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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.07.22
1106035900.jpg八寿子「失恋のススメ」


今に見てろよー!


■生まれて17年、ずっとモテない日々を送ってきた留衣に、やっとできた初カレ。男子と話すのなんて、業務会話くらい。一度掴んだら、二度と離して鳴るものか!なのにあっという間にフラれそうになってしまい、重ーい女になりそうだった留衣だけど、モテの天井人・悟くんにアドバイスをもらえることに。悟くんの容赦ない言葉に、戸惑う留いだけど…!?恋に悩むすべての非モテ女子に捧ぐ、渾身のラブストーリー

 八寿子先生の新作でございます。表題作シリーズ「失恋のススメ」他、もう1シリーズが収録されています。帯には「非モテ女子に捧げる」という文字が。その通り、表題作の主人公は、絵に描いたような非モテ女子・留衣。趣味は同人を描くことで、もちろん漫研所属の彼女、男子と話す機会なんて、業務会話のみ年一ペース。少し優しい言葉をかけられれば、簡単に好きになっちゃいます。そんな彼女に、ついに念願かなって彼氏が…!と思ったら、刹那の如く雲行きは怪しく。。。こんなチャンス、二度と来るまい、離してたまるかと息巻く彼女の前に現れたのは、漫研所属希望のモテの天井人・悟くん。部活の先輩後輩同士ということで、カレにアドバイスを求める留衣でしたが、その恋の行方は…!?というお話。


失恋のススメ1
男の子に話しかけられただけでトキめく。だって業務会話でしか話すことないんですもの。


 ちょっと恋愛力の低いヒロインが、恋を眼前にして全力ハイテンションで空回り…という安定の八寿子先生節です。ここ最近の読みきりやシリーズものがすごく面白くて、今回も楽しみだったのですが、自分にとってはこの作品が今までで一番面白かったように思えました。というのも、表題作「失恋のススメ」が本当に今までにないくらい勢いと力強さがあって、ヒロインが本当に痛いくらいにイキイキとしていたので。トキメキと切なさを第一に持ってくるのが定石であるベツコミにおいて、今回第一に据えてきたのは、痛みと笑い。切なさとトキメキは二の次でした。非モテでそもそも男子と関わることの少ないヒロインが、何度も何度も勘違いし痛い目を見る、そんな姿に笑い、そして勇気付けられる、感動のコメディとなっています。イケメンくんももちろん登場するのですが、彼は相手役というところにはいかず、あくまで指南役であり守ってあげるという立ち位置を崩すことはありません。

 八寿子先生は以前あとがきで、確か彼氏が一度も出来たことないと書かれていたような気がするのですが、たぶんこの表題作は、そういう意味でも並々ならぬ思い入れがあったんじゃないかなぁ、と勝手に。ヒロインに、作者さん自身の重いが人一倍投影されているような。ハイテンションで傷ついている自分のことを、面白おかしくネタにして笑い飛ばすその姿とか、あとがきのときの八寿子先生そっくりのような気がしなくもありません。今までもこういう系統で笑いを飛ばす作風だったのですが、今回はいつにも増して開き直っていたというか、ネタに切れがあったというか。


失恋のすすめ
自己評価も結構低いです。基本ハイテンションなんで、痛さを全面で感じさせず、しっかりと笑いに昇華しています。


 あとがきにて語られていましたが、この表題作は事前の関係者の評判とは裏腹に、アンケートでは最低と言っていいほどに人気がなかったそうです(こういうことを毎度ぶっちゃけるのは賛否両論あると思いますが、個人的には大好き)。どうもヒロインが不憫すぎるという意見が大半であったようなのですが、その結果には非常に驚きました。これ、非モテを自覚している人であったら、ものすごく楽しめるし、プラスして前向きな気持ちになれると思うんだけどなぁ。自分もどちらかというと非モテを自覚している人間なので、この作品は節々に共感できるところがあって、めちゃめちゃ笑いました。掲載誌の性格上、そういうのが好まれないのか。このまま埋もれさせておくのは、少々もったいない気がするので、当ブログではプッシュしていきますよー

 ちなみに同時収録のシリーズ「ご一緒に♡も温めますか?」も、コンビニの食べ物をめぐる軽妙なラブコメディとなっていて、面白かったです。教育熱心な母親に育てられたため、オーガニックや自然食品しか口にすることができずにいた結果、反動でジャンクフードへの欲求が異様に高まってしまったヒロインが、コンビニの店長に出会うというお話。こちらも恋愛欲よりもまず食欲が勝ってしまう、色気のないお話ではあるのですが、コンビニとはいえ食べ物にまつわるお話なので、ちょっとした温かさを感じさせる親しみやすい物語となっておりました。

【男性へのガイド】
→非モテは男女関係なく、思考回路というか「感じ」の部分は似てるんじゃないかなぁ、と思ったり。楽しめると思いますよ。
【感想まとめ】
→これを推さずして何を推すというのか。少しでも非モテと自覚しているなら、是非とも読んでみてください。きっと笑顔で前向きな気持ちになれるはず。


■作者他作品レビュー
溢れる初々しさ…なんつーウブ甘っ!:八寿子「椿ちゃんの悩みごと」
*新作レビュー* 八寿子「チェリーなぼくら」


作品DATA
■著者:八寿子
■出版社:小学館
■レーベル:Betsucomiフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon
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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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