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Tag [オススメ] 2009.03.07
そこをなんとか麻生みこと「そこをなんとか」


ガッポリ儲けて
先生呼ばわり
人も羨むイイ生活が待ってる筈だったのに!!



■2巻発売しました。
 司法制度改革により弁護士が大量に生み出されるようになったため、弁護士は未曾有の就職難に陥る。改世楽子も就職難に苦しむ、新米弁護士の一人。200人規模の大手事務所から始まり、決まらないまま流れ流れて場末の零細事務所へ。まさかキャバクラでアルバイトをしていた時に知り合ったその事務所の所長と交わした、「飲み勝ったら雇う」という口約束を頼ることになろうとは…。完全な押し掛け就職でなんとか雇ってもらえることになった楽子だが、そこには嫌みったらしいけどクールでやり手の弁護士・東海林がいて…!?
 
 新米弁護士・楽子の奮闘記です。家は貧乏、ロースクールへはキャバクラでバイトしながら通ったという苦労人、しかし本人はいたって明るく、そんなことはあまり感じさせない。そんなお気楽弁護士・楽子の上司が、エリート街道を歩みながらも、何故か零細事務所で働いているやり手・東海林。この二人を中心に、様々な依頼を通して、多種多様な人間模様を、時にユーモラスに、そして時にハートフルに描き出していきます。ヒロインのキャラが素敵なんですが、多分彼女が活きるのは東海林さんがいるからなんだろうなぁ…。良いアクセントになってます。
 

そこをなんとか
コミカルな掛け合いが頻発、飽きさせない。


 弁護士ものというと、正義感に燃える熱い主人公というのが基本ですが、こちらはそうではありません。とりあえずの動機はお金かな。とはいえ正義感はあります、けれどそれを振りかざすことはありません。周囲の人間もいい具合に力が抜けていて、読み心地が良いです。基本はコミカルに、笑い方向で展開させますが、情に訴えるところはしっかり描く。そこが押し付けがましくないのも良いですね。ヒロインの奮闘記で、描いているのは人間模様だったりするのですが、法律の部分もしっかり抑えてありますので、読み足りないということはなく、むしろ読み応えはあると思います。


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→読みやすいんじゃないでしょうか。重厚な感じの仕事ものが好きなんだという方には向かないかもしれませんが。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→オススメです。面白くて読んでいて飽きません。一応コメディの部類になるのでしょうかね?


作品DATA
■著者:麻生みこと
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックススペシャル
■掲載誌:メロディ(2008年4月号~連載中)
■既刊2巻
■定価:各552円+税

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