
鏡ごしに馨さんを見た
見るんじゃなかった
だって
だってもう目が離せない
■3巻発売。完結しました。
小日向二子、高二。それぞれ離婚に離婚を重ね、今は皆独り身の祖母、母、姉二人、と「慰謝料御殿」と呼ばれる家に住んでいる。家族の失敗を目の当たりにしてきた二子は、決てし恋愛になど心乱すものかと固く決めている。だが最近、そんな彼女の心をかき乱す存在が。それは、行きつけの美容室のスタイリスト・馨。何かにつけて二子に構ってくる馨に、二子は…!?
恋愛には興味がない、というか興味を持ちたくないヒロイン・二子が、よりによって恋愛上級者・馨に心奪われてしまうというお話。家族の失敗を見てきた二子は、恋愛のみならず普段の生活においても視点がやたらドライ。そんな彼女にちょっかい出してくるのが美容師の馨ですが、とにかくこの男、食えない。自分はスッと心の中に入り込んでくるくせに、彼自身のことはのらりくらりと躱して決して見せることはありません。要は恋愛上級者なんですが、それにしてもだよ、この男は。

恋というよりは、むしろ憧れに近い感情かな。白泉社らしくないドライな雰囲気の中に、馨の不思議な空気感が絶妙にマッチしています。また職業柄か、やたら触れるシーンが多いのですが、その度エロは匂わせるものの、そっちには決していきません。これもまたこの作品独特の空気感を作っている要因になっているんじゃないでしょうか。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→女子高生と美容師という少女マンガっぽい設定ですが、この空気感が好きという人はいるはず。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→なんだろうねこの感じ。どこが良いのか、と言われれば、雰囲気としか説明のしようがありません。表紙は結構内容を表してる感じがするので、それを見てピンと来た方は。
作品DATA
■著者:マツモトトモ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成19年2月号~平成20年12月号)
■全3巻
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