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Tag [続刊レビュー] 2011.04.11
1106005363.jpg藤末さくら「プライベート タイムズ」(1)


ちょっと声に出してみませんか
俺達が一緒に実現させるから
まぁできる範囲で



■1巻、2巻同時発売です。
 青葉は元有名子役の青葉は、今は引退して普通の学校生活を送る高校生。憧れ続けてやっと実った普通の女の子としての生活、楽しもうと張り切るけれど、なんだか上手くいかなくて。彼氏はいるし、学校にも毎日通っているし、放課後の約束だってあるのだけれど…。そんなある日、「プライベートタイムズ」という謎の集団に出会い、連れて行かれた先で青葉が見たものとは…?
 
 「あのコと一緒」(→レビュー)の藤末さくら先生の新作でございます。クッキー連載。先日ご紹介しました短編集「星の散歩」(→レビュー)と同時期発売で、さらにこちらは1・2巻同時発売と、プチ藤末さくらフェアが実施されていたりしました。こちらはガッツリ長編連載。子役として人気を得ながらも、普通の生活に憧れて引退し、今は普通の高校生として過ごしている女子高生・青葉が物語の主人公になります。夢にまで見た普通の生活、勉強に、放課後の約束に、恋人…けれども手に入れてみれば、それはどこか刺激のない日々で、今ひとつ満足感に包まれていませんでした。そんなある日出会ったのは、若者達が多数集う「プライベートタイムス」という集団。そこのメインメンバーであるイケメン・日向に、幼稚園での人形劇の手伝いをして欲しいと頼まれた青葉は…というストーリー。


プライベートタイムズ
プライベートタイムズに入るには、いくつかの加入条件が。それは外からわかるものだけでなく、人間性自体が問われる部分が大きい。


 元子役で、最近日常に退屈気味の女子高生が、大学のサークルと出会い、その一員として活動していくという青春物語。「プライベートタイムス」というサークルは、何か特定のことを集中してやるという集まりではなく、厳選したメンバー達が集い、それぞれが叶えたいことを都度全力で取り組むという、いわば全力で遊ぶサークル。サークルの掟はたった一つ、サークルメンバー同士での恋愛は禁止。そんな愉快な集団の仲間になった青葉は、様々な年上の人たちとの繋がりから、再び自分の人生を、そして自分の価値観を見つめ直していきます。
 
 物語のポイントとなるのは、青葉が元子役であるということと、サークルが恋愛禁止でありながら、メンバーはどちらかというと好かれがちなイケメン・美女揃いだというところ。元子役がとある集団に所属することをきっかけに、再び表舞台を目指すというのは、神尾葉子先生の「キャットストリート」(→レビュー)などがありますが、こちらもそういった道を進行していくのでしょうか。こちらはどちらかというと大きなトラウマなどはないように描かれてはいるのですが、少なからず芸能界に未練はあるようで、これからそっち方面のお話も増えてくると思います。というか結構ハイカラな大学らしく、芸能人や読者モデルなんて肩書きの子が普通にいたりっていう。
 
 そして同時に絡んでくるのが、恋愛ですよ。「恋愛禁止」と言っておきながら、青葉に気のある素振りをみせたりみせなかったりな日向。2本の軸が、今はまだ交わらずに遠いところにあるものの、これから物語が進んできて、混ざり合ったとき、どんな面白い物語になるのだろう、と楽しみな気持ちがすごく強いです。ただ2巻同時発売にしてもなお、エンジンのかかりの遅い印象で、初読の印象は薄めかも。


【男性へのガイド】
→こう、ここまでインパクト抑えめの作品にどこまで耐えられるかってところな気がします。
【感想まとめ】
→2巻かけてこれまでなのかという、未だ空腹感を抱えつつの切れ方ではあるのですが、下ごしらえは十分という感じで、期待感は高め。個人的には続き買って、それからという感じでしょうか。



作品DATA
■著者:藤末さくら
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックスCookie
■掲載誌:Cookie(連載中)
■既刊2巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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