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Tag [新作レビュー] 2011.03.20
1103025619.jpg松元陽/前田珠子「破妖の剣」(1)


もうあいつだけなんだよ
おれを捕らえ
おれを殺すことができるのは



■魔性が跋扈する世界、ガンダル・アルス。中でも魔性の命を奪うことができるのは、破妖剣士のみ。最強の破妖刀「紅蓮姫」に選ばれし少女・ラエスリールは、護り手・闇主と共に、魔性たちと戦っている。ある火、ラエスリールの前に突如現れた美貌の青年が、禍々しいまでに赤い柘榴をの実を手渡してき得る。上級魔性らしきその謎の青年は、闇主に強い執着を持ち、ラエスリールに敵意を持っているようで…!?

 人気ライトノベル作品のコミカライズになります。やけにファンタジー色の強い作品で、別マ(連載はザマーガレット)っぽくないなぁ、という感じなのですが、人気ライトノベルのコミカライズはマーガレットがずっと持っていた枠。香魚子先生の「伯爵と妖精」(→レビュー)が完結した後の作品として、こちらが選ばれたという感じでしょうか。原作は、OVAも出ているなどかなりの人気作です。
 
 舞台は、人間を喰らう魔性が跋扈する世界。そんな世界で、人間ととびきり上級の魔性とのハーフであるヒロイン・ラエスリールが、魔性を狩るハンター・破妖剣士として日々魔性と戦っている…というところから物語は始まります。物語のキーとなるのは、最近ラエスリールの護り手(ハンターにつき一緒に戦う魔性)に勝手になった上級魔性・闇主。どうにもつかみどころのない闇主の意図は、ラエスリールにも見えず。そんなある日、ラエスリールの目の前に、上級魔性と思しき青年が現れ、闇主との関係を仄めかし消えるという出来事が。ますます深まる、闇主とその青年、そして近頃頻発しているという、人が街ごと消えるという事件。そこから明らかになるのは…というストーリー。


破妖の剣
お調子者っぽく振る舞う闇主。その正体は謎に包まれており、また非常に掴みどころのない性格で、厄介。


 原作の「柘榴の影」というお話をコミカライズしているみたいです。アクション要素にバトル要素、そしてグロ要素に魔法要素と、中二っぽいテイスト漂う物語になっているのですが、実績のある原作であるため、その辺はあまり気にする必要はないのでしょう。原作絵がどうなのかは知らないのですが、原作を知らない者からすると、こういった世界観と作者さんの絵は良くマッチングしており、少女漫画特有のふわふわした感じをしっかりと消されて、アクションシーンも見応えあるなぁ、と思いました。
 
 ストーリーの方は、明らかでない部分がありながら特に強く読者を引き止めておくような引きの強さもなく、どちらかというと原作ファンの方が残っていく形になるかと思われるのですが、初読でも理解はできる親切さはあり、原作未読でも絵や世界観が気になるという方は読んでみても良いかもしれません。個人的には桜妃というキャラのかわいさにノックアウト。ラエスリールの尖った美しさも良いのですが、毒々しい可愛さを振りまく桜妃はまさに魔性の何相応しい綺麗さで、素敵だなぁ、と。
 
 

【男性へのガイド】
→ヒロインに可愛げがないものの、物語自体は男性が読んでいても不自然ではない気が。原作は結構昔からやっているものらしいですし、ご存知の方も結構多いはず。
【感想まとめ】
→アクションシーンが見応えあり。ちょっとごちゃつくところもありますが、少女漫画でここまでできれば十分という気もします。原作付きなので広い世界観でも崩れる心配はなし。あとは原作ファンとの兼ね合いかと思いますが、その辺は私は読んでる人ではないので考慮できずです。個人的には桜妃の毒かわいさ推し。


作品DATA
■著者:松本陽/前田珠子
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マガーレットコミックス
■掲載誌:ザマーガレット(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「別冊マーガレット」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

「破妖の剣」は実は二度目のコミカライズで最初の挿絵担当だった『あもい潤』氏により大判コミックで三冊ほど出版されてます。
私は小説自体もあもい氏に惹かれ購入したので、そちらの方が好みです。多分もう絶版でしょうが。興味があるなら古本屋さんで探すことをおすすめします。
余計なお世話かもしれないけどつい懐かしい題名を見かけものですから。
From: タイラー * 2011/04/28 20:21 * URL * [Edit] *  top↑
他でコミカライズされていたのは知っていたのですが、
まだ2度目なのですね。
思っていたより少なくて驚きました。
From: いづき@管理人 * 2011/05/20 22:27 * URL * [Edit] *  top↑

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