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Tag [続刊レビュー] 2011.04.20
作品紹介→*新作レビュー*ふじもとゆうき「ただいまのうた」
2巻レビュー→改めて魅力を再認識:ふじもとゆうき「ただいまのうた」2巻
関連作品紹介→ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河町商店街」



1106016344.jpgふじもとゆうき「ただいまのうた」(3)



魔法みたいだった



■3巻発売です。
 幼い両親を亡くした花寺向日葵は、5人兄妹の長女として奮闘中。文化祭で憧れの西山くんと急接近で、もう文化祭最高!!となったと思えば、町内対抗運動会では、優勝目指して大活躍!そんな中、西山くんから嬉しい提案があり、もう嬉しいハプニングは尽きません。一方で、三男・葵が発令したのは、まさかの事業仕分け!?その煽りを喰らう形で、家族みんなが厳しい生活を…あったかにぎやか、ホームコメディ第3巻!!


~家族愛も青春も~
 3巻発売です。今まではどちらかというと、家族メインでお話が進んでいましたが、3巻はちょっと目先を変えて、学校を起点とした友達同士の繋がりが多く描かれました。中でもメインで登場したのが、幼なじみであるテッちゃんと、向日葵が想いを寄せる男子・西山くん。今回は文化祭に始まり、町内運動会、そしてとあるハプニングと、イベント盛りだくさん。家族的な温かさと同時に、青春の匂いも感じとることができますよ!
 
 
~受け取り方で異なるテッちゃんの行動~
 まずスポットがあたったのは、テッちゃん。地味ながら良い仕事をする彼ですが、今回は度々最高の送りバント(地味な良い仕事)を決めてくれました。中でも素敵だったのが、文化祭の後夜祭にて、西山くんと踊りたそうにしている向日葵の姿を見た時のテッちゃんの行動。


ただいまのうた3-1
自ら向日葵の手を引き、西山くんのもとへ。


 向日葵思いの、なんとも良い男の子ではないですか。彼は一応「幼なじみ的な好き」というスタンスを取っているようですが、その本当の気持ちは明らかでありません。そのため、あの行動をどういう立場で見るかによって、その受け取り方は180°変わってくるわけで。もし家族的な優しさからであれば、向日葵を幸せにできたというその喜びのみが残りますが、恋愛感情が混じっていたとしたら、それはもう切なさいっぱいの青春ストーリーなわけですよ。手を引いて行った後、西山くんの横に行った向日葵は、以降テッちゃんを見ることはなく。それでもそんな向日葵の笑顔を見て、自らも微笑みを浮かべる、その優しさと言ったら…!それにこのシーン、よく見ると、テッちゃんもまた向日葵と西山くんが手を繫ぐ瞬間を見てはいない(意図的に目を逸らしている?)ように受け取れなくもありません。現時点では、両方の感情が入り交じる複雑な状態だと思うのですが、これからより恋愛側に傾いていく可能性大。これはこれは、面白そうですよ…!


~おめかしにネックレス~
 というわけで、土俵に二人上がったわけですが、当の行事は西山くんに軍配を既に上げている状態。もう西山くん一色で、西山くん関連の行動一つ一つがテンションMAX。憧れという感情が先走る「恋に恋する女の子」の典型を見ているようですごく可愛らしいです。そしてファンクラブに入っていたりということから、結局違う相手と…というパターンになりそうな気配がしなくもありません。(「天狗の子」(→レビュー)のタケルくんとかと同じ匂いがしますぜ…)。とはいえそれが憧れだとしても、恋は恋。そして恋する女の子の頑張る姿は、とってもカワイイのです!そしてその頑張ってる感が出てたのがこれ…
 
 
ただいまのうた3-2
ネックレス


 西山くんの家に呼ばれた際、当然おめかしして行くわけなのですが、向日葵はさりげなくネックレスをしているわけですよ。もちろんオシャレにおいてネックレスはスタンダードなアイテムではあるのですが、垢抜けない女の子がネックレスをしているとなると、また違った良さが出てくるわけで。この特別にそんでもってモチーフがさくらんぼっていうのが、また。

 向日葵ってあまりネックレスとかするようなイメージなかったので、ちょっと驚いたのですが、そりゃあ憧れの人の家に行くのであれば、それぐらいしますよねー。ましてや相手は王子様ですし。別に他のアクセサリーでも良かったんじゃね?と思うところですが、これから料理をしに行くということが確定している中、当然ネイルや指輪・ブレスレット的なものはつけられませんし、マンガだから関係ないですけど、フレグランスも御法度。イヤリングで魅せたくとも、哀しきかな彼女の髪型は耳が隠れる形をしているため、選択肢としてネックレスが残ったのでしょう。なんだかちょっと違和感ありつつも、背景を考えて見ると、うん、すごく良い。向日葵は、力一杯「恋する女の子」だってわけですよ。


~西山くんはどうなんだろう~
 さて、というわけで3人のうち2人の気持ちはそれなりに明らかになってきたわけですが、西山くんに関してはなかなかわからず。姉から冷やかされても、こう実に手応えがないというか。彼の気持ちが明らかになってこそ、青春パートが盛り上がってきそうなものなのですが、ちょっとエンジンのかかりが遅いようです。まだまだ家族パートで温かく楽しめるのですが、青春パートの盛り上がりと共にその二つが混ざり合ったときの事を考えると、実にワクワクするのですよ。というか、恋となると、俄然輝きそうな菊之介兄さんの活躍を想像しただけで…ですね、はい。菊之介はなんでオカマなんだろうって考えるのですけど、女の子にとって、兄だけの環境と、歳の離れた姉がいる環境って、結構違うんじゃないのかな、と思うんですよ。すごく大事な女役で、これはある種必然なんだと、勝手に思ってます。


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