作品紹介→鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」
4巻レビュー→花ゆめで今一番ラブでコメしてるのはこの作品に違いない《続刊レビュー》「神様はじめました」4巻
5巻レビュー→天狗の鞍馬はいらない子じゃなかった!《続刊レビュー》鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」5巻
6巻レビュー→神様ではなく、あくまで女の子として:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」6巻
7巻レビュー→求める裏にある、奈々生の悲観的な未来観測:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」7巻
8巻レビュー→ただただ純粋に想い続ける姿が、本当にかわいい:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」8巻
鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」(9)
今を精一杯生きるのがうちら
■9巻発売です。
初めての神議りも終わり、ようやく平和な日常が戻ってきた奈々生。帰り際立ち寄った京都で香夜子と会い、改めて自分の抱える気持ちを向き合うことを決意。そしてようやく穏やかな高校生活が再開する…かと思いきや、突然合コンに参加させられたり、帰り道に小天狗に遭遇したり…。小天狗の話によると、十七年前に下界へ出奔した“真寿郎”という天狗を捜しているとのことなのですが…!?
~妖怪は想いを抱えるけれど、人間は…~
9巻発売です。なぜか「神様はじめました」を読むときは京急に乗っている時が多いです(のっけからどうでもよすぎる情報)。黄泉に行くという大イベントが終わり、ようやく落ち着いた生活を…となるかと思いきや、平穏なのは束の間。またしても遠征でのイベント消化へと、物語は移行して行きます。と、その話は最後に。まずは奈々生ですよ。
~隠しきれない喜び~
巴衛への想いは日に日に強くなっていくけれど、逆に巻を重ねる毎に、成就への想いは弱まっていくという状態。彼女を思いとどまらせている背景には、こんな想いがありました…

私は人間で
必ず巴衛より先に死ぬ
なのに巴衛に求愛するのは
無責任じゃないんだろうか
本当に巴衛の事を思うのであれば、求愛なんてすべきじゃない。その想いは、自分の胸に…。8巻から、この想いを抱えたままに巴衛に接する彼女は、少しでも彼から愛情を感じることができたら、その喜びを静かに噛み締める…という感じ。もの凄く控えめというか。それでも彼女にしたら、とっても大きな喜びなわけで。嬉しければやっぱり…

隠しきれないその喜び(てか言っちゃってるし)
もうホントにこの様子が可愛くて可愛くて可愛くて。。。神様という、いわば人よりも何段階か上の存在になってもなお、誰よりも人らしいというか。逆に難しいことが多いからこそ、嬉しいときは人一倍素直に喜べるのかもしれません。感情豊かなキャラは沢山いるのですが、自分の欲望に素直で隠しきれない感じを出しちゃう子ってどれだけいたのだろう…と考えていて、ちょっと思い出したのが、同じ鈴木ジュリエッタ先生が描いた名作(だと個人的には思っている)「カラクリオデット」のオデットだったり。

オデット
カラクリオデットのヒロインオデットは、天才科学者によって作られたアンドロイドで、物語が進むごとに人の生活、そして人というものに興味を持ち、自分もそれに近づきたいと願うようになっいくというキャラクター。彼女はロボットであるため、基本的には無表情で、笑ったりしかめっ面することはあってもやっぱり表情などの表出部分での感情表現は控えめ。けれどもロボットであるために、素直さや正直さに溢れていて、少しの感情でも、とても良く伝わってくるんですよね。「こういうことがしたくて、こうなってほしくて…」という願いや、逆に「こういうところがわからない…」という悩み具合とかが、スゴくよくわかるというか、漏れまくりというか。。。
表情の豊かさという部分では、正反対にいる奈々生とオデットですが、どちらも他のキャラに見られないほどに、彼女の願いや想いというものがストレートに伝わってきます。共通しているのは、自分の感情に少しだけ正直で、そしてそれを隠すのが下手ということでしょうか。そして悩むときは、真剣に悩む。常に真っ直ぐに物事を見ている二人は、どちらも素敵で、そしてどちらも大好きなヒロインです。
~一方その頃巴衛は~
妖は長く生きるから、好きになっちゃいけない…と悩む奈々生の横で、徐々に想いを強めている輩が一人。はい、巴衛さん、あなたですあなた。奈々生に比べてだいぶスロースタートとなってしまった巴衛。タイミングさえ合えば…と思わなくもないですが、このすれ違いもまたニヤニヤが多かったりなので、とりあえずはもう少しすれ違っていてください(笑)ここにきて巴衛が奈々生を意識しはじめたのは、どういった要因からなんでしょうね。この時間のかかり方は、巴衛独特のリズムなのか、それとも全体的に?妖などは人間より遥かに長く生き、想いも引きずるとの言葉がありましたが、それって単純に彼らは長い時間軸の中で生きているというだけであって、要するに好きになるのにも人間よりも時間がかかるのかな、なんて思ったり。でも巴衛以外の登場人物見てると、そうでもないみたいですねぇ。そこは人間基準なのか。。。
しかし香夜子の言葉はすごかったです。「今を精一杯生きるのがうちら」この言葉を貰えたのは、とっても大きかったです。奈々生も、私も。というわけで、連日午前様でありながらも、精一杯この記事を書いたりしています。やっぱり、楽しいですねぇ。
~鞍馬の由来~
さて、今回鞍馬の出自が明らかになったわけですが、天狗にとっての下山って、逃げる的なニュアンスが非常に強いのですね。様々な事情が重なってのことだと思っていたのですが、こんな理由があったとは。完全に逃げる形で山を下りた鞍馬、本当の名前は真珠郎ということで、鞍馬って仮名だったのか、と。しかし逃げてきた山の名前を付けるってのは、どういう意図があったのでしょうか。鞍馬と言うネームバリューが聞くのか、それとも臥薪嘗胆的な話か。。。その辺も気にしつつ、10巻読んでみたいですね。しかし気がつけば奈々生モテモテですな…みんな人間じゃないけど。
■購入する→Amazon
/
4巻レビュー→花ゆめで今一番ラブでコメしてるのはこの作品に違いない《続刊レビュー》「神様はじめました」4巻
5巻レビュー→天狗の鞍馬はいらない子じゃなかった!《続刊レビュー》鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」5巻
6巻レビュー→神様ではなく、あくまで女の子として:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」6巻
7巻レビュー→求める裏にある、奈々生の悲観的な未来観測:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」7巻
8巻レビュー→ただただ純粋に想い続ける姿が、本当にかわいい:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」8巻

今を精一杯生きるのがうちら
■9巻発売です。
初めての神議りも終わり、ようやく平和な日常が戻ってきた奈々生。帰り際立ち寄った京都で香夜子と会い、改めて自分の抱える気持ちを向き合うことを決意。そしてようやく穏やかな高校生活が再開する…かと思いきや、突然合コンに参加させられたり、帰り道に小天狗に遭遇したり…。小天狗の話によると、十七年前に下界へ出奔した“真寿郎”という天狗を捜しているとのことなのですが…!?
~妖怪は想いを抱えるけれど、人間は…~
9巻発売です。なぜか「神様はじめました」を読むときは京急に乗っている時が多いです(のっけからどうでもよすぎる情報)。黄泉に行くという大イベントが終わり、ようやく落ち着いた生活を…となるかと思いきや、平穏なのは束の間。またしても遠征でのイベント消化へと、物語は移行して行きます。と、その話は最後に。まずは奈々生ですよ。
~隠しきれない喜び~
巴衛への想いは日に日に強くなっていくけれど、逆に巻を重ねる毎に、成就への想いは弱まっていくという状態。彼女を思いとどまらせている背景には、こんな想いがありました…

私は人間で
必ず巴衛より先に死ぬ
なのに巴衛に求愛するのは
無責任じゃないんだろうか
本当に巴衛の事を思うのであれば、求愛なんてすべきじゃない。その想いは、自分の胸に…。8巻から、この想いを抱えたままに巴衛に接する彼女は、少しでも彼から愛情を感じることができたら、その喜びを静かに噛み締める…という感じ。もの凄く控えめというか。それでも彼女にしたら、とっても大きな喜びなわけで。嬉しければやっぱり…

隠しきれないその喜び(てか言っちゃってるし)
もうホントにこの様子が可愛くて可愛くて可愛くて。。。神様という、いわば人よりも何段階か上の存在になってもなお、誰よりも人らしいというか。逆に難しいことが多いからこそ、嬉しいときは人一倍素直に喜べるのかもしれません。感情豊かなキャラは沢山いるのですが、自分の欲望に素直で隠しきれない感じを出しちゃう子ってどれだけいたのだろう…と考えていて、ちょっと思い出したのが、同じ鈴木ジュリエッタ先生が描いた名作(だと個人的には思っている)「カラクリオデット」のオデットだったり。

オデット
カラクリオデットのヒロインオデットは、天才科学者によって作られたアンドロイドで、物語が進むごとに人の生活、そして人というものに興味を持ち、自分もそれに近づきたいと願うようになっいくというキャラクター。彼女はロボットであるため、基本的には無表情で、笑ったりしかめっ面することはあってもやっぱり表情などの表出部分での感情表現は控えめ。けれどもロボットであるために、素直さや正直さに溢れていて、少しの感情でも、とても良く伝わってくるんですよね。「こういうことがしたくて、こうなってほしくて…」という願いや、逆に「こういうところがわからない…」という悩み具合とかが、スゴくよくわかるというか、漏れまくりというか。。。
表情の豊かさという部分では、正反対にいる奈々生とオデットですが、どちらも他のキャラに見られないほどに、彼女の願いや想いというものがストレートに伝わってきます。共通しているのは、自分の感情に少しだけ正直で、そしてそれを隠すのが下手ということでしょうか。そして悩むときは、真剣に悩む。常に真っ直ぐに物事を見ている二人は、どちらも素敵で、そしてどちらも大好きなヒロインです。
~一方その頃巴衛は~
妖は長く生きるから、好きになっちゃいけない…と悩む奈々生の横で、徐々に想いを強めている輩が一人。はい、巴衛さん、あなたですあなた。奈々生に比べてだいぶスロースタートとなってしまった巴衛。タイミングさえ合えば…と思わなくもないですが、このすれ違いもまたニヤニヤが多かったりなので、とりあえずはもう少しすれ違っていてください(笑)ここにきて巴衛が奈々生を意識しはじめたのは、どういった要因からなんでしょうね。この時間のかかり方は、巴衛独特のリズムなのか、それとも全体的に?妖などは人間より遥かに長く生き、想いも引きずるとの言葉がありましたが、それって単純に彼らは長い時間軸の中で生きているというだけであって、要するに好きになるのにも人間よりも時間がかかるのかな、なんて思ったり。でも巴衛以外の登場人物見てると、そうでもないみたいですねぇ。そこは人間基準なのか。。。
しかし香夜子の言葉はすごかったです。「今を精一杯生きるのがうちら」この言葉を貰えたのは、とっても大きかったです。奈々生も、私も。というわけで、連日午前様でありながらも、精一杯この記事を書いたりしています。やっぱり、楽しいですねぇ。
~鞍馬の由来~
さて、今回鞍馬の出自が明らかになったわけですが、天狗にとっての下山って、逃げる的なニュアンスが非常に強いのですね。様々な事情が重なってのことだと思っていたのですが、こんな理由があったとは。完全に逃げる形で山を下りた鞍馬、本当の名前は真珠郎ということで、鞍馬って仮名だったのか、と。しかし逃げてきた山の名前を付けるってのは、どういう意図があったのでしょうか。鞍馬と言うネームバリューが聞くのか、それとも臥薪嘗胆的な話か。。。その辺も気にしつつ、10巻読んでみたいですね。しかし気がつけば奈々生モテモテですな…みんな人間じゃないけど。
■購入する→Amazon