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Tag [新作レビュー] 2009.03.13
ワーキングホリデー坂木司/こやまあやこ「ワーキング・ホリデー」


はじめまして
お父さん



■夏のある日、ホストクラブで働く元ヤン・沖田大和の元に突然、息子だと名乗る少年がやってきた。彼の名前は進で、小学5年生。話を聞くと、どうやら息子だというのは本当らしく、夏休み、家を飛び出しやってきたのだという。その日から、夏休み限定の父子二人暮らしが始まった!

 レーベルおなじみのコミカライズです。突然大和の元にやってきた息子・進。相手には心当たりがあり、夏休みの間息子のことを受け入れることに。そのことを聞き、ホストクラブの社長は「教育上よくない」と、ホストをクビにして、大和を宅配業者に紹介します。その日から、大和の宅配業者として、そして父親としての生活が始まります。母子家庭に育ったせいか、やけにおばさん臭く、生活力に溢れる進と、ズボラだが一本気な性格の元ヤン・大和。この二人の一夏の共同生活を描く、ハートフルストーリーです。


ワーキング・ホリデー
打ち解けるのにはそれほど時間がかからなかった。


 母親がひとつのキーパーソンなのでしょうが、1巻では全く登場せず。1巻ではとにかく父親の大和と息子の進の絆を深めさせる話に終始。いや、それがメインなのだから最後までこうなのか。やけにすんなり受け入れるもんだな、とも思うのですが、元ヤンだから良いのかなって気もします。受け入れるかどうかの葛藤を完全に取り除き、息子とどう信頼関係を築いていくかというところにスポットが当てられているので、全体的に明るく、馬鹿みたいに爽やか。このレーベルっぽくないですが、これはこれで良いんじゃないですか?夏休みの昼ドラとかでありそうな感じ。


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→このレーベルでこの内容は意外。別に男性誌で連載してても違和感はないんじゃないでしょうか?
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→なんかすんなり事が運びすぎる気もするのですが、明るさや爽やかさがあるので、読んでいて気持ちが良いです。2巻で完結ということなので、次も買ってみようかな。


作品DATA
■著者:坂本司/こやまあやこ
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックアヴァルス
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(08年12月号)+書き下ろし
■既刊1巻 (全2巻の予定)
■価格:648円+税
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かくかくしかじか
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