このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2011.06.19
作品紹介→草食系吸血鬼と眼鏡のツンツンエクソシストが繰り広げる、かわいい学園ラブコメ:村崎翠「緋色王子」1巻
2巻レビュー→驚きのアバウトさ!!:村崎翠「緋色王子」2巻



1106039355.jpg村崎翠「緋色王子」(3)



マナちゃんのこと好きだよ!



■3巻発売、完結しました。
 輸血で生きるヘタレ吸血鬼・岡本くん。デレではなく、ツン100%のエクソシスト・マナ。くっつきそうで、くっつかない2人。そんな彼らに訪れたのは、思いもかけない別れ…?まだ何も始まっていないのに…。岡本くんの兄上も登場で、益々賑やか、けれどもゆるゆるな学園ラブコメディ、完結です!
 

~あっさりと完結~
 3巻で完結してしまいました!すごく好きなお話だっただけに、ちょっと寂しかったりしますが、お話としては面白く、最後までしっかりレビューをお届けできればと思います!しかし表紙が黒色と、大分印象が変わりましたね。書店で表紙見ても気づかず、背表紙の文字を見てやっと気づいたという。
 
 さて、相変わらず非常にユルいので、全体を通したあらすじというあらすじもないのですが、3巻だけに絞ればメイントピックとなったのは、岡本くんのお兄さんの登場でしょうか。元々岡本くんもイケメンなイメージがあるのですが(だって“王子”ですもん!)、お兄さんがまた強烈キャラでした。なんてったってイケメン、そして女好き。名前は「一夜」と言うのですが、源氏名っぽい感じそのままに、ホストをやっています。ちなみに岡本くんの名前は暁良ということで、朝と夜。そして名は体を表すと言いますか、行動原理はこんな感じです…
 
 
緋色王子3-1
その方が吸血鬼っぽくてカッコいいからさ!


 というわけで、現代でも吸血鬼らしく振る舞う一夜さん。どこか流されやすい岡本くんとは違い、結構ポリシーを持って人生を歩んでいるみたいです。発言はアレですけど。しかしホストってことは、やっぱりお酒は仕事柄たくさん飲むのでしょうか。それとは別に、血も飲むわけですが、やっぱり血は別腹って感じなんですかね?


~岡本くんが男を見せた!~
 さて、そんなプレイボーイな兄の登場で、ますます無害感というか、ほんわかっぷりが際立った岡本くんですが、今回は最後に男を見せてくれました!


緋色王子2-2
 これです、これですよ、ヘタレな男の子が勇気を振り絞って告白する姿!もうここまで来たら、お兄さん「良く頑張った!」とか言って駆け寄って抱きしめt(自主規制)なんだかしっかりと告白するイメージがなかったので、2ページぶち抜きで場面を描いたのは、すごく感動しました。シンプルに、力強く。青春って感じがして、何度も見返しちゃいました。
 

~最後までツンだったなぁ…(笑)~
 そんな変化を見せた岡本くんに対して、マナはブレずに最後まで。もうね、告白されてくっついて、なんか今までにないくらい赤面でテレテレしてデレデレするのかな…!とか想像して楽しんでいたのですが…
 
 
緋色王子3-3
ラストまでこんな感じでした


 えーと、最後までツンツンだったなぁ(笑)デレもあるんですけど、もうその成分が少なすぎて少なすぎて、デレと言うには余りに弱いという。これはもう、なんかエクソシストとバンパイアという関係でなくても、こんな態度なんじゃないかと思ってしまいます。相手をする男の子は、すごく大変です。いや、絶対ドMじゃないと務まらないと思います…あ!ってことは、マナの相手として岡本くんって最適なんじゃ…。いや、岡本くんドM設定とかないですけど、絶対Mだもの。チグハグだけど、なんだかんだで相性が良さそうな2人の未来を思い描きつつ、最終巻を堪能したのでした。



■購入する→Amazon/

カテゴリ「シルフ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。