
一星は
何にだってなれるんだよ
■小学三年生・緒方一星のお仕事は、キッズモデル!ミュージシャンの父親と、その元おっかけだった母に愛情たっぷりに育てられた一星は、雑誌にファッションショーにと、毎日大忙し。仕事は面白いし、友達もいて、毎日頑張り楽しい毎日を送っている一星だけど、それでも一丁前に悩みはあって…!?撮影に、ファンションショーに、ドラマにも挑戦!超ラブリー☆キッズ・モデルコメディ、新登場!
「愛のもとに集え」(→レビュー)や「とらわれごっこ」(→レビュー)などを描かれている、サカモトミク先生の新作でございます。今度描くのは、キッズモデルの男の子。小学三年生の緒方一星は、父親がミュージシャンの、いわゆる二世タレントになります。父親と、父親の元追っかけであった母親に、愛情たっぷりに育てられた一星は、伸び伸びすくすくと成長。父親のすすめでキッズモデルを始め、今では売れっ子のモデルさんになっています。擦れた所がなく、非常に素直に育った一星、仕事も面白くて学校も楽しい、悩みなんて何一つなさそうですが、それでもやっぱり、その歳なりの悩みというものがあって…。というコメディです。
まぁ、とにかく一星くんがかわいいことかわいいこと。これ以上ないんじゃないかってくらい、「良いとこ育ちの素直で元気な子」というのを体現していて、見ているとすごく心が洗われるような気持ちにさせられます。コンプレックスも大きな失敗もなく今まで来て、とにかく素直に、そして優しく伸び伸びと育った彼が、成長と共にぶつかる数々の壁に向き合い、成長していくというのが物語の軸になるのですが、その向き合い方もとにかく前向きで、もう読んでいるだけで笑顔になってしまいます。可愛らしさと正しさ、そして優しさをたたえた一星くんは、言うなれば「天使」です。うん、この呼び方が一番しっくり来る。

一星くんマジ天使!とにかく朗らか、真っ直ぐ、そしてキラッキラ。愛情を全身に浴びて育つと、こんな良い子になるんだろうな、という素敵な男の子です。
そんな一星くんに何かとつっかかるのが、同じクラスで同じ事務所に所属するキッズモデルの女の子・新菜ちゃん。彼女もまた、ツンデレっぷりを存分に発揮していて、すごくかわいかったです。彼女は一星とは逆に、普通の家庭に生まれて、またモデルとしての実績もまだまだ。ファッション誌に顔をのぞかせる一星に対して、彼女の今のメインフィールドはちらしのモデルさん。当然一星に対してコンプレックスがあって、それでも負けまいとライバル心をあらわにして、何かにつけて一星に突っかかっていきます。時には意地悪なことも。けれども小さい子の意地悪って、そのまま興味と愛情の欲求の現れになっていて、すごく微笑ましいんですよね。
全体を通して、メインとして子供同士のやりとりを描くので、癒し要素たっぷりです。日常で、ちょっと嫌なことがあったとき、ちょっと疲れてしまったとき、子供たちの素直で一生懸命な姿を見ることで、癒されてみてはいかがですか?こういう真っ直ぐな気持ちって、たぶんいつまでも、とっても大事。
【男性へのガイド】
→子供好きな方は是非ともいかがでしょうか。男性でも、そういうホームコメディとか子供が元気よく動き回るお話が好きという方は、すごく楽しめると思います。
【感想まとめ】
→表紙見たとき最初女の子かと思ってたんですよね、などとどうでもいい事を。面白かったです。子供の魅力がたっぷり詰まった、良きコメディでした。
作品DATA
■著者:サカモトミク
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ(連載中)
■全1巻
■価格:400円+税
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