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Tag [続刊レビュー] 2011.08.20
作品紹介→超偏屈×美猫の無敵コンビが、ちょっと不思議な猫社会を駆け抜ける!:草川為「八潮と三雲」1巻
2巻レビュー→ニヤニヤが止まりません何とかしてください:草川為「八潮と三雲」2巻
関連作品紹介→草川為「十二秘色のパレット」草川為「龍の花わずらい」



1106047331.jpg草川為「八潮と三雲」(3)


俺を呼べっつーのは
ちゃんと頼れって意味だ



■3巻発売です。
 自宅が全壊し、八潮の家に居候することになった三雲。八潮との夢の共同生活に、浮かれまくりの三雲は、家事も取り立て屋の仕事も大張り切り…かと思いきや、早々に発熱でダウン。ターゲットの前で倒れてしまう。結局八潮のお世話になりっぱなしの三雲だったが、そんな彼女に八潮は…?またついに、“しー君”登場。三雲の過去を知る彼に、八潮の反応は…?


~同居スタート~
 ついに、ついに同居スタートですよ!三雲のはしゃぐ姿が目に浮かぶよう…なんて、のっけからテンション高めでもうとにかく可愛くて仕方ないです。好き好きオーラ出すキャラが私は大好きなんだ…!(断言)
 
 
八潮と三雲3-1
 こういうことさらりと言えちゃうところとか、もう素敵だなぁ、本当に。しかし彼女の張り切りとは裏腹に、結果にはなかなかつながりません。ザ・空回りとでも言うのでしょうか。早速風邪を引いてダウンするなど、彼女の想い通りにはいかないみたいですね。しかし風邪を引いているときの三雲、なにやらとっても不満げ。もちろん四六時中八潮と一緒にいたいのでしょうから、そう思うのも不思議はないのですが、それ以上に、彼の役に立てていないことが不満であるようです。だからこそ、風邪を引いていても何かしらの手伝いをしようとするわけで。彼女からしたら、一度命を助けられて、さらに住処まで提供してもらって、八潮からは与えてもらってばかりだという想いがあるのでしょうが、それにしても余りある献身っぷり。それは、彼女の人の愛し方が、そういうものなのだろうと、俄に想像することができるのでした
 

~愛することには慣れているけど、愛され慣れていない三雲~
 これは勝手な想像ではあるのですが、三雲の愛情表現は、とことん相手に与えることによってしか出来ないのかな、という感じがします。というか、今の彼女はそれしか知らないというか。自己犠牲をしてでも、相手に尽くすことこそ、わかりやすい愛情表現であり、満足できるという感じなのでしょう。だからこそ、あそこまで八潮に献身するし、少しでも力になりたいと思う。今回シロくんの登場で明らかになりましたが、彼女の名前が「三雲」と、既にあと少ししか命が残されていないのも、彼女のそういった性質がさせた結果だと言えなくもありません。ましてや三雲にとって八潮は、先も書いた自分を犠牲にしてまで助けてくれたという「借り」のような想いも少なからずあるのでしょうから、あそこまでするのでしょうね。
 
 一方でそれは、彼女が愛され慣れてないことの裏返しであるような気もします。今回の風邪での一件でも、彼女は八潮の「ひとつ言うことを聞いてやる」という言葉に心躍らせつつも、結局はこれといった頼みも言うことができなかったという。もちろん「これしてもらいたい!」という想いはあるのでしょうが、思うだけ。

 
八潮と三雲3-2
 例え口に出したとしても、それは冗談めかしてしか言えないパターンが殆どで、それがまさに彼女の不器用さと不憫さでもあるのかな、と思うのでした。
 

 大事な所で遠慮してしまう、というか。元々野良であった彼女は、「自分のことは自分でする」という強い意志もあるわけで、そういった時に真にわがままになれないんですよね。愛されているという前提に立てないからこその怖気づきだとは思うのですが、もうちょっと甘えてもいいんじゃないですか?だからこそ、八潮も「もっと頼れ」と言うのでしょうし。男女関係に限らず、ちょっとした頼み事ってのは初期の人間関係を構築する上で、結構有効な手段だったりするそうです。頼み事するときって相手に迷惑をかけていそうでちょっとイヤなのですが、誰かの役に立てるって結構嬉しいことなわけで、自分もちょっと意識してお願いごとをしてみたりすることがあります。頼み事するときは汗だらだらかくわけですが(笑)何はともあれ、三雲がもっと素直に丁度良いタイミングで八潮さんのことを頼れるようになることが、一つ距離が縮んだことの現れなのかもしれません。でも空回りする三雲も、、、というか空回りする方がカワイイ気もするので、個人的にはもうちょっとこのままで良いかもです。実は不憫な三雲萌えとでも言いましょうか。


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レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
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期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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