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Tag [続刊レビュー] 2011.03.09
作品紹介→中学2年、好きになったひとは、先生でした。:山田デイジー「先生に、あげる。」1巻
関連作品紹介→「ボーイフレンド」「ギリコイ」



1106005263.jpg山田デイジー「先生に、あげる。」(2)


わたしだって広い空を見てみたいし
旅行もしてみたいし
進学もしたい
…だれかに 必要とされたい



■2巻発売です。
 楽しいものではなかった、あざみの日常。そんなあざみのことを、担任の水澤先生は陰ながら守ってくれる。一人の教師としての優しさからか、それとも一度キスをしてしまったからか。。。これ以上近づいては壊れてしまいそうな関係。隠しきれない、感情。先生の存在が、すこしづつ、近づく。やすらぎと守られている暖かさが、とても心地いい。恋をするまえの自分には、戻れない…。運命の歯車が、今動き出した   


~「中学生でも」「中学生だから」~
 2巻発売です。先生と生徒もの、少女漫画でも一つの雑誌に一つくらいは必ずあるような鉄板シチュですが、最近だと月9なんかでも見られたりしますね。とはいえあっちは結構ドロドロだそうで。それに対し、こちらは純度100%。高校生と先生というとリアルですが、こちらは中学生と先生なので、真剣ではあるものの危なさや生々しさを感じさせない、良い意味での非リアルがあります。


先生に、あげる2-1
 とりあえず、切ない。けれども可愛い。滑稽とはまた違った感覚なのですが、中学生なのに大人相手に真剣に愛を語るその姿は、なんだか不思議な感じで、戸惑いみたいな感覚を、読んでいて覚えたりしました。
 
 
~違えた約束~
 2巻を読んでいて思ったのが、後半に進むにつれてあざみの誠への要求が強まっているということ。もともと内気で自分の気持ちを主張しなかった彼女ですが、誠相手にはそんなのお構いなしという感じに、あれやこれやとわがままを言います。時にその行動は暴走とも取れるような行動を引き起こしており、その様子を見て、多少なりともイライラされた方もいるかもしれません。けれどもこれも、ある意味では「自分を変える」ということ。というかそもそも、彼女が誠に対してだけ、ここまで正直に自分の気持ちを伝えているのは、誠のとある言葉があったからなのではないでしょうか…
 

先生に、あげる2-2
そのかわり
オレにはなにも隠さないって
約束してくれる?
オレが君を守るから



 隠さず、自分の気持ちをそのまま発露させる。1巻では比較的我慢のきいた彼女が、2巻途中から暴走したかのように誠に願いを重ねるようになったのは、誠とそういう約束をしたから。あざみは、ただただ素直に、その約束を守っていたのではないかな、と。そしてまた誠も、「あざみを守るために」行動し続けます。そして当然、その「守ること」は「受け入れること」ではないわけで。お互いを結びつけた約束ですが、それは決してお互いの願いを叶えてくれるわけではありません。守れば守るほどに、約束に縛られ、お互いは離れてしまう。うーむ、なんとももどかしい。


~姉の伏線は全く登場せず…って次回ラスト!?~
 そういえば、1巻ご紹介の時にちょっと触れた、あざみのお姉さんと誠に繋がりがあるんじゃないかって話。2巻では全く気配も見せずでした。でも少人数で回すスタイルの山田デイジー先生だし、生徒×先生という壁の向こうにもう一枚高い壁を用意するとしたら、やっぱりその線が一番しっくりくる気がするのですよねー。どうも予告でもそんな感じを匂わせていますし。というか3巻で「クライマックス!」の文字が…!え、もう次で終わりなんですか。意外と早い完結の予感に、驚きを隠せません。なんてここまで言っておいてそうじゃなかったら、結構恥ずかしいですが、その時はしれっとなかったことにしましょう(笑)さてさて、思いのほか動きの速い物語、3巻はどんな展開になるのか、まだまだ注目です。


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コメント

こんにちわ。「先生に、あげる。」の最終回読みました。
とっても、良かったです。特に、最後の、結婚式のが良かったです。
From: HARURU♥ * 2011/04/02 21:47 * URL * [Edit] *  top↑
オチ言わないでよ!
楽しみにしてたのに……
もう!!
From: (`・ω・´) * 2011/10/23 15:50 * URL * [Edit] *  top↑
本当だよ!
From: エレン * 2011/11/07 11:25 * URL * [Edit] *  top↑

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