
自分が望んで立つ道は
きっとまぶしい
追い風が吹く
■3巻発売しました。
美しい、林檎のような色の髪を持つ白雪。その珍しい髪色から、悪名高いタンバルン王国の王子・ラジに気に入られ、愛妾として迎え入れられてしまう。どうしてもそれは避けたい。そう思った白雪は、国を出ることを決意する。その道すがら、出会ったのが少年・ゼン。追っ手に捕まり、タンバルンに戻されそうになったところを助けてくれた。なんと彼の正体は隣国・クラリネス王国の王子。そのまま白雪はクラリネス王国で暮らすことになる。ゼンのそばにいるため、彼女は宮廷薬剤師を目指す
赤髪の少女・白雪と、クラリネス王国の王子・ゼンの恋模様を中心に描く、クラリネス王国を舞台としたファンタジックロマンスです。出会ってから、いつも互いのことを気にかけるゼンと白雪。しかし、恋仲というにはまだ距離がある。なんだかとてももどかしい距離感をずっと保つ二人。ゼンは王子という身分から、ある程度行動が制約されています。そんな中、白雪はゼンに会うため、そして自分の知識を生かすため、宮廷薬剤師を志す。遅々として進まない二人の関係に、多少のやきもき感はあるものの、まぁこのぐらい健全な方が物語の雰囲気を壊さなくて良いかな。またこの二人を通して、クラリネス王国の人々にまでスポットを当てていきます。

何ともいえない距離感を保つ、ゼンと白雪。
とりあえず絵でもう得した感じじゃないですか?白雪かわいすぎやろ、と。一方のストーリーはというと、少々手広くいきすぎたのか、幻想的な部分にこだわりすぎたのかはわかりませんが、序盤はややチグハグ。クラリネスの国民を描くのは良いのだけど、その分メイン二人が薄くなってしまうことがやや残念。そこが今ひとつストーリーにのめり込めない要因になっているのかな、と。いや、面白いんですけどね。
完全に白雪にハマっているわけですが、どうも誰かと印象が被るな、と思ったらあれだ、「風の谷のナウシカ」のナウシカ。ビジュアルもさることながら、何よりも心優しく、そして確固たる自分の意志というものを持っている。そういう魅力が共通してあります。まぁ植物育ててるってのもありますが。

強い意思を持っているからこそ、魅力的に写る。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→ファンタジーが好きで、白雪にピンと来た方は。ジブリっぽい気がしないでもないけれど、こちらの方がメッセージ性は薄め。作品そのものの美しさはありますが。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→この後どうやって転がしていくのか気になるところ。新人さんでここまで描けるってのはすごいと思います。
作品DATA
■著者:あきづき空太 作者サイト→「和らび」
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLaDX(平成18年9月号~連載中)
■既刊3巻
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