作品紹介→河原和音「青空エール」
4巻レビュー→二人の行動に多大な影響を与えた部活の先輩:河原和音「青空エール」4巻
5巻レビュー→大介と同じ視点に立つ準備ができた:河原和音「青空エール」5巻
6巻レビュー→正しい自信のつけ方とは:河原和音「青空エール」6巻
関連作品紹介→最後には、あなたを想う気持ちがそこに:山川あいじ/河原和音「友だちの話」
河原和音「青空エール」(7)
次は
私たちが
■7巻発売。
全日本吹奏楽コンクール予選に向けて、つばさたちの吹奏楽部は夏合宿に突入!だが入部して4か月経った今でも、自分に自信が持てず、合奏練習で音を出せずに吹き真似をするばかり。そんなつばさの姿を見て、水島は苛立ちを募らせキツい言葉で責める。逆にまるちゃんは、励ましてくれる。最終的に、合奏練習から外されてしまったつばさは…!?高校生活のすべてを部活に捧げる吹奏楽部員の“熱い”夏の物語!!
~熱い夏~
今現在、甲子園では熱い試合が繰り広げられていますが、高校野球に欠かせないのが、スタンドからのブラスバンド部の応援。定番となっている曲から、最新の曲まで、毎年その内容が少しずつ変わっていくのを聞いて、時代の移り変わりを感じたりします。そんな中、タイムリーに発売された7巻。本編では、野球の応援ではなく、本人達の熱い戦いが繰り広げられます。コンクールへ向けた、最後の追い込み。そして決戦のコンクール。高校野球に巻けず劣らずの、熱い夏がそこにはありました。
~視線を向けない照れ隠し~
さて、今回キリリとした表情で表紙を飾っている水島くん。前回はつばさに大して結構キツい言葉を投げかけたわけですが、見事につばさがそれに応えてくれたため、彼の当たりも多少柔らかくなりました。そしてその後会話するシーンがあるのですが…

こいつ人の目見て話さねーなー…
でも他のシーンを見ると、結構ちゃんと人の目を見て話してる。というか、ズバッと言うときほど見てるというか。こういう緩めのときとか、デレる時は目を合わさないんですね。大切なコミュニケーションの時は、真剣に全力で。けれどもそれ以外の時はちょっと…となかなか不器用な一面を見せてくれて、ちょっと和んだのでした。言ってる内容はアレなのですが、その仕草がなかなか可愛らしいではないですか。
~報われるわけじゃない~
終始全力で駆け抜ける河原和音先生の物語ですが、その中でも今回は見所として際立ったのは、コンクールでの一幕でしょう。積み重ねた努力は、決して無駄ではないけれど、必ず報われるとは限らないと、改めて強く実感させられた回。先生が、労いの言葉をかけると同時に「甘かったと思います」と声をかけたのは、この3年生の代で終わりではなく、次につなげる必要があるからでしょう。甘い言葉だけでごまかさないからこそ、この先生はここまで信頼されていて、部員達はついて来てくれるのだろうなぁ、と。
しかし球技のように、点数のようにわかりやすい形で結果が残る競技でない吹奏楽というのは、結構厳しい大会なのですね。その場で即点数という形で状況が現れる野球は、負けたとしても案外すぐに納得できるものなのですが(試合内容とスコアがそのままフィードバックになる)、こちらは金賞獲得しておきながら、全国に出れないという。しかも最後の最後で発表ですから、よほどのミスをしない限り自分達の演奏には納得していて、その時までは希望を持っているわけじゃないですか。それが結果あのような形で夢破れるってのは、シビアだなぁ、と。
その後の校長だか教頭の言葉もまた厳しかったですが、それもまた一つの部活の姿でもあるわけで。吹奏楽部を構成するメンバーは、その殆どが部活推薦で入ってきており、また予算も結構な額を回しているようです。吹奏楽部の部員数は100名近く、先のことを照らし合わせても、結構なお金がかかっているんですよね。それが、全国へ行けないってのは残念なことなわけで。あの言葉の内容はかなり辛辣なものではありましたが、全否定できるものでもないのですよね。しかしこれだけのプレッシャーを背負っている先生、とんでもないな。学校の期待ももちろんですし、推薦で預かった子たちを潰すなんて到底できないわけで、図太くも細やかな心を持っていないと。私にはとても無理だと、改めて思ったのでした。
■購入する→Amazon
4巻レビュー→二人の行動に多大な影響を与えた部活の先輩:河原和音「青空エール」4巻
5巻レビュー→大介と同じ視点に立つ準備ができた:河原和音「青空エール」5巻
6巻レビュー→正しい自信のつけ方とは:河原和音「青空エール」6巻
関連作品紹介→最後には、あなたを想う気持ちがそこに:山川あいじ/河原和音「友だちの話」

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私たちが
■7巻発売。
全日本吹奏楽コンクール予選に向けて、つばさたちの吹奏楽部は夏合宿に突入!だが入部して4か月経った今でも、自分に自信が持てず、合奏練習で音を出せずに吹き真似をするばかり。そんなつばさの姿を見て、水島は苛立ちを募らせキツい言葉で責める。逆にまるちゃんは、励ましてくれる。最終的に、合奏練習から外されてしまったつばさは…!?高校生活のすべてを部活に捧げる吹奏楽部員の“熱い”夏の物語!!
~熱い夏~
今現在、甲子園では熱い試合が繰り広げられていますが、高校野球に欠かせないのが、スタンドからのブラスバンド部の応援。定番となっている曲から、最新の曲まで、毎年その内容が少しずつ変わっていくのを聞いて、時代の移り変わりを感じたりします。そんな中、タイムリーに発売された7巻。本編では、野球の応援ではなく、本人達の熱い戦いが繰り広げられます。コンクールへ向けた、最後の追い込み。そして決戦のコンクール。高校野球に巻けず劣らずの、熱い夏がそこにはありました。
~視線を向けない照れ隠し~
さて、今回キリリとした表情で表紙を飾っている水島くん。前回はつばさに大して結構キツい言葉を投げかけたわけですが、見事につばさがそれに応えてくれたため、彼の当たりも多少柔らかくなりました。そしてその後会話するシーンがあるのですが…

こいつ人の目見て話さねーなー…
でも他のシーンを見ると、結構ちゃんと人の目を見て話してる。というか、ズバッと言うときほど見てるというか。こういう緩めのときとか、デレる時は目を合わさないんですね。大切なコミュニケーションの時は、真剣に全力で。けれどもそれ以外の時はちょっと…となかなか不器用な一面を見せてくれて、ちょっと和んだのでした。言ってる内容はアレなのですが、その仕草がなかなか可愛らしいではないですか。
~報われるわけじゃない~
終始全力で駆け抜ける河原和音先生の物語ですが、その中でも今回は見所として際立ったのは、コンクールでの一幕でしょう。積み重ねた努力は、決して無駄ではないけれど、必ず報われるとは限らないと、改めて強く実感させられた回。先生が、労いの言葉をかけると同時に「甘かったと思います」と声をかけたのは、この3年生の代で終わりではなく、次につなげる必要があるからでしょう。甘い言葉だけでごまかさないからこそ、この先生はここまで信頼されていて、部員達はついて来てくれるのだろうなぁ、と。
しかし球技のように、点数のようにわかりやすい形で結果が残る競技でない吹奏楽というのは、結構厳しい大会なのですね。その場で即点数という形で状況が現れる野球は、負けたとしても案外すぐに納得できるものなのですが(試合内容とスコアがそのままフィードバックになる)、こちらは金賞獲得しておきながら、全国に出れないという。しかも最後の最後で発表ですから、よほどのミスをしない限り自分達の演奏には納得していて、その時までは希望を持っているわけじゃないですか。それが結果あのような形で夢破れるってのは、シビアだなぁ、と。
その後の校長だか教頭の言葉もまた厳しかったですが、それもまた一つの部活の姿でもあるわけで。吹奏楽部を構成するメンバーは、その殆どが部活推薦で入ってきており、また予算も結構な額を回しているようです。吹奏楽部の部員数は100名近く、先のことを照らし合わせても、結構なお金がかかっているんですよね。それが、全国へ行けないってのは残念なことなわけで。あの言葉の内容はかなり辛辣なものではありましたが、全否定できるものでもないのですよね。しかしこれだけのプレッシャーを背負っている先生、とんでもないな。学校の期待ももちろんですし、推薦で預かった子たちを潰すなんて到底できないわけで、図太くも細やかな心を持っていないと。私にはとても無理だと、改めて思ったのでした。
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