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Tag [新作レビュー] [BL] 2011.02.28
1106005846.jpg秀良子「リンゴに蜂蜜」


会いにきてくれて
ありがとう



■松田夏樹・大学2年生…ゲイ。付き合っている男に突然結婚すると言われ、年下の男に唐突に「カレー部入んない?」と誘われた。ずけずけと踏み込んでくるその男に、最初は引いたけれど、気がつけば、寂しさも哀しみもカレーが大好きなアイツが現れてから、少しずつ幸せへと形を変えていた。すごく甘くてちょっぴり可笑しいコマノ&夏樹シリーズ他、10年振りに訪ねてきた同級生とのひと夏を描いた「世界の終わりのなつもよう」を収録。

 秀良子先生のマーブル初コミックス。毎度おなじみマーブルです。3週連続でBLレビューになってますが、元々毎週日曜はBL作品で更新しようとか決めたとか決めていないとかいうあれがあったので、いわば意地になってるのです。上記の表題作シリーズ、大学生の二人を描いたお話の他に、もう一シリーズ収録。こちらは、ある日突然元クラスメイトが自分の家に「2012年に人類が滅びるって聞いて、誰に会いたいか考えたら来てしまった」とわけのわからない事を言って押し掛けてくるというお話。短編集というよりは、シリーズ集という感じの一冊となっています。


リンゴに蜂蜜
「世界の終わりのなつもよう」より。世界の終わりを意識させる、「何でもない夏の日」の描写。起伏のない物語ながら、その味わいはかなり深い。


 せっかくなので両方のお話について書きたいと思います。まずは表題作シリーズの方。こちらはカレー部に所属する二人の男子大学生のカップルを描いたお話。ゲイであることから、なかなか大学の人間と関われないでいた主人公に、ある日突然馴れ馴れしくカレー部に入らないかと声をかけてきたのは、大学の後輩である生徒。女と間違われて話しかけられただけ、しかもカレー部なんてものは存在していなかったのですが、夏樹に興味を持った彼はそれ以降もつきまとうように声をかけてきます。いわゆるゲイ側は大人しくて全然乗り気じゃないんだけど、そんな彼に興味を持ってしまったノン気がどハマりしてしまうというパターン。後輩ということもあり、結構自由でワガママな彼に振り回されつつも愛してしまうという、このグダグダ感が可愛らしいお話になっています。
 
 もう一方、「世界の終わりのなつもよう」は、逆に全くのノン気の主人公。というか、これってBLなのってぐらいにあっさりとした関係性が描かれます。というかこれはBLテイストと言った方が良いような。マヤ歴終焉という話から来る、「2012年世界滅亡説」を信じた元クラスメイトが、会いたくなったと主人公の家を訪ねてくることから始まる物語。序盤全く「好き」とも明言しない、近づかない。ただ「会いたくなった」と言い、それを言葉では跳ね返しつつも許容してしまう関係。実に奇妙なとある夏の日々を、淡々と切り取っていくだけなのですが、それでも最後のまとめ方が美しく、読み終わったときにすごくスッキリとした前向きな気分になれました。こういう時間の流れの中に、一度身を落としてみたいな、となんとなく憧れもあったり。いや、不思議な味わいで良かったです。


【男性へのガイド】
→表題作シリーズは若干厳しかったのですが、逆に世界の終わり~の方はしっくり。この感覚で。恋愛感あるかないかの違いでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→東京漫画社は好みの作品が多いのですが、これまたちょっとテイスト異ならせつつで楽しむことができました。


作品DATA
■著者:秀良子
■出版社:東京漫画社
■レーベル:マーブルコミックス
■掲載誌:
■全1巻
■価格:629円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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