このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2011.01.29
作品紹介はこちら→水城せとな「黒薔薇アリス」
3巻レビュー→アリスの見た景色と、水城先生の描く愛されキャラの話《続刊レビュー》「黒薔薇アリス」3巻
4巻レビュー→「本当に好きになった人」が既にいる2人に、未来はあるの?:水城せとな「黒薔薇アリス」4巻
関連作品レビュー→「失恋ショコラティエ」3巻



1103000185.jpg水城せとな「黒薔薇アリス」(5)


君のためじゃないよ
僕が楽になれるから
そう言うんだ



■5巻発売しました。
 迷いと惑いのアリスが弾く、「亡き王女のためのパヴァーヌ」の旋律が、かつての想い人・生島光哉を呼ぶ。自分が梓であることを悟られないようにと、必死で取り繕うアリスだったが、予想以上に光哉はアリスにこだわり会おうとしてきて…。一方そんな二人の様子を見たディミトリ、櫂&玲二は…。急展開の第5巻、登場です!
 

~生島光哉との再会~
 ついに訪れてしまいました。生島光哉が、アリスのピアノの音色に導かれるように、彼女の元へ。想定していなかった、再会という展開を迎えます。そして明らかになる、光哉の現在。かつて“光る哉”、とその名前に重ね思いを馳せた、明るく人を引きつけるような輝きはそこにはなく、愛する相手を失った失意の中、未だ闇から出られない彼の姿がそこにはありました。


~ディミトリと同じ苦しみを味わうアリス~
 最愛の人を失い、同時に自分のせいだという罪悪感を感じている、半ばパニック状態のまま、その命を繫ぐ力を持ったものに、助けてくれと乞う。結果命は繫がれ、無事に救うことができたと安心したものの、結局それは、自分のエゴに過ぎなかった。ディミトリはアニエスカに対して、そしてアリス(梓)は生島光哉に対して、同じような思いを抱くことになります。


黒薔薇アリス5-1
 アニエスカには魂がないぶん、それでもディミトリの罪悪感は“その時”に縛られ続けるわけですが、光哉の苦しみは現在進行形で続いており、今現在変化をしているという状況。それを目の前にまざまざと突きつけられるのは、そりゃあキツいわけで。ディミトリは変化することのない、永遠とも言える罪悪感に飲まれ、逆にアリスは、現在進行形で変化をする、ディミトリとは違う苦しみを味わうことになります。どちらが苦しいかはわかりませんが、その苦しみの中で、光哉に身と心を許してしまうというのは、わからないでもない行動なわけで。
 

~愛と繁殖を描く物語~
 その中で描かれた、アリスと光哉のベッドシーン。元々この作品のテーマは、「愛と繁殖」であったわけですが、そういう意味では、この時が一番このテーマを体現しているような気がするなぁと感じました。今まではどちらかというと、繁殖に付随する、良きオスを見抜く能力であるとか、そういった側面が強く出ていたので、こと恋愛が前面に押し出されたこの二人の描写は、今までになく新鮮であったというか。



~身体的接触から見る、ディミトリの想い~
 驚いたのは、ディミトリが出ていってしまったこと。彼はそれについて様々語るわけですが、その真意というのは、結局のところ明らかになりませんでした。
 
  そんな中、「アニエスカ」という名前を出した時、ディミトリは激昂し、アリスに手をあげます。この時彼は、「アニエスカへの思いを切り、アリスとして君を愛した」と語っているのですが、アリスがこのような容姿で、このような状況に陥っている中、そのような言葉が出てきても、本当にそうなのだろうかと思える時があるのも事実。しかしディミトリは確実に、彼女をアニエスカとしてではなく、アリスとして愛しつつあります。それが窺えるのは、彼の言葉などではなく、身体的接触にありました。
 
 1巻にてアニエスカを復活させたとき、彼はマクシミリアンにアニエスカの身体を運ばせ、同時にこんな言葉を残します。


黒薔薇アリス5-2
彼女はもう二度と
僕に触れられたくはないだろうから

 

 この想いは徹底していて、例えば彼が梓の魂をアニエスカの体内に宿すときも、アニエスカの身体には触れず、レオにその役目を頼んでいます。そう、ディミトリは決して「アニエスカの身体に触れない」のです。そんな彼が、別れ際におくった、アリスへのキス。これ以上に、彼の想いが伝わってくる行動など、あるはずがないのです。いや、もしあったとしたら、それは最後の最後、繁殖のときでしょうか。そういう意味では、彼は既に最高のカードを切ってしまった。そんな彼の気持ちに、アリスがどう応えるのか、6巻は要注目です。なんて、6巻は双子の一悶着で、ディミトリ一切登場しないなんてこともありそうですが。どちらにせよ、目が離せません。


■購入する→Amazon

カテゴリ「プリンセス」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。