作品紹介→音久無「花と悪魔」
6巻レビュー→テンパイ…いやリーチって言ったほうが伝わるのかな?《続刊レビュー》「花と悪魔」6巻
7巻レビュー→恋は男をダメにし、少女を成長させる:音久無「花と悪魔」7巻
8巻レビュー→間違いなく物語の最高瞬間風速を記録!!:音久無「花と悪魔」8巻
9巻レビュー→切なさ溢れ、思わず号泣:音久無「花と悪魔」9巻
音久無「花と悪魔」(10)
俺も同じ
世界一の幸せ者だよ
■10巻発売、完結しました。
ビビが魔界へ帰って3年。高校生になり、美しく成長したはなは、今も忘れずあの日のビビの言葉を反芻する。あの約束を守り、迎えに来てくれると信じるはなは、来る日も来る日もビビと過ごした城へと向かう…。一方、二度と人間界には戻らない覚悟で魔界へ帰ったビビだったが、2代目魔王から勅命が下り…!?はなとビビの純愛物語、永遠の想いを胸に、ついに終幕…!!
~完結でした~
わかってはおりましたが、10巻完結となりました。個人的な予想では、10巻に最終話1~2話程度載せて、後は読切りが掲載されるのかと思っていたのですが、ガッツリ最後まで「花と悪魔」しておりましたよー!物語は感動の再会から、その後の束の間の照れとイチャイチャ、そしてその後までと、しっかりじっくり描かれました。
~感動の再会と、キスまでの過程~
「感動の再会」なんて言っておきながら、再会することはほぼ確定事項であり、問題はどうやって再会させるかって所だったのですが、意外とすんなり再会して拍子抜け。意外にも、「再会」は最終巻のメインディッシュとはなりませんでした。もちろん再会したときは嬉しかったわけですが、その前に描かれた、約束の日から毎日辿り着けないお城までの道を通い続けるというはなの健気さというか、不憫さの方が際立っておりまして、その割には意外とあっさりだったので。
それじゃあ何がメインディッシュなのさ、というところなのですが、それはビビからの告白。告白というとちょっと違う気がしますが、今まで想いは明らかではあったものの、面と向かってその言葉をはなには向けたことがなかったのでした。面倒を見る側、見られる側という関係から、お互いに対等な関係として再出発するためには、はなだけでなく、ビビからも想いを伝える必要があったのです。そういう意味では、二人を裂いた3年という時間も、お互いの想いを募らせた上で、力関係をリセットさせるという効果があったのかもしれません。
しかし最後までオッサンが絡んでくるとは(笑)そして彼によって背中を押されたビビさん。。。少女漫画においては、母親が娘の背中を押すことは多々あれど、父親が息子の背中を押す光景はあまり見ないような。。。なんだか不思議な親子関係ですよね。
~命を繫ぎ、ビビに寂しさを残させない~
個人的に一番感動したのは、最終話でしょうか。はなが不在の中、子供たちがビビと暮らしている光景というのは一見、穏やかでありながらもどこか寂しさを感じさせるのですが、背景を知っていれば、ひと際素敵な光景に映ります。何かの落語で「鶴は千年、亀は万年。どちらも長寿の象徴ですが、お互いが結婚したら、亀が一人で9千年生きなくちゃいけない」なんて話があったのですが、悪魔のビビと人間のはなにも同じことが言えるわけで。違う種族であり、寿命が異なる以上、絶対に訪れる未来。そのことを、音久無先生は無視することなくしっかりと答えを出し、誰も悲しませることはありませんでした。はながずっと生きるのは無理でも、子供が命を繫ぎ、ビビを一人にさせない。悪魔とのハーフでありながら、悪魔としての特性が強く出て、唯一「花は触れる」という子供たちの姿を見て、フェルテンがこんな言葉を残します

これはなんたる奇跡だろうね
本当になんたる奇跡なんだろうと、思わずうるりと来てしまいました。幸せだけしかない、切なさでなんて泣かせない本当に幸せなラストだったと思います。素晴らしい物語でした!
■購入する→Amazon
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9巻レビュー→切なさ溢れ、思わず号泣:音久無「花と悪魔」9巻

俺も同じ
世界一の幸せ者だよ
■10巻発売、完結しました。
ビビが魔界へ帰って3年。高校生になり、美しく成長したはなは、今も忘れずあの日のビビの言葉を反芻する。あの約束を守り、迎えに来てくれると信じるはなは、来る日も来る日もビビと過ごした城へと向かう…。一方、二度と人間界には戻らない覚悟で魔界へ帰ったビビだったが、2代目魔王から勅命が下り…!?はなとビビの純愛物語、永遠の想いを胸に、ついに終幕…!!
~完結でした~
わかってはおりましたが、10巻完結となりました。個人的な予想では、10巻に最終話1~2話程度載せて、後は読切りが掲載されるのかと思っていたのですが、ガッツリ最後まで「花と悪魔」しておりましたよー!物語は感動の再会から、その後の束の間の照れとイチャイチャ、そしてその後までと、しっかりじっくり描かれました。
~感動の再会と、キスまでの過程~
「感動の再会」なんて言っておきながら、再会することはほぼ確定事項であり、問題はどうやって再会させるかって所だったのですが、意外とすんなり再会して拍子抜け。意外にも、「再会」は最終巻のメインディッシュとはなりませんでした。もちろん再会したときは嬉しかったわけですが、その前に描かれた、約束の日から毎日辿り着けないお城までの道を通い続けるというはなの健気さというか、不憫さの方が際立っておりまして、その割には意外とあっさりだったので。
それじゃあ何がメインディッシュなのさ、というところなのですが、それはビビからの告白。告白というとちょっと違う気がしますが、今まで想いは明らかではあったものの、面と向かってその言葉をはなには向けたことがなかったのでした。面倒を見る側、見られる側という関係から、お互いに対等な関係として再出発するためには、はなだけでなく、ビビからも想いを伝える必要があったのです。そういう意味では、二人を裂いた3年という時間も、お互いの想いを募らせた上で、力関係をリセットさせるという効果があったのかもしれません。

しかし最後までオッサンが絡んでくるとは(笑)そして彼によって背中を押されたビビさん。。。少女漫画においては、母親が娘の背中を押すことは多々あれど、父親が息子の背中を押す光景はあまり見ないような。。。なんだか不思議な親子関係ですよね。
~命を繫ぎ、ビビに寂しさを残させない~
個人的に一番感動したのは、最終話でしょうか。はなが不在の中、子供たちがビビと暮らしている光景というのは一見、穏やかでありながらもどこか寂しさを感じさせるのですが、背景を知っていれば、ひと際素敵な光景に映ります。何かの落語で「鶴は千年、亀は万年。どちらも長寿の象徴ですが、お互いが結婚したら、亀が一人で9千年生きなくちゃいけない」なんて話があったのですが、悪魔のビビと人間のはなにも同じことが言えるわけで。違う種族であり、寿命が異なる以上、絶対に訪れる未来。そのことを、音久無先生は無視することなくしっかりと答えを出し、誰も悲しませることはありませんでした。はながずっと生きるのは無理でも、子供が命を繫ぎ、ビビを一人にさせない。悪魔とのハーフでありながら、悪魔としての特性が強く出て、唯一「花は触れる」という子供たちの姿を見て、フェルテンがこんな言葉を残します

これはなんたる奇跡だろうね
本当になんたる奇跡なんだろうと、思わずうるりと来てしまいました。幸せだけしかない、切なさでなんて泣かせない本当に幸せなラストだったと思います。素晴らしい物語でした!
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