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Tag [続刊レビュー] 2011.07.10
作品紹介→フェチが過ぎて可愛い子がよだれダラダラ流しちゃったり:亜樹新「フェティッシュベリー」1巻



1106035551.jpg亜樹新「フェティッシュベリー」(2)


成田くんはただの欲望のはけ口です!


■2巻発売です。
 いろんなフェチに反応しすぎて、理性を保っていられない主人公・水原ひより。フェチガールであることを隠して生活しようと、心機一転入学した藍星高校でもなかなか隠すのは難しく、気がつけば漏れ漏れに…。ジャイアニズムの化身・成田、一途な幼なじみ・貴臣、隠れ腐女子の律香などを巻き込み、今日もフェティッシュライフを送っています…!欲情と理性の狭間で揺れ動く、第2巻登場です!


~コメディはどこに行った…!?一転青春群像へ~
 そのドフェチを全開にしたテンポの良い作風に完全にやられ、どハマりしてしまった「フェティッシュベリー」、2巻の発売が待ち遠しくてしょうがなかったのですが、ついに来ました!楽しみいっぱいでページをめくってみたら、「あれ?ちょっと雰囲気違う…?」そこにあったのは、1巻のコメディ色の強い雰囲気から一転、切なさ溢れる青春恋愛ものになっていました。この変わり身は、最初戸惑ったものの、そのギャップによる破壊力が高すぎ。もちろん笑わせてくるところはあるのですが、それ以上に切なさや真剣さが勝っていました。今回は、登場人物それぞれの「傷」となる部分が明らかになっていきます。


~BL好きな子が一見百合ってる感じがなんかイイ~
 さて、1巻では出会っただけで、特に進展のなかったヒロインのお二人。どちらも特殊な趣味というか性癖をお持ち(ドフェチとド腐女子)であるため、勇気をもってカミングアウトすれば、マイノリティとして歩み寄れるはず。。。しかしながら、マイノリティであるために、お互いに歩み寄るのも容易ではありません。どちらも過去に、人間関係で傷を作った子。そのトラウマを乗り越える必要が、二人にはありました。そんな中、勇気をもって歩み寄ったのは、ひよりでした。。。


フェティッシュベリー2-1
 今回二人の過去と、トラウマが明らかになったのですが、ひよりは男性起因で、律香は女性起因。同性相手の友達作りというところに関しては、ひよりの方が壁を飛び越えやすかったようです。トラウマを克服して…という過程に於いては、非常に強い欲求や想いというものが原動力となるものですが、この段階で律香がそれを成し遂げるのは少々難しいですよね。それでも彼女ほどの傷を持たない人間が、壁の外から引っぱり上げてくれるのであれば、話は別。別に自力で乗り越える必要なんてないのです。救ってくれる人いたなら、その人に頼っていいし、そのステージでゆっくりと傷を治していけば良い。そのきっかけを与えてくれたひよりさん、あんた本当に素敵な女の子だよ…!
 
 というわけで、斯くして仲良し(っぽい感じ)になった二人。上記の画像もそうですが、BL好きの女の子が一見百合っぽく見せてるこの感じ、なんだかすごく好きです(笑)


~ひよりがスカートな理由~
 さて、今回何より印象的だったのは、ひよりの過去が明らかになったことで明らかになった(くどい言い回し)、ひよりの服装について。1巻のときから、そういえばずっとスカートだったのですが、私服校でもスカートって結構珍しくて。1巻でもことあるごとにスカートスタイルでした…
 

フェティッシュベリー2-2
スカート
 
 

フェティッシュベリー2-3
スカート
 
 
 私が通っていた高校は私服校だったのですが、学校でもスカート姿の女子ってほぼいなくて、みんなパンツスタイルでした。そのため、いわゆる制服でありがちなパンチラとかいうイベントには全く遭遇せず、見えても前屈みになったときに背中のところからこぼれる布地程度という感じでした(本当にどうでもいい情報)。大学に入ったらさすがに見るようになりましたけど。そういえば、この学校は私服校なのにスク水指定なんですよね。それ、ウチの学校も同じで、なんかビックリしました。
 
 さてちょっと話が逸れてしまいましたが、私服校でありながらやたらとひらひらと、スカートをはいているひよりって、見たままに「すごく女の子っぽい女の子なんだなぁ」と思っていたのですが、それには理由があったのですね。
 

フェティッシュベリー3-4
それは、元カレが「スカートの方が似合う」と言ったから


 トラウマを植え付けた相手であっても、それでも「かわいい」「似合う」と言ってくれた言葉は残り続ける。バカと一言で片付けられてしまう行動ではあるのですが、ひよりに関してはそのバカさ=素直さと一途さがダイレクトに伝わってきてしまって、もう切なさしか感じないっすよっていう。その言葉をかけてくれた、元カレとの決別は、彼女の服装にも変化を与えるのでしょうか。3巻のひよりの服装に、注目ですよー。って多分彼女はスカートはいてる気がしますけど(笑)
 
 
~王子がまた切ない…~
 さて、そんな切なさの残る姿を見せてくれたひよりですが、そんな彼女に想いを寄せる王子もまた切ない切ない。というか、「片想い」という一点に絞るのであれば、彼ほどに不憫な子いないんじゃないかってくらい、想いを積み重ねています。何をするでもない、けれどいつも近い場所にいて、彼女を想い見守るだけ。積もるのは、自分の心の声だけ。そしてそれは決して、ひよりに届くことはありません。この子も引きずってんなぁ。。。想い見守り続けるという彼の行動は、何かを生み出すことは絶対になく、いわば「不毛」な行動と言えます。けれどもそうする気持ちもすごくよくわかるわけで。そもそもこんなカッコいい男の子が自分の気持ちを言えずにくすぶってるという、そのシチュエーションだけでご飯3杯行けます(よくわからないツボ)。あ、そうか、これも私のフェチなのですね。ちょっとだけ、ひよりの気持ちがわかった気がします、はい。
 
 というわけで、一気に青春物語の様相を呈してきた「フェティッシュベリー」、3巻以降も大注目ですよー!ということで、ちょっとでも絵にストーリーにビビッと来た方は、今のうちにチェックです!


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