作品紹介→絶対に叶うはずのない恋なのに:神寺千寿「妹と恋なんかしたくない」1巻
神寺千寿「妹と恋なんかしたくない」(2)
今年の誕生日は
甘くて
苦いです
■2巻発売です。
…俺は妹が好きだ。義之とあゆみは、実の兄妹で同じ高校に通っている。お互いに惹かれ合っているけれど、今までなんとか均衡を保ってきた。その均衡を破ったのは、遊び人で有名な遠藤先生。そのことがきっかけとなり、義之は無理やりあゆみを抱いてしまうが、あゆみが苦悩の末に選んだのは、遠藤先生だった。お互いに想い合っているからこそ、別々の道を歩もうとする。それなのに、心は何度でも引き戻されてしまう。まるで、引き潮のように…
~2巻発売ですよ~
「妹と恋なんかしたくない」2巻発売しております。前回のレビューをご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれませんので、もう一度アナウンスしておきますが、こちらは女性向け初の成年向け指定作品、要するに18禁となっておりますので、基本的には18歳未満の方の閲覧は控えてくださいね。とはいえあんまり2巻はえっちぃシーンがなかったのですが…。これくらいであれば、もうちょっと自粛して、全年齢向けにして色んな人に読んでもらえる方に張っても…とも思ったものの、これはきっと松文館の自衛。多くの人に読まれようと思った結果、誰にも読まれなくなってしまった…なんてことにならないように。それに少ないとはいえ、そのシーンはやっぱり成人マンガのそれですし。なんて、ちょっと脱線してしまいましたが、第2巻のご紹介です。今回も、すごく切ないお話になっていましたよ。
~あーもう失恋した人のこの姿がたまらなくですね…~
前回までの状況を整理すると、義之とあゆみは互いに想い合っていながら、別々の相手と共に歩む道を選択。あゆみは二人の関係を知る遠藤先生と、そして義之はその時告白してきてくれた、藤本さんと。そして2巻は、そうして歩み始めて少し経ってからが描かれていきました。そんな中動いたのは、義之でした。結局藤本さんとの関係は長くは続かず、義之の方から別れを告げることに…そしてその後の藤本さんがめちゃくちゃ可愛かった…

椅子の上で丸まりながら泣く
あーもうこのポーズってしばしばあるのですけど(最近だと「となりの怪物くん」(→レビュー)の夏目さんとか)、これが本当にツボでツボで。義之とのベッドシーンで見せる肢体や、あゆみとの比較で、結構背の高い美人さんなのかと思ったら、こうして見ると驚くほど小さい女の子なんですねぇ。こんな良い子を気持ちが向かない中で付き合って泣かすなんて、義之はなんてやつなんだ!と思うわけですよ。その優しさだって、罪悪感と無関心からの優しさじゃないんだろうかと、つい勘ぐってしまったり…。
~義之が動いてくれないと…~
というわけで、義之ですよ。この作品のタイトルは「妹と恋なんかしたくない」ということで、どう考えても義之視点からのタイトルなのですが、今回は義之視点で終始する話はありませんでした。所々に挟まれる程度ではあるのですが、メインとなるのはあくまであゆみの心情。そしてその次に、遠藤先生や藤本さんの心情が。そのため、前にも増して彼の意図がよくわからない。もちろん、あゆみが好きだというのは大前提なのですが、その上でどうしようとしているのか…例えばこの言動とか

ゆっとくけどあいつが好きなのは
結局オレだよ(自信ありげに)
この自信溢れた表情。ハッタリ?それとも本当にそう思っているのか。。。けれど彼はこの時既に、アメリカ行きを決めていたわけで。本当にどうしたいのかわからないのですよ。こうして自惚れとも取れるようなことを言うのに、義之自身はあゆみに対して何も出来ていないわけで、そういうのって、自分あんまり好きじゃないです(笑)だって結局、牽制のみで終わっているでしょう?彼はまだ、誰も幸せにしていないんです。チロルチョコじゃ、弱いんです。。。あ、でもあれちょっといいなって思いました、ホントは…。
~それでも先生の入る余地はありませんか?~
この作品で一番親しみやすいのは、間違いなく遠藤先生ですよね。今の役回り的にも、苦しんでいるかは別として、一番頑張って動いているのは、この人なんじゃないかって気がします。もうこのままあゆみと最後までいっちゃえば良いのに…なんて思ったりするものの、表紙を見ると表も裏も義之と妹。そうですか、それでも先生の入る余地はないですか。なんて、今回少しだけ明らかになった先生の過去。あれ、もしかして今あゆみにこだわっているのは、その時のことが多かれ少なかれ関わっているのかしら?ということは、これは恋なんかではない可能性も…。けれども彼のあゆみに対して見せる笑顔や焦りを見ると…

やっぱり先生、あゆみのこと大好きだよなぁ、と。
3巻にてラストみたいなのですが、きっとその辺も明らかになるのでしょう。決して明るいお話ではないとは思いますが、それが明らかにならないと、あゆみと遠藤先生も前に進めないでしょう。
~一言一言、噛み締めるように並べるあゆみの想いがもう~
さて、ここまでほぼほぼ登場させていなかったのですが、この作品の一番の魅力は、なんと言ってもあゆみ…というか、描かれるあゆみの心情。終始彼女視点で物語が描かれるので、義之とは反対に、彼女の心情はよりわかりやすく物語に落とし込まれていくことになります。その時に所々に挟まれるモノローグが、本当に切ないというか、やたらと響くのです…

心臓が 止まりそうな 言葉 を
そんなふうに 軽く
ゆわないで…
短い言葉を、とぎれとぎれに、噛み締めるように並べる。“言葉”と“を”の間とか、もう。これなんか、声に出せないどころか、心の中ですらやっと言葉に出来たような。本当に切ないです。先程も書きましたが、3巻でラストとなるようです。どんな3巻になるのか、正直その過程から結末まで、全く予想できないですが、どうなっても絶対泣きそうな気が(笑)誰も悪くないんですけどね、でも誰かが傷つかなくちゃいけない、悲しい関係です。でもだからこそ、読んでいる側は惹かれるのでしょうね。もう一言で「切ない」なんて言っても、全然足りないくらいです。
■購入する→Amazon
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今年の誕生日は
甘くて
苦いです
■2巻発売です。
…俺は妹が好きだ。義之とあゆみは、実の兄妹で同じ高校に通っている。お互いに惹かれ合っているけれど、今までなんとか均衡を保ってきた。その均衡を破ったのは、遊び人で有名な遠藤先生。そのことがきっかけとなり、義之は無理やりあゆみを抱いてしまうが、あゆみが苦悩の末に選んだのは、遠藤先生だった。お互いに想い合っているからこそ、別々の道を歩もうとする。それなのに、心は何度でも引き戻されてしまう。まるで、引き潮のように…
~2巻発売ですよ~
「妹と恋なんかしたくない」2巻発売しております。前回のレビューをご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれませんので、もう一度アナウンスしておきますが、こちらは女性向け初の成年向け指定作品、要するに18禁となっておりますので、基本的には18歳未満の方の閲覧は控えてくださいね。とはいえあんまり2巻はえっちぃシーンがなかったのですが…。これくらいであれば、もうちょっと自粛して、全年齢向けにして色んな人に読んでもらえる方に張っても…とも思ったものの、これはきっと松文館の自衛。多くの人に読まれようと思った結果、誰にも読まれなくなってしまった…なんてことにならないように。それに少ないとはいえ、そのシーンはやっぱり成人マンガのそれですし。なんて、ちょっと脱線してしまいましたが、第2巻のご紹介です。今回も、すごく切ないお話になっていましたよ。
~あーもう失恋した人のこの姿がたまらなくですね…~
前回までの状況を整理すると、義之とあゆみは互いに想い合っていながら、別々の相手と共に歩む道を選択。あゆみは二人の関係を知る遠藤先生と、そして義之はその時告白してきてくれた、藤本さんと。そして2巻は、そうして歩み始めて少し経ってからが描かれていきました。そんな中動いたのは、義之でした。結局藤本さんとの関係は長くは続かず、義之の方から別れを告げることに…そしてその後の藤本さんがめちゃくちゃ可愛かった…

椅子の上で丸まりながら泣く
あーもうこのポーズってしばしばあるのですけど(最近だと「となりの怪物くん」(→レビュー)の夏目さんとか)、これが本当にツボでツボで。義之とのベッドシーンで見せる肢体や、あゆみとの比較で、結構背の高い美人さんなのかと思ったら、こうして見ると驚くほど小さい女の子なんですねぇ。こんな良い子を気持ちが向かない中で付き合って泣かすなんて、義之はなんてやつなんだ!と思うわけですよ。その優しさだって、罪悪感と無関心からの優しさじゃないんだろうかと、つい勘ぐってしまったり…。
~義之が動いてくれないと…~
というわけで、義之ですよ。この作品のタイトルは「妹と恋なんかしたくない」ということで、どう考えても義之視点からのタイトルなのですが、今回は義之視点で終始する話はありませんでした。所々に挟まれる程度ではあるのですが、メインとなるのはあくまであゆみの心情。そしてその次に、遠藤先生や藤本さんの心情が。そのため、前にも増して彼の意図がよくわからない。もちろん、あゆみが好きだというのは大前提なのですが、その上でどうしようとしているのか…例えばこの言動とか

ゆっとくけどあいつが好きなのは
結局オレだよ(自信ありげに)
この自信溢れた表情。ハッタリ?それとも本当にそう思っているのか。。。けれど彼はこの時既に、アメリカ行きを決めていたわけで。本当にどうしたいのかわからないのですよ。こうして自惚れとも取れるようなことを言うのに、義之自身はあゆみに対して何も出来ていないわけで、そういうのって、自分あんまり好きじゃないです(笑)だって結局、牽制のみで終わっているでしょう?彼はまだ、誰も幸せにしていないんです。チロルチョコじゃ、弱いんです。。。あ、でもあれちょっといいなって思いました、ホントは…。
~それでも先生の入る余地はありませんか?~
この作品で一番親しみやすいのは、間違いなく遠藤先生ですよね。今の役回り的にも、苦しんでいるかは別として、一番頑張って動いているのは、この人なんじゃないかって気がします。もうこのままあゆみと最後までいっちゃえば良いのに…なんて思ったりするものの、表紙を見ると表も裏も義之と妹。そうですか、それでも先生の入る余地はないですか。なんて、今回少しだけ明らかになった先生の過去。あれ、もしかして今あゆみにこだわっているのは、その時のことが多かれ少なかれ関わっているのかしら?ということは、これは恋なんかではない可能性も…。けれども彼のあゆみに対して見せる笑顔や焦りを見ると…

やっぱり先生、あゆみのこと大好きだよなぁ、と。
3巻にてラストみたいなのですが、きっとその辺も明らかになるのでしょう。決して明るいお話ではないとは思いますが、それが明らかにならないと、あゆみと遠藤先生も前に進めないでしょう。
~一言一言、噛み締めるように並べるあゆみの想いがもう~
さて、ここまでほぼほぼ登場させていなかったのですが、この作品の一番の魅力は、なんと言ってもあゆみ…というか、描かれるあゆみの心情。終始彼女視点で物語が描かれるので、義之とは反対に、彼女の心情はよりわかりやすく物語に落とし込まれていくことになります。その時に所々に挟まれるモノローグが、本当に切ないというか、やたらと響くのです…

心臓が 止まりそうな 言葉 を
そんなふうに 軽く
ゆわないで…
短い言葉を、とぎれとぎれに、噛み締めるように並べる。“言葉”と“を”の間とか、もう。これなんか、声に出せないどころか、心の中ですらやっと言葉に出来たような。本当に切ないです。先程も書きましたが、3巻でラストとなるようです。どんな3巻になるのか、正直その過程から結末まで、全く予想できないですが、どうなっても絶対泣きそうな気が(笑)誰も悪くないんですけどね、でも誰かが傷つかなくちゃいけない、悲しい関係です。でもだからこそ、読んでいる側は惹かれるのでしょうね。もう一言で「切ない」なんて言っても、全然足りないくらいです。
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