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Tag [続刊レビュー] 2011.02.27
作品紹介→*新作レビュー*中村世子「ニブンノワン!王子」
2巻レビュー→時に幼く、時に強く…ギャップは魅力を増幅させるのです:中村世子「ニブンノワン!王子」2巻



ニブンノワンオウジ中村世子「ニブンノワン!王子」(3)


父親には
娘をあんな顔にすること
出来ないんだな…



■3巻発売です。
 少しずつ、夫婦の絆が深まりつつある月子とジン。そんな中、海外赴任中の月子の両親が帰国するとの知らせが!帰ってくる以上、ジンとのことを伝えなくてはならない!意を決して、半人半犬で異国の王子・ジンと婚約したことを正直に話した月子だったけど、お父さんは泡を吹いて卒倒。当然のことながら猛反対!月子は、何とかジンのことをわかってもらおうと、精一杯お父さんに説明・説得する月子だけど、お父さんはなかなかわかってくれず…!?
 

~もし16歳の愛娘がいきなり「婚約しました」とか言ってきたら~
 3巻は親子回。父親にジンとの婚約を伝え、説得する過程がメインで描かれます。当然父親は大反対するわけですが、親としてはこれが普通の反応であるわけで。冷静に考えるとこの状況、親から見るとかなりエグイシチュエーションです。ただでさえ海外にいて離ればなれになっていて、会えない時間が愛を育てている(郷ひろみ談)というのに、帰って来たらいきなり「婚約しました(真顔)」。しかもその相手と来たら、異国の王子でしかも半人半犬とかいうわけのわからない設定の男(事情を知らなかったらこの時点で相当アウトだと親的には判断せざるを得ない)で、しかもあろうことか一緒に生活しているという。お父さん、泡を吹いて卒倒したわけですが、よくショック死しなかったな、というぐらい。それでも最後は、認めちゃうお父さん、カッコいいなぁ、と。「君に届け」の爽子のお父さんを思い出しました(→レビュー)。そんなお父さんのハイライトは紛れもなくこの台詞


ニブンノワン王子
父親には
娘をあんな顔にすること
出来ないんだな…



 わかってはいたかもしれないけれど、目の前でそれを見て、改めて気づかされる事実。そのことに抗うことなく、素直に受け入れ、ジンに託す、その低頭な姿とは裏腹に、もの凄く素敵に映ったわけですよ。
 

~あの二人が!~
 そうそう、今回読んでいてちょっとした懐かしの二人が登場しました。それは、月子がジンへプレゼントを買おうとバイトに励んでいたシーン。彼女は短期バイトとしては定番の、チラシ配りに挑戦するのですが、その最中にこんな姿が…
 

ニブンノワン王子3-2
「友嬢サバイバル」の朝子と桜子!

 「友嬢サバイバル」というのは、中村世子先生の初単行本となった記念すべき作品で、全2巻の物語です。2008年に2巻が発売され、完結ということで、ウチのブログではレビューしていないのですが、百合な日々さんのこちらのエントリが詳しいので、ご興味のある方はどうぞ→友嬢サバイバル!(百合な日々)

 今回はモブキャラ的な役回りでありながら、日傘をさしかつレスポンスが「いいですわよ」と、エキストラとしてはどう考えても違和感バリバリなご様子の桜子。この台詞によって、中村先生の前作を知らない方も、このキャラなんか特別感がある…と気づかれた方が結構いるんじゃないかと思います。こういう演出って、マンガだと結構あるのですが、嬉しいですよね。なんだか得した気分になります。
 

~意外な展開に~
 さて、3巻ということで、そろそろ完結へ向けた舞台整理に入るのかな、と思っていたら、事態は思わぬ方向に。これ、離ればなれというのはある種予想がついていたのですが、まさかあんな形になるとは。元々ファンタジー要素の強い作品で、しかも宝玉輪という、いかにもがアイテムがあったあわけですが、ちょっと唐突とも言える急展開だったもので。これ、どれだけ続くかはわかりませんが、ロードムービー的冒険譚が続くことは容易に予想できるわけで、一体どうなってしまうのか。月子自身が持つ心の強さも十分魅力的ではありますが、やっぱりジンとのやりとりからくるニヤニヤが好きであります。何やら新キャラも登場のようですが、どう絡んでくるのか。色々な意味でドキドキしつつ待ちたいと思います。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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