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Tag [新作レビュー] 2011.04.24
1106016508.jpg匣のミキ「骸シャンデリア」(1)


なんだか彼女がかわいそうな気がしたけど
これもきっと
化け物の僕の
狂った感情なんだろうなぁ



■ヨマイくんのご主人様ゼンは、国一番のネクロマンサー。人口の激減した国で、ネクロマンサーの魔術により改造後、労働力として再利用しているのだ。ゼンは変わり者でクールで、ヨマイくんが他人と喋るのも許さない、厳しい人。でも好奇心いっぱいの食人鬼のヨマイくんは、外の世界に興味津々で…!?死体が資源として使われる世界で、ネクロマンサーとグールが翔る!!

 匣のミキ先生のARIA連載作でございます。ガッツリファンタジーですが、結構なグロ系です。物語の舞台となるのは、人口減少著しいとある国。労働人口の減少は深刻さを極め、その対策として打ち出されたのが、死体の有効活用でした。街の外れに住むネクロマンサー・ゼンの呪術によって、死体たちは立派な操り人形になり、様々な労働資源として引き取られていきます。倫理的に疑問を持たせないよう、市民たちには思料軽侮の思想を徹底し、死体に生前の人格を見出すことは大罪と定め、また死体たちも自分に愛情を向けられたことを感知すると、その人を襲い殺すように出来ているのでした。主人公は、そんな腕利きネクロマンサー・ゼンの家に住む少年・ヨマイ。人食い種のグールである彼は、ゼンの監視の元、他人と喋ってはいけないという取り決めの中生活しています。それでも制されれば制されるほどに、興味が増していく外の世界と人間たち…そんなある日…というストーリー。


骸シャンデリア
主人・ゼンはヨマイを外部の人間と接触することをとにかく厳しく禁じているが、それは受け入れられることのない食人種の彼が傷つかないようにという配慮から。どちらも結構人間じみた感じのキャラですよ。


 死体を再利用して労働力として使うという、なかなかぶっ飛んだ世界を舞台にしたお話。物語の主人公となるのは、そんな死体たちを作っている腕利きネクロマンサー・ゼンと、その家でお世話になっている食人種・グールの少年ヨマイ。外の世界に興味津々なヨマイと、それでも絶対に人間たちには受け入れてもらえないグールであるヨマイを守らんとするゼンの絆を描くのがメインとなっていきます。
 
 基本的には作った死体関連の事件やハプニングで物語は進行。人口減少対策で死体を労働力に使うという割には、結構ハプニングで人がバタバタと死ぬという、不思議な面はありますが、多分そういうことは深く考えてはいけないのでしょう。死体というだけでもなかなかグロいのですが、それに加えてヨマイくんが食人種というのがまた。食人ということは、当然のことながら人を食べないといけないのですが、お食事の対象はご主人様のゼン。何やらヨマイに食べられると驚異の再生力を得て、食べられたところが再生するらしいのですが、それでもお食事シーンはなかなかに…。また食人種はかなり治癒能力が高いので、ドSなゼンのお仕置きは、決まってグロいものになるという。アンタどこまでスプラッターものとか好きなんだよと突っ込みを入れたくなるような構成となっております。匣のミキ先生の作品て初めて読んだのですが、軒並みこんな感じなんでしょうか?非常に読み手を選ぶ作品ではあるのですが、そういった素養のある方にはなかなかウケそうなお話。グロ抜きで言ったら、結構優しげな良いお話だと思うのですが、如何せん耐性がないとキツい気もします。。。


【男性へのガイド】
→スプラッタ得意っすか?そういうの得意な人は総じて女性に多い気がしますが、どうでしょうか。
【感想まとめ】
→これはなかなかグロいお話を。描写がグロいわけではないのですが、設定がどこまでも。これは読み手を選ぶ作品。表紙のピンクも、かわいげなピンクというよりは、肉色ピンクと思っていただければ。


作品DATA
■著者:匣のミキ
■出版社:講談社
■レーベル:ARIA
■掲載誌:ARIA(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「ARIA」コメント (1)トラックバック(0)TOP▲
コメント

色付きの文字
性格としてはヨマイ君もゼン様も好きですが、死体のあのグロさはなんとも・・・。v-40
でも結局、おもしろくて読んじゃいますv-42
次も楽しみですv-237
From: 由良 * 2011/07/22 11:14 * URL * [Edit] *  top↑

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