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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.07.24
1106047215.jpgアサダニッキ「青春しょんぼりクラブ」(1)


やっかいな恋しかできないやつには
冷静な他人がそばにいてくれるのは
いいもんだよ



■好きになった男子が、ことごとく自分の目の前で彼女を作ってしまうというジンクスを持つ少女・桃里にま。恋愛不成就率・100%という驚異のハイスコアを誇る、超絶当て馬体質の彼女に声をかけたのは、何やら怪しげな活動を行っている「部」。部長である三刀屋依子によれば、その集まりは「他人の恋愛を観察・研究する」という。そんな部に、幸か不幸かその資質を見出されたにまは、なんだかんだでその部に所属することになってしまうのですが…!?

 アサダニッキ先生の初単行本になります(多分)。同人での活動歴はあるようですが、商業はこれが初めての単行本のはず、きっと。というわけで「青春しょんぼりクラブ」のご紹介です。これ最初書店で見かけたとき、プリンセスの単行本だということ全然気がつかなくてですね、その清々しい色使いの表紙絵の他に、背表紙も通常のプリンセスコミックスとは異なった青をベースとしたデザインで、「秋田書店もこういうことするのかぁ。。。」とちょっと驚いた覚えがあります。そして中身を読んでさらにビックリ。これが初とは思えないほどに熟れた、そして面白い作品に仕上っていましたよ!(ちょっと興奮気味)
 
 物語の主人公は、驚くほどの当て馬体質を持つ女子高生・桃里にま。彼女が少しでも好意を持った相手は、例外無く数日以内ににま以外の彼女が出来てしまうというジンクスがあり、これまでに彼氏は出来た事がありません。もはやそれは、恋愛の神様として他の女子に崇められるレベルにまで達しつつあり、余計ににまを苦しめるという状況。そんな彼女に目をつけたのが、学園長の娘で何やら怪しげな行動を取る女子・依子。今日も今日とて恋愛不成就したにまに対し、「お見事!!」と言い放ち、さらにはとある“集まり”に勧誘されます。その“集まり”とは、「他人の恋愛を観察・研究する」というちょっと変わった部活動。他人の恋愛観察に余念がない依子をはじめ、女装する美少年や二次元にしか興味のないイケメンオタクなど、変人揃いのその部活に、何故かにまも加わることになるのですが…というお話。



青春しょんぼりクラブ1
ベースはコメディ。しょんぼりコメディとでも言いましょうか。当て馬体質というのは、他人からすれば非常にありがたい存在であるわけで。にまちゃん、私の前にも現れてくれないですかね。


 「他人の恋愛を観察・研究する」というわけのわからない名目であるにもかかわらず、そんな部活がまかり通っているのは、部長である依子が学園長の娘であることから。半ばサボり場・ダベリ場・たまり場として機能しているその部室ですが、所属するメンバーは、確かにこの部活に所属するに相応しい恋愛体質をお持ちの方々。部活に所属したことを皮切りに、物語は序盤、それぞれの恋の在り方を中心に展開していくことになります。
 
 最初はもちろん、ヒロインになんとか恋人ができるようにと動くのですが、その過程で、メンバーの恋愛の方も明らかに。部長の依子は、こんな部活を立ち上げるキッカケとなった理由と、不意に落ちてしまった叶う事のない恋について、また麗しの女装男子である隠岐島武が、なぜそんな格好をするようになったのか。どちらも成就しない想いを抱えており、恋愛に関しては恵まれていません。残る一人のイケメンアニヲタ・簸川くんも、二次元キャラに恋している時点で、両想いになることはないわけで、これまた成就しない想いを抱えていると言えなくもありません。要するに所属メンバー全員が、恋愛に関しては芳しくないわけで。そんな彼らが、それでも前向きに恋愛していく青春の様子が、本当に甘酸っぱくてそして面白い!


青春しょんぼりクラブ1-2
一人で思い悩む必要はない。辛い事があれば相談したりぶちまけたりすればいいし、暴走を止めてくれたり、盲目気味な恋の道中、第三者の存在ってのは結構ありがたいんだよ、特に不器用な人たちにとっては、というのが根底にあるような気がします。越える所は自分で越えなきゃですが、その地点に立つのすら難しい子達が揃っているので。


 こういったあらましだけを書いていくと、どうしても切なかったり辛かったりという感じが強く出てしまうようにも思えますが、ベースは学園コメディであり、非常に賑やかで脱力感のある、非常に親しみやすい青春もの。また絵の雰囲気も描きこみすぎず、シンプルすぎずで、耽美さ溢れるプリンセスの中にあっては、こちらもまた非常に親しみやすいのではないでしょうか。
 
 なんだかんだで皆さん美男美女で、モテる素養はある人達なんですよ。それでもどうにも上手く恋愛できないのは、それぞれに弊害となる理由があるから。基本的にはそれぞれが自分の中に壁を作ってしまっていて、肝心なところでブレーキを引いてしまう、タイミングを逃してしまう…という形になっており、今後はそれをどう取り払うかというところが焦点となってくると思われます。皆々不器用で、そう簡単にはいかないのですが、その不器用さに苦しむ姿もまた、青春っぽさが溢れていて、非常に好感がモテるのですよね。全然関係ないですが、自分もちょっと当て馬体質があるところを自覚しているので、他人事にはなかなか思えない登場人物たちに、ガッツリ心掴まれたというのも、この作品を楽しめた要因の一つになっているかもしれません。長々と書きましたが、オススメですよー。これは是非ともチェックを。


【男性へのガイド】
→男性も楽しめるんじゃないでしょうか。レビューサイト周りでも、男性で買ってる方結構いるのですが、皆々評判良いですよ。
【感想まとめ】
→これは面白かったです。表紙から受けた期待感以上の、良き青春コメディを繰り広げてくれました。こういうオーソドックスなのがたまに出たりするから、プリンセスは面白い。オススメです。


作品DATA
■著者:アサダニッキ
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセス(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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