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Tag [続刊レビュー] 2011.03.27
作品紹介→*新作レビュー*すえのぶけいこ「リミット」
2巻レビュー→サバイバルはあくまでダシ、メインはあくまで人間関係:すえのぶけいこ「リミット」2巻
3巻レビュー→表紙も中身もドインパクト:すえのぶけいこ「リミット」3巻



1106005253.jpgすえのぶけいこ「リミット」(4)


誰が殺したの


■4巻発売。
 あんなに帰りたがってたのに。あんなに生きたがってたのに。今はもうかなわない。
 変わり果てた姿で発見された薄井。手を下した人間が、この中にいる!!互いを疑い合う、重苦しい空気。そして突きつけられた事実が、新たなる「負の連鎖」を生み、事態は最悪の方向へ…!
 


~この作品をこのタイミングで~

 さて、4巻発売です。大事故に遭い、多くの方が亡くなった中生き残り、それでもさらに争いを起こすというこの作品。4巻発売のタイミングが、震災直後ということもあり、レビューしようか本当に迷っていたのですが、作品はまた別ということで、お届け致します。この作品とは関係ないですが、アニメ化も決定していた「COPPELION」(東京に作られた原発が地震によりメルトダウンを起こし、東京に人が住めなくなったという世界で繰り広げられるストーリー。面白いです。)が一旦全て白紙に戻されるなど、少なからず影響を受けている作品もあったりするわけで。


~まさかここでこんな展開を見せてくるとは~
 さて、前回ラストまさかの幕切れを見せた当作品ですが、更なる展開が待ってましたよ…。いや、誰か死ぬ気はしていたのですが、立て続けに来るとは、ちょっと信じられなかったです。こう来ますか…。そうすると、途端に表紙がですね、はい…。
 
 しかしまだ彼女が死んだかどうかは確定ではありません(とか確か3巻のときも言ってて、薄井さん亡くなっていましたが…)。意外と生きてて、この後の展開に…なんてことも考えたいですが、彼女が復帰してどんな形で物語を盛り立てるか…と考えてもなかなか浮かばず。。。
 

~容疑者は3人に~
 物語の焦点は、生き残るというところから、薄井さん殺しの犯人探しへとシフトしていきます。そして絞られた、容疑者3人。これが「少年探偵彼方 僕らの推理ノート」シリーズであれば、3人の選択肢が登場し、正解するとテレホンカードが貰えるというガイドが物語のラストにガイドとして差し込まれますが(まず殆どの人がわからないであろう例え)、こちらは違います。分かりやすいヒントもなく、「事件解決だよ♪」(音符が大事)などと言える状況にはありませんが、それでも読んでいる以上、気になる点は出てくるわけで、ちょっと今回はそこを考えてみましょうか。
 
 まずあからさまに怪しすぎて絶対この人じゃないなってのは、盛重さんです。精神状態から言えば、市ノ瀬さんのように彼女の犯行と考えるのはごくごく自然であるわけですが、彼女の怪しい言動と言えばこれくらい…
 
 
リミット4-2
…言えない
本当のことなんて…



 彼女が言う「本当のこと」が何を指すのかわかりませんが、彼女は犯人じゃない気がするなぁ。だってこの手の作品でこういう人が犯人だったことって、ほぼほぼないでしょう?というか、読者の殆どの人は、盛重さんではなく、この人が怪しいと思っているはず。そう、日向くんです。

 もうね、初登場時から怪しさMAXですよ。例えばコンノたちに合流したとき、コンノから薄井さんに会ったかという話をふられ、こんなリアクションを残しています…
 

リミット4-2
なにこの間


 また盛重さんも、彼に対しこんな言葉を放っています
 
 あたしは知ってる…
 あんたの本性を
 仮面の下の悪魔の姿を

 
 一体彼の持つ、仮面の下の悪魔とは何を指すのか、非常に気になるところです。またさらに穿った見方をすると怪しく思えてくるのが、彼の右袖の切り傷みたいなやつ。みんな衣服は事故やサバイバルでボロボロになってはいるのですが、あそこまでわかりやすく切れてるのって、あんまりないです。盛重さん、鎌を持つ人間と夜間に対峙していたみたいですが、その際についた傷では…なんてついつい考えてしまいます。また4巻ラスト、救助に来たヘリの存在を敢えて知らせず、この場にもう少し留まらせようとしているあたり、さらにこの場で何かやらかそうとする気まんまんですよ…!しかしその後、彼の言動が一つ気になります。モノローグという形で挟まれたその言葉は、
 
 
 …この中に潜んでる
殺人者がいる


 これ、もちろん思考主は日向くんなのですが、彼が犯人だとすると、「この中に殺人者がいる」という発現には矛盾が生まれてきます。これの受け取り方として考えられるのは、まず彼が中二病の患者さんで、「俺の中の殺人者が…」的な…いやさすがにこれはない。だとしたら、何か。これは予測にすらならない至極勝手な妄想なのですが、過去に何か事件めいた出来事があり、そこの当事者がこのメンバーの中にいて、その人のことを「殺人者」と呼んでいるのかもしれません。「殺人者」という一つの言葉が、二人を差している可能性とか、どうでしょう。遅かれ早かれ、明らかになるであろう5巻が楽しみですね。


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コメント

犯人ひなたですよっ!!!!!今月の別フレで明らかに★
From: MARI * 2011/06/22 18:57 * URL * [Edit] *  top↑
リミット、5巻見ました!!!
犯人、やはり日向君でしたね・・・君に届けの風早君っぽい感じの人だったので、残念です…
From: 美樹 * 2011/08/27 15:00 * URL * [Edit] *  top↑

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