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Tag [続刊レビュー] 2011.02.18
作品紹介はこちら→桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」
8巻レビュー→目黒の愚行とその裏にある弱さについて少々…《続刊レビュー》「悪魔とラブソング」8巻
9巻レビュー→脆性と熱情が同居する目黒のピアノ演奏:桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」9巻
10巻レビュー→目黒先輩じゃだめとは、これ如何に:桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」10巻
11巻レビュー→マリアからみた目黒の印象:桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」11巻



1103001372.jpg桃森ミヨシ「悪魔とラブソング」(12)


だから変わる
こんどは迷わず
あいつを守れるように



■12巻発売しました。
 気持ちが通じ合い、やっと恋人同士になったマリアと目黒。けれどマリアは失声症になり、目黒も右手に怪我をしてしまう。マリアは声を取り戻すため、昔住んでいた横須賀へ目黒や優介たちと向かい、出会ったのはマリアの父親。罪を犯した父を憎むマリアだったが、彼の心の内を知ることで、ついに和解。声も戻ってくる。一方横須賀から戻ってきた後、目黒の怪我は悪化していき、ついに衝撃の告白を…
 

~よいセックスとは~
 クロス編、完結です。父親との再会で締めかと思いきや、その後の目黒の右手の怪我が一番の山場だったとは。前回も仕方ないとは言え、ヘタレっぷりを発揮してくれていた目黒。とはいえまだまだチャンスはございます。マリアの想いは止まることなく、「触れる」「触れられる」への欲求は強いまま。加えて恥じらいという感覚をあまり持ち合わせていない彼女は、勢い余ってこんなことさえ口に出してしまいます…


悪魔とラブソング12
よいセックスとは
具体的にどうすればいいのだろう?


 ここで面白いのは、マリアの発言がどこまでも即物的であるというところ。女性のセックス観というか、「良いセックス」は何かと問われれば、テクニック云々とか具体的に“どうする”とかっていうよりも、より精神的な面での充実を求める印象があります。ananのセックス特集とか、読んだことないですけどきっとそんなこと書いてあるんじゃないんですか?(偏見)そんな中飛び出したマリアの言葉は、「“具体的に”どうすればよい」のか。ノウハウ的な…?この考え方が、なんていうか彼女の不器用さであるとか、男っぽさを表しているようで、すごく印象的でした。


~離れることが決まってからの目黒さん…~
 結局離れることになった目黒ですが、離れるまではどこまでも煮え切らなかった彼、離れることが正式に決まってからは、なんか気持ち爽やかで煮え切った感じがあるのは気のせいでしょうか。決意後ゆえに気持ちに整理がついているという部分もあると思うのですが、常々マリアの隣にいることがプレッシャーとの戦いでもあったように映る中、そこからの解放と捉えることのできる、今回の海外行きは、なんらかのリラックス効果を彼に与えているように映らなくもありません。こう、ヘタレくんにありがちなパターンなので、ついつい疑ってしまうのは悪い癖ですね(笑)でも、だからこそのあの言葉だと思うのですよ。
 
 俺は一生
 可愛マリアにしか惚れらんねーからさ


 普段の彼だったらよう言わん気も。いや、言ったとしてもすごいたじたじな感じに…
 


~13巻完結は、悪魔とかけたのか~
 次巻、13巻にて完結だそうです。13というのは、タイトルである悪魔とかけたのでしょうか。そう考えると、元々この巻にて完結させる予定だったのかもしれませんね。13巻で狙って完結というと、「Death Note」を思い出しますが、こちらも良いエンディングを迎えることができるのか、注目です。




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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。