このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2011.04.23
作品紹介→白く真っ直ぐなこの想い、まるで飛行機雲のよう:南塔子「360°マテリアル」1巻
2巻レビュー→私服・制服、服装に現れるその人の内面:南塔子「360°マテリアル」2巻



1106005344.jpg南塔子「360゜マテリアル」(3)


想いをのせて
淡い桜が舞う
高校1年
早春の候



■3巻発売です。
 付き合って初めてのバレンタイン。しかし当日、滝くんは元カノの「助けて」というコールに美桜を置き去りにして、元カノの所に行ってしまう。あまりのことに涙が止まらない美桜を慰めてくれたのは、偶然通りかかった丸井だった。そして芽生えたのは、丸井の小さな恋心。以来、隠そうとしても日に日に大きくなっていくばかり。そしてついに、滝くんがそれに気づき…!?


~待望のかませ犬くん来ました~
 さて、3巻です。前回相手役が元カノのところに走り、一方で気の合う男友達との間にフラグを立てて終えた2巻。当たり前のように、本命二人は仲直り。ゆるかわな日常を取り戻して行くかに思われましたが、小さなくすぶりを残すことに。そう、一級かませ犬の誕生が、そこで起きていたのでした。丸井くん、ようこそ。というわけで、当ブログはこれから先、基本的に丸井くんを愛でるブログへと変わりますので、ご了承くださいませ。
 
 というわけで丸井くんですよ。彼のすごく素敵なところは、一番アプローチかけるべき相手・美桜には基本アピールしようとはせず、とことん滝くんと対峙するところにあります。別に彼も意識しているわけではないと思うのですが、3巻通して描かれた彼の絡みって、見てみるとみんな結果的に美桜への影響はゼロでありながら、滝くんへの影響は計り知れないものになっているわけで。美桜と滝くんの繋がりは今やかなり堅牢なもの。したがって動きようがないのですが、その中でも特に、二人の関係にプラス効果をもたらすような役割はしたくないもの。
 
 
360°マテリアル3-1
 でももたらした結果は、滝くんのやる気向上という最悪の結末という(笑)この変なストイックさと謙虚さが、なんとなく自分にとって悪い方向に向いていくというこのついていない感じが、かませ犬のそれを表しているなぁ、と。すごいかわいいですよね、今は動けないってことをしっかりと自覚しているにも関わらず、自分に告白してきた子に対してはしっかり断るっていう。すごく真面目というか、要領が悪いというか。だから私はかませ犬的な存在の男の子が好きなんですよ。
 
 こういったかませ犬が何かしらの足跡を残すためには、とことん勇気を振り絞らなければならないのですが、丸井くんには今のところその気配なし。長期戦であれば多少なりともチャンスが巡ってきそうではあるのですが、気がつけばもう2年生と、時の流れは意外にも早い。このタイミングで行かなくては、かませ犬以下の存在で終わってしまいますよ。まだまだチャンスはあるはず。どこかで一発かまして欲しいものです!
 
 
~気がつけばゆるかわ女子なう~
 気がつけば一番のゆるかわキャラは、美桜になっておりました。1巻帯での触込みは「ゆるかわ男子なう。」。あれ、もうゆるかわな滝くんはどこへやら。それに対し、ゆるかわ度の増していく美桜。「ゆるさ」というのは言ってみれば「余裕」の表れ。今回丸井くんの登場によって、俄然余裕をなくした滝くんは、全然ゆるくいられるタイミングがありませんでした。それに対し、ゆるさが出てきた感のある美桜は、ここ最近での心情の変化を、こんな風に語っています
 

360°マテリアル3-2
・・・あぁ
なんだろうこの安心感
私 やっと少し
自信が持てたのかな



 ゆるさを発生させる背景にあるのは、余裕であり少しの自信であり。ここに来てやっと自信が少しだけ持てた美桜は、俄然ゆるかわ感を醸し出すわけで。元々二人ともゆるめな性格なのでしょうが、今まではどちらかというと美桜の方が慌ただしく心を動かしており、そういった面があまり出ずにいました。諸々片付き、真に二人が心を落ち着けて向き合えたとき、そこには全てを包み込んでしまうような、究極のゆるく甘く、そして仄かに温かい空気が流れているのかもしれません。でも、だからこそ、ゆるくない空気を出す丸井くんとか茜ちゃんが、ちょっとだけ素敵に映るのかもしれません。だから私は丸井くんをd(以下略


■購入する→Amazon/

カテゴリ「別冊マーガレット」コメント (6)トラックバック(0)TOP▲
コメント

いつも仕事の息抜きにこっそり見させてもらってます。

私的には3巻の主役は丸井君!?って思えてしまうくらいでした
これからの展開楽しみですね~
From: クリボンヌ * 2011/04/23 10:10 * URL * [Edit] *  top↑
いやーもう丸井ばっちりそうですね!!
わたしもかませ犬キャラ大好きです←
B.O.D.Y.の彼とか(←あえての名前伏せw)

っていっても1巻しか自分で買ってはいないんです;;
正直滝くんと美桜は好きじゃないので^^;
でも丸井が好きなんで友人から借りて読んでます(笑)
もっと何かかましてほしいですね!
From: パーやん * 2011/04/23 18:42 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして!
ほんと丸井くんが主人公かと見間違えるほどにメインで描かれていましたよね!
これからどう絡んでくるのか、とっても楽しみですー
From: いづき@管理人 * 2011/04/23 22:55 * URL * [Edit] *  top↑
読解力がはんぱなくていつも感心しながら
楽しくよませてもらっています。
おかげさまでこちらの記事を読んで買ったコミックがたくさん
参考にさせてもらっています。

丸井くん、いいですよね(笑)
From: saki * 2011/04/27 08:51 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして。
ありがとうございます。

面白いコミックとの出会いをお手伝いできたのでしたら、
幸いです。
コメントありがとうございました。
From: いづき@管理人 * 2011/05/20 22:25 * URL * [Edit] *  top↑
めっちゃ面白い♪
From: ゆっちょ * 2011/10/02 21:55 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。