作品紹介はこちら→*新作レビュー* 松本花「星屑町のパンのミミ」
松本花「星屑町のパンのミミ」(2)
とっても素敵なことが よ
■2巻発売しました。
ここは燈京都星屑町。パンの耳のような形をしたおうちに住むミミは、メガネ男子たちとの同居生活にもようやく慣れてきた。けれども、また新たなお客人が、彼女の前に現れる。霊媒師と名乗るその男は、腕利きらしいけど風体はだいぶ怪しい。でもどうやらお父さんのことを知っているようで。。。誘拐事件に霊媒師登場にユーレイ騒動にと、ミミの周りで次々起こる、あたたかくて、ちょっぴり切ない事件簿、第2巻。
~久々の2巻です~
久々の2巻登場です。1巻発売が2010年の1月になっていますから、実に1年半ぶりの新刊。ファンの方は待ちわびたのではないでしょうか。こうたくさん作品を読んでいると、1年振りとかの新刊となると前の内容はすっかり忘れてしまうのですが、この作品はなぜか覚えていました。読み返してみても、「やっぱり思ってた通りだ」という感じで、特に思い入れというか、強烈な印象などはないのですが、不思議と覚えているものですね。というわけで、2巻のご紹介です。
~自分の想いに鈍感な子には、他人の手助けが不可欠~
1巻も2巻も、非常に表情豊かで元気一杯なミミが可愛らしいわけですが、彼女自身の連続した心の移り変わりというのは、意外とその表情から読み取るのは難しかったりします。彼女の行動は比較的単純というか、直感的な所がある分、一瞬の輝きはすごいものがあるのですが、じゃあずっと見た中ではどうなの?という。特にわからないのが、彼女の恋愛感情。人物配置を見るに、確実に晶が相手役なのですが、なかなか二人の仲は進展しません。お互いに相手にも、そして自分の心にも鈍感すぎるのです。そんな中必要不可欠になるのが、周りにいる脇役の皆さん。今回も全く自分の気持ちに気づかない…というかそもそも芽生えているのかも怪しい気持ちを、無理矢理発芽させ成長させるという荒技を、大人二人が繰り出してくれました。まずは田さん…
「少し妬けますね」
という彼の言葉に、思わずボッ。彼女がどんなことを思い浮かべたのかわかりませんが、少なからず晶のことを意識したのではないでしょうか。そして何よりすごかったのが、スタアのルナさんですとも。
「晶さんとはどうなの?」
この一言で…

これですこれ。そしてからかうのではなく、優しく丁寧に、そしてシンプルにアドバイス。これが見事にハマることになります。さすがスタアの一言は違います。ぐるぐる目を回すミミがなんとも可愛い。そしてその後に、「名前で呼ばれたこともないし、名前を呼んだこともない」と言い訳とも不満とも取れることばを発するわけですが、その様子もまた可愛いではないですか。というか名前で呼んだことなかったのですね。比較的人付き合いは得意なタイプに映っていたので、さらりと名前を読んでいるのかと思いきや、見返してみると確かに一切名前で呼んだことないのですよ。思うことはあっても、言葉には出さない。意外と気ぃ遣いというか、オクテな面を覗かせた彼女。鈍感そうに見えて、しっかりと自分の状況は把握していたではないですか。そして意を決して…

おはよう晶くん!
頑張る女の子って、こんなにも可愛いんです!キラキラと光る彼女の表情に、これから先も私は夢中になることでしょう。
しかしながら、この作品の落としどころってどこになるのでしょう。2巻と言えど、肝心のお父さん探しは難航。というか探せずにいるし、お父さんもなんだか楽しんで帰ってきていない感じで、オチはさらっとお父さんがある日帰ってくるって感じな気がします。それかスタアが連行してくるか。千里眼にて思わぬ結末を晶が見ることから、暗い方向に倒れる懸念もありますが、そういう時こそ男の子の頑張りどころ。試練を越えて築かれる、真に優しい世界、優しい関係というのも、見てみたい気がします。3巻発売はいつになるやら、気長に待ちたいと思います。
■購入する→Amazon

とっても素敵なことが よ
■2巻発売しました。
ここは燈京都星屑町。パンの耳のような形をしたおうちに住むミミは、メガネ男子たちとの同居生活にもようやく慣れてきた。けれども、また新たなお客人が、彼女の前に現れる。霊媒師と名乗るその男は、腕利きらしいけど風体はだいぶ怪しい。でもどうやらお父さんのことを知っているようで。。。誘拐事件に霊媒師登場にユーレイ騒動にと、ミミの周りで次々起こる、あたたかくて、ちょっぴり切ない事件簿、第2巻。
~久々の2巻です~
久々の2巻登場です。1巻発売が2010年の1月になっていますから、実に1年半ぶりの新刊。ファンの方は待ちわびたのではないでしょうか。こうたくさん作品を読んでいると、1年振りとかの新刊となると前の内容はすっかり忘れてしまうのですが、この作品はなぜか覚えていました。読み返してみても、「やっぱり思ってた通りだ」という感じで、特に思い入れというか、強烈な印象などはないのですが、不思議と覚えているものですね。というわけで、2巻のご紹介です。
~自分の想いに鈍感な子には、他人の手助けが不可欠~
1巻も2巻も、非常に表情豊かで元気一杯なミミが可愛らしいわけですが、彼女自身の連続した心の移り変わりというのは、意外とその表情から読み取るのは難しかったりします。彼女の行動は比較的単純というか、直感的な所がある分、一瞬の輝きはすごいものがあるのですが、じゃあずっと見た中ではどうなの?という。特にわからないのが、彼女の恋愛感情。人物配置を見るに、確実に晶が相手役なのですが、なかなか二人の仲は進展しません。お互いに相手にも、そして自分の心にも鈍感すぎるのです。そんな中必要不可欠になるのが、周りにいる脇役の皆さん。今回も全く自分の気持ちに気づかない…というかそもそも芽生えているのかも怪しい気持ちを、無理矢理発芽させ成長させるという荒技を、大人二人が繰り出してくれました。まずは田さん…
「少し妬けますね」
という彼の言葉に、思わずボッ。彼女がどんなことを思い浮かべたのかわかりませんが、少なからず晶のことを意識したのではないでしょうか。そして何よりすごかったのが、スタアのルナさんですとも。
「晶さんとはどうなの?」
この一言で…

これですこれ。そしてからかうのではなく、優しく丁寧に、そしてシンプルにアドバイス。これが見事にハマることになります。さすがスタアの一言は違います。ぐるぐる目を回すミミがなんとも可愛い。そしてその後に、「名前で呼ばれたこともないし、名前を呼んだこともない」と言い訳とも不満とも取れることばを発するわけですが、その様子もまた可愛いではないですか。というか名前で呼んだことなかったのですね。比較的人付き合いは得意なタイプに映っていたので、さらりと名前を読んでいるのかと思いきや、見返してみると確かに一切名前で呼んだことないのですよ。思うことはあっても、言葉には出さない。意外と気ぃ遣いというか、オクテな面を覗かせた彼女。鈍感そうに見えて、しっかりと自分の状況は把握していたではないですか。そして意を決して…

おはよう晶くん!
頑張る女の子って、こんなにも可愛いんです!キラキラと光る彼女の表情に、これから先も私は夢中になることでしょう。
しかしながら、この作品の落としどころってどこになるのでしょう。2巻と言えど、肝心のお父さん探しは難航。というか探せずにいるし、お父さんもなんだか楽しんで帰ってきていない感じで、オチはさらっとお父さんがある日帰ってくるって感じな気がします。それかスタアが連行してくるか。千里眼にて思わぬ結末を晶が見ることから、暗い方向に倒れる懸念もありますが、そういう時こそ男の子の頑張りどころ。試練を越えて築かれる、真に優しい世界、優しい関係というのも、見てみたい気がします。3巻発売はいつになるやら、気長に待ちたいと思います。
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