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Tag [オススメ] 2009.03.08
07200122.jpg有川浩/弓きいろ「図書館戦争LOVE&WAR」


あたしの頭を軽く叩いた優しい手
いつかまた会えたならきっと伝えよう
そう あたしは
あなたを追いかけてここに来ました と
あたしの王子様   



■3巻発売しました。
 「メディア良化法」により、本が次々と狩られる時代。その検閲に対抗して、図書の貸し出しを続ける図書館は、時代を経て自ら本を防衛する手段をとった。「図書隊」、図書館の軍隊にあたる彼らは、メディア良化委員会との抗争の第一線で活動するため、警察や自衛隊よりも日々の危険度は高いと言われる。そんな図書隊に所属するのが、笠原郁。関東圏女子史上初の「防衛員」第一志望の彼女は、昔助けてくれた図書隊員(顔は不明)に憧れ入隊。が、待っていたのは鬼教官・堂上で…!?
 
 大人気エンターテインメント小説「図書館戦争」シリーズのコミカライズ版です。メディア規制を訴える委員会と、言論・表現の自由を訴える図書館。その抗争のなか発足された「図書隊」の隊員となったヒロイン・笠原郁の成長を描いていきます。過去の経験から防衛員を志願したが、職種が職種だけに周りは男ばかり。それでも持ち前の身体能力を生かして頭角を表します。そんな彼女の上司が堂上篤。なぜか人一倍郁に厳しい。その他にも、美人の同僚柴崎、優しい先輩・小牧、そしてエリート同期生の手塚など、個性的な面々が揃います。特殊な設定ですが、軸となっているのは郁と堂上の恋愛模様。ただそれだけに囚われず、設定を思う存分使ってくるので、単調にならず飽きさせません。


図書館戦争
描き方が上手いのか、動きが凄く伝わってきます。


 まぁ当然のごとく、郁の憧れの人の正体は堂上な訳ですが、郁がとにかく鈍感な上、堂上も立場上、そして性格上動くことが出来ないという状況。それを図書隊の活動を通して動かしていくわけですが、設定が作り込まれているのでむしろそちらの動きに夢中になってしまいます。状況も、人も、感情も動く。とにかく飽きさせずにグイグイ引き込みます。小説読んだ方はどうなのかわかりませんが、これは面白いです。文句なしにオススメ。

 ちなみに別紙でもコミカライズ(→図書館戦争SPITFIRE!)されています。なぜ2カ所で?内容もそんなに違わないみたいですし。またアニメ化(→公式HP)もされてますので、気になる方はそちらもチェックしてみては?


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→小説の「図書館戦争」を読んでる人ってどういう層が多いんだろうか?でもアスキーメディアワークスでコミカライズしてるってことは男性陣にもニーズがあるってことですよね。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→コミカライズ作品は動きが出なくて面白くないことが多いんですが、こちらは動く動く。小説共々オススメです。


作品DATA
■著者:有川浩/弓きいろ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成19年11月号~連載中)
■既刊3巻

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
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期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。