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Tag [続刊レビュー] 2011.05.21
作品紹介はこちら→*新作レビュー* 東村アキコ「海月姫」
3巻レビュー→母と子を繋ぐクラゲのドレスは、自分の存在を認めることに繋がるのかな《続刊レビュー》「海月姫」3巻
4巻レビュー→エピソードタイトルの元ネタ、あなたは幾つ見たことがある?:東村アキコ「海月姫」5巻
6巻レビュー→アニメもマンガも大驀進中!:東村アキコ「海月姫」6巻
関連作品レビュー→東村アキコ「ママはテンパリスト」



1106016456.jpg東村アキコ「海月姫」(7)


このドレスじゃないとダメなんです


■7巻発売しました。
 ヲタ女子の巣窟・天水館でスタートしたJellyfishデビューコレクション!蔵之介の用意周到っぷりが見事に炸裂し、お客の入りは上々!思わぬハプニングが起きても、ベンツヲタの花森さんのまさかの大活躍。そんなこんなで無事フィナーレを迎えようとしたその時、思わぬことが起きて…!?クラゲのお城で秘密の一夜を過ごしましょ!ついに発進、Jellyfish!!


~ここを救う!~
 さて、アニメも放送終了したわけですが、本編はまだまだ終わりません。アニメってどの辺で終わったんでしょうかね?(←見ていなかった) というわけで、jellyfishいよいよ本格始動です。蔵之介の導きによって、半ば強制的にこの騒動に巻き込まれた天水館の面々たち。けれどもその中で、各々の役割を見つけ、気がつけば全員が一丸(?)となって、デビューコレクションへ。7巻を読んでいて「おっ!」と思ったのが、最後の最後ハナガサクラゲのドレスにブドウジュースがかかってしまった時の一幕。その時に、月海がこんな一言を…
 
 
海月姫7-2
このドレスじゃないとダメなんです
このドレスじゃないと…
天水館を救えないんです…!!!



 蔵之介との出会いから、天水館の取り壊し騒動を経て、意識の変化が見られだした月海。それでも彼女の中にこれまであったのは、「クラゲのドレスを作るのが楽しい」というところであって、その心は「天水館を救う」というところへまでは向いてはいませんでした。それが、ドレスをまとった蔵之介を見て突き動かされ、いつの間にか「天水館を救う」というところにまで飛躍。デザイナーとしての階段だけじゃない、心のステップアップまでも一緒に描いてしまう、そのスピード感と力強さに圧倒されました。
 
 こうやって、心までも強く動かせる蔵之介、これも政治家の血筋の成せる業でしょうか。反発心が強そうな彼ですが、その資質は十二分にあるんじゃないだろうかと、思うのでした。


~回を追うごとに吹っ切れてくるおじさん~
 さて、回を追うごとに吹っ切れてくる登場人物たちですが、その中でもひと際輝いているのが、女性大好き慶一郎さん。もうね、真顔でとんでもないことをいつもしでかしてくれるから、登場するたびに…「さぁ、今度はなんですか!?」と。今回も…
 
 
海月姫7-1
こんな登場の仕方をするというぶっ飛び具合


 何気にアクティブさ加減では、この作品でも上位かもしれません。そして驚いた、プレイボーイっぷり…というかストライクゾーンの広さ。女性を誘うためならば、高血圧にだってなるし、議員なのにタリーズでナンパも厭わないという。また議員生活30周年パーティーに麻布の母を招待したこともあれなのですが、柔道選手を呼んで「あのシゲコたんがおしゃれしてお化粧して、帝都ホテルにそわそわしてやってくるんだぞ!?想像しただけでオレはもう…」とか語ってる慶一郎さん、引くっていうかもう深すぎてよくわかりません。けど女装はだめっていう。その辺、生物としての本能的な部分が強く出ているのか…すっごいギラギラしていますね。。。見習わないと。。。 
 


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
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王国の子
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稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。