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Tag [新作レビュー] 2011.07.29
1106047326.jpg師走ゆき「不老姉弟」


別々は困ります!


■双子の恭子と大輔は、高校生になった今でもいつでも一緒。トイレにも一緒に行くし、お風呂にも一緒に入るし、とにかくベッタリベッタリ。端から見れば、ちょっと異常なほど…。けれどもそれにはある理由が…。姉弟は極度の霊媒体質で、1人だと悪霊をはじめとした霊をダイソンの如く吸い寄せてしまうのだけど、2人一緒だと霊を弾き飛ばせるのだ!油断ならない毎日に、不老姉弟が見つける「未練の気持ち」とは…?

 何年振りかに登場した、アテナ新人大賞の大賞受賞者である師走ゆき先生のデビュー単行本になります。アテナ新人大賞の大賞受賞者ってのはけっこうスゴくて、今までに35回開催されていますが、そのうちで大賞を受賞したのは、師走ゆき先生含めてたったの4名。そのうちの一人は、あの「カレカノ」の津田雅美先生ですから、その期待の高さが窺えると思います。また賞を受賞したのは2009年で、これは白泉社としては異例の早さでの単行本デビュー。現時点で「新人フェア」と銘打たれ、デビュー単行本が発売されている作家さんは師走ゆき先生含め4名いるのですが、島田ちえ先生も水森暦先生は2003年デビュー、先日「オズのかかし使い」(→レビュー)をご紹介しました壱春コマ先生でさえ、2007年デビュー(これでもかなり早い方という印象)ですから、そのスピード出世っぷりがわかるかと思います。
 
 というわけで、前置きが長くなりましたが、「不老姉弟」のご紹介です。いきなり禍々しい感じのある表紙ですが、人魂の描き方からわかるように、コメディです。物語の主人公は、表紙の二人・不老姉弟。驚くほどに霊感が強く、単独でいると良き悪きに関わらず霊をもの凄い勢いで吸い寄せてしまうという体質で、常に霊障に苦しめられるのですが、不思議や不思議、姉弟一緒にいると、驚くほどの勢いで霊を跳ね返してしまうのでした。こうなったら、一緒にいるしかありません。もはやこれは死活問題。お風呂もトイレも寝るのも食事も学校も、とにかく一緒に居れるところは一緒に行動。けれどもさすがに限界が、小学生や中学生まではまぁ微笑ましく周りが見てくれていたものの、さすがに高校生ともなると、友達だけでなく親まで心配し、引き離そうと躍起に。それでも一緒にいなくちゃいけない二人の、なんともユルい日々が描かれていきます。


不老姉弟
この状況。これだけ出されても何がなんだか。とりあえずインパクトだけは確か。お風呂に普通に入ってるだけなのですが、これだけで間違い探しのように突っ込み所満載です。


 ずっと姉弟一緒ということで、他の人と恋愛なんて出来るわけがありません。だからといって、姉弟の間に恋心が芽生えるわけでもありません。。。ということで、恋愛のトキメキナッシング!!しかしながら、有り余る「一緒にいたい…もとい、一緒にいなくてはいけない」という執念は、時に恋愛のソレを超えることすらあるのです。トキメキなんかなくても、恐怖と執念と諦めがあればOK。どこまでも一緒にいようとする、この二人の絆の強さに、ついつい笑ってしまいます。すごい無表情だし。ヒロインの恭子は、なんだか見ためが「君に届け」(→レビュー)の爽子に似ているのですが、こっちの方がぶっ飛んでて色々とリアクション大きいです。第一印象は「あ、面白い爽子がいる」でした。
 
 「二人一緒にいなくてはいけない」という強い意志のもとに行動する二人ですが、強い意志をもってこの世の中に留まっているという幽霊と、共通する部分も多いのかもしれません。本人たちは、なんだかんだで幽霊関連のやっかいごとに巻き込まれ、彼らの抱える問題を解決していくわけですが、それは自分達の関係についても同じ事。自分達の状況も変えようと、試みてはみるのですが、なかなか難しいようで、その試行錯誤の様子がまた面白いです(特に恭子が)。
 
 さて、先程書きましたアテナ新人大賞ですが、大賞の津田雅美先生以外の大賞受賞者は、「さらしあそび」(→レビュー)などのトビナトウヤ先生と、たにともこ先生。たにともこ先生って誰?と思ったのですが、コミックホームズさんにて調べてみたところ、大賞受賞作を掲載されたのみで、以降作品は発表されていないようです。どこか別の出版社で、別の名前で描いているのか、それとも描くのをやめてしまったのか、その真相を我々が知ることはできないのですが、実にもったいない話でありますね。
 

【男性へのガイド】
→うーんと、これはどうなんだろう。コメディということで、多くの人にとって親しみやすい内容であることは間違いないと思います。好きかそうじゃないかは、もうその人次第。笑いのベクトルが合うか否かというところですかね。
【感想まとめ】
→想像していたのとはちょっと違ったのですが、これだけの安定感はなかなか出せるもんじゃないと勝手に思ってるのです。要チェックの漫画家さんの登場ですな。


作品DATA
■著者:師走ゆき
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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