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Tag [オススメ] 2009.03.13
坂道のアポロン2小玉ユキ「坂道のアポロン」


もしかしたら 俺は 知らぬ間に
運命の糸に 導かれて
この浜まで
漕いできてしまったのかもしれない



■3巻発売です。
 舞台は1960年代の長崎。横須賀から転校してきた薫は、幼い頃から転校を繰り返してきたお坊っちゃま。しかしナイーヴな性格の持ち主であるため、度重なる転校は彼にとって苦痛でしかなかった。そして何度目かの転校先、長崎。またいつもと同じ、何も期待していない。そう考えていた薫は、ふとしたきっかけでとんでもない男に出会ってしまう。いかにも「番長」な感じのその男・千太郎との出会いは、悩んでばかりの薫の高校生活を、180度変えることになるのだった    
 
 昨年「このマンガがすごい!2009」オンナ編で1位を獲得して話題になった同作品。正直1位は驚きでした。上位には来るだろうなぁとは思っていたのですが、まさか首位とは…。さて、肝心の内容はと言うと、お坊っちゃまでナイーヴな主人公・薫が、転校先で千太郎と出会うことで、今までとは全く違う高校生活を送る様子を描いた青春グラフィティ。舞台は1960年代の長崎ということで、作者さんの作風とも相まって非情にノスタルジックな雰囲気になっています。


坂道のアポロン
千太郎と出会い、ジャズの魅力を知る。

 
 普通の少女漫画とは明らかに毛色が異なる同作ですが、何を例えに持っていけば良いか考えたとき、出てきたのが、NHK朝の連続テレビ小説。時代と郷愁を感じさせる雰囲気の中、主人公ひとりにフォーカスした、ちまちました展開ではなく、登場人物、そして背景まで全てを一手に捉える。なんでしょうね、魅力を説明するのは難しいです。ただこれが合わないって人もいるんじゃないだろうか、とも思う。


【オトコ向け度:☆☆☆  】
→男ふたりがいかにも女性が描きましたって感じのキャラなんですよね。その辺に違和感を感じる方もいるかもしれません。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→良作だとは思いますが、他所での評価並みに好きかと聞かれると少々疑問。いかにもマンガ読みが好みそうなという気もします。個人的には、薦めるというより、自分だけの楽しみにしてひっそりゆったり読みたい作品。


作品DATA
■著者:小玉ユキ 作者サイト→「silo
■出版社:小学館
■レーベル:flowersフラワーコミックス
■掲載誌:flowers(2007年11月号~連載中)
■既刊3巻


 
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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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