作品紹介→うつむきがちな鉄ヲタ美少女の、初恋各駅停車:田中慧「純愛ステーション」
田中慧「純愛ステーション」(2)
会いたいなぁ
■2巻発売、完結しました。
「鉄道オタク」の美少女・姫野舞は駅員の青年・國見と高校卒業を機にお付き合いする約束が。それでも会うのは問題なし。お祭りで一日駅長を勤めたり、温泉駅へと行ったり、まさかのライバル登場に焦ったり…ドキドキな毎日を過ごす中、近づいてきたのは舞の大学受験。なかなか会えなくなるけれど、二人の想いはいつも…。鉄道が繫ぐ恋愛物語、完結です!
~続刊登場、完結です~
意外にも2巻登場でございます。そして完結。白泉社の作品は、単行本初巻に巻数が付かず、しれっと続刊登場することがままあるのですが、こちらもそのパターンでございました。高校を卒業したら、恋人になるという約束をしての1巻、そして2巻では、それ以降の様子が描かれます。要するに、ちゃんと約束を守るため、時が来るまで我慢して、そしてやっと…!というその過程を描くことになります。今回も鉄道成分が強い話となっておりました。
~今回は比較的表情落ち着き気味だった舞~
どうも敬語デフォのキャラに弱く、舞もまた例外でなく好きなキャラなのですが、今回も表情豊かで可愛らしい様子を見せてくれました。こういったキャラクターが、俄然輝きを増すのが、慌てるタイミング。慌てても慌てても、絶対に敬語が崩れない、その様子がかわいらしいのですよ。

そして歳下に対しても、ちゃんと敬語っていう。
でも家族に対しては、さすがに敬語は使っていないようで。この敬語に代表されるように、舞と國見さんの恋愛も本当に丁寧で、そして礼儀正しかったです。お互いに、謙虚に謙虚を重ねて恋を紡ぐ。まったくガツガツすることなく、最後まで約束を守りきりました。

順序を軽く飛び越えられそうなアクシデントが起きても、恥ずかしさやためらいがしっかりとストッパーとなって、制してくれる。純愛の名に恥じない、ゆっくりと優しく丁寧に紡ぐ恋物語でした。
その様子が、歯痒くもあり、そしてものすごく気持ち良いのですよ。絶対に過ぎたワガママを言わず、約束をしっかりと守れば守るほどに、その日を過ぎてからの二人の幸せな時間は永遠に続くことが約束されるようで、こういう恋愛のスタンスも良いものだなぁ、と。國見さん、すごく大人に描かれていますけれど、彼まだ21歳ですからね?大学生で言えば3年ですよ。すごいなぁ、この全体で見た時の落ち着きというか、頼りがいというか。お互いに基本しっかり者なので、なんだか他の少女漫画とはやや異質なカップリングに映りますが、こういうのもまた、いとをかしでございますよ。
~ホッキ貝の絵馬~
鉄道をモチーフにしているということから、基本的には実在の駅や鉄道がモデルになっているのかな、なんて勝手に思っていたのですが、そうではないらしく、ホッキ貝の絵馬を飾る駅(まきのはら駅)も調べてみたけれど出てきませんでした。とはいえホッキ貝の絵馬というものはあるらしく、この辺をモデルにしているのかもしれませんね。ちなみにホッキ貝の絵馬を飾れるのは、苫小牧にあるホッキ貝資料館という場所。ちょっとホームページ覗いてみたのですが、マスコットキャラクターが人を小馬鹿にしたような表情をしていて本当にムカつくのですよ(笑)
→ホッキ貝資料館
~読切りもちょっと異色でした~
さて、2巻は本作以外に、読切りが一遍収録されていました。そちらは、高校野球の監督の父の影響で、野球の采配に興味を持った女子高生が、野球部の監督になるというもの。こちらもまた、「純愛ステーション」での鉄道と同じように、野球という存在が恋を媒介することになります。この2作のみなのかもしれませんが、何か熱中できるものごとを一つ用意して、それを介して恋を育てるというのが、田中先生の得意なパターンなのかもしれませんが。鉄道でも野球でも、素敵なお話が描けたのだから、もう怖いものなしな気もします。次はどんなお話を描いてくれるのか、今から楽しみですね。
■購入する→Amazon
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会いたいなぁ
■2巻発売、完結しました。
「鉄道オタク」の美少女・姫野舞は駅員の青年・國見と高校卒業を機にお付き合いする約束が。それでも会うのは問題なし。お祭りで一日駅長を勤めたり、温泉駅へと行ったり、まさかのライバル登場に焦ったり…ドキドキな毎日を過ごす中、近づいてきたのは舞の大学受験。なかなか会えなくなるけれど、二人の想いはいつも…。鉄道が繫ぐ恋愛物語、完結です!
~続刊登場、完結です~
意外にも2巻登場でございます。そして完結。白泉社の作品は、単行本初巻に巻数が付かず、しれっと続刊登場することがままあるのですが、こちらもそのパターンでございました。高校を卒業したら、恋人になるという約束をしての1巻、そして2巻では、それ以降の様子が描かれます。要するに、ちゃんと約束を守るため、時が来るまで我慢して、そしてやっと…!というその過程を描くことになります。今回も鉄道成分が強い話となっておりました。
~今回は比較的表情落ち着き気味だった舞~
どうも敬語デフォのキャラに弱く、舞もまた例外でなく好きなキャラなのですが、今回も表情豊かで可愛らしい様子を見せてくれました。こういったキャラクターが、俄然輝きを増すのが、慌てるタイミング。慌てても慌てても、絶対に敬語が崩れない、その様子がかわいらしいのですよ。

そして歳下に対しても、ちゃんと敬語っていう。
でも家族に対しては、さすがに敬語は使っていないようで。この敬語に代表されるように、舞と國見さんの恋愛も本当に丁寧で、そして礼儀正しかったです。お互いに、謙虚に謙虚を重ねて恋を紡ぐ。まったくガツガツすることなく、最後まで約束を守りきりました。

順序を軽く飛び越えられそうなアクシデントが起きても、恥ずかしさやためらいがしっかりとストッパーとなって、制してくれる。純愛の名に恥じない、ゆっくりと優しく丁寧に紡ぐ恋物語でした。
その様子が、歯痒くもあり、そしてものすごく気持ち良いのですよ。絶対に過ぎたワガママを言わず、約束をしっかりと守れば守るほどに、その日を過ぎてからの二人の幸せな時間は永遠に続くことが約束されるようで、こういう恋愛のスタンスも良いものだなぁ、と。國見さん、すごく大人に描かれていますけれど、彼まだ21歳ですからね?大学生で言えば3年ですよ。すごいなぁ、この全体で見た時の落ち着きというか、頼りがいというか。お互いに基本しっかり者なので、なんだか他の少女漫画とはやや異質なカップリングに映りますが、こういうのもまた、いとをかしでございますよ。
~ホッキ貝の絵馬~
鉄道をモチーフにしているということから、基本的には実在の駅や鉄道がモデルになっているのかな、なんて勝手に思っていたのですが、そうではないらしく、ホッキ貝の絵馬を飾る駅(まきのはら駅)も調べてみたけれど出てきませんでした。とはいえホッキ貝の絵馬というものはあるらしく、この辺をモデルにしているのかもしれませんね。ちなみにホッキ貝の絵馬を飾れるのは、苫小牧にあるホッキ貝資料館という場所。ちょっとホームページ覗いてみたのですが、マスコットキャラクターが人を小馬鹿にしたような表情をしていて本当にムカつくのですよ(笑)
→ホッキ貝資料館
~読切りもちょっと異色でした~
さて、2巻は本作以外に、読切りが一遍収録されていました。そちらは、高校野球の監督の父の影響で、野球の采配に興味を持った女子高生が、野球部の監督になるというもの。こちらもまた、「純愛ステーション」での鉄道と同じように、野球という存在が恋を媒介することになります。この2作のみなのかもしれませんが、何か熱中できるものごとを一つ用意して、それを介して恋を育てるというのが、田中先生の得意なパターンなのかもしれませんが。鉄道でも野球でも、素敵なお話が描けたのだから、もう怖いものなしな気もします。次はどんなお話を描いてくれるのか、今から楽しみですね。
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