を見守る大人たちの姿を描いた作品。温かい、優しい、そんな言葉を集約したような、読んでいてホッとする素敵な作品です。(既刊2巻)
以上、15作品でした。20作でのピックアップと迷ったのですが、一応昨年に準拠してみました。+αは、許して下さいませ。
以下順位付けするとしたら…
17.岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」
18.こうち楓「LOVE SO LIFE」
19.桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」
20.和泉かねよし「女王の花」 てな感じになるでしょうか。。。
この他迷った作品としては、なかよしから「野ばらの森の乙女たち」、「先生に、あげる。」や、ベテラン・くらもちふさこ先生の新作「花に染む」や、これまたベテラン勢から吉田秋生「海街Diary」など。
花ゆめとしては「恋だの愛だの」や「百年恋慕」が期待大です。小学館では「Piece」を泣く泣く外す形に。。。また集英社では「武士道シックスティーン」、「私日和」などで迷いました。
この他「あめのちはれ」や「青年のための読書クラブ」、「シックスハーフ」、「うさぎドロップ」も削るなど、今回も昨年と同様に、かなり選定が難しかったです。こちらも同様に、オススメですので、余裕がありましたら是非ともチェックしてみてください。
ではでは、今年も沢山の素晴らしい作品に出会えることを祈って、この記事を締めたいと思います。