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Tag [新作レビュー] 2011.08.21
1106047324.jpg岡田ハルキ「初恋▽サキュバス」


…それは恋だ
愚かな恋です



■男の“精気”を喰らう悪魔・サキュバス。彼女達は、より多く、より良質なエナジーを手に入れるため、自らを磨く。そんな中、色気も魔力も乏しく、好きなのはお料理とお昼寝というダメ夢魔が一人。落ちこぼれ夢魔のリチルは、ついに長の逆鱗に触れ、誘惑の修行のためと、人間界に堕とされる。その先で出会ったのは、美少年だけどつれない性格の唯。初めて経験する気持ちに、唯を誘惑しようと試みるリチルだったけれど、彼は悪魔が大嫌いで…!?

 岡田ハルキ先生の2冊目の単行本でございます。こちらも「この新人を読め!」という白泉社のフェアで売り出されているものですが、先述のようにこちらは既に2冊目の単行本。既に単行本デビュー実績のある、新人さんというよりは若手作家さんに分類されるような方です。ちなみにデビュー作は「男子ingガール!」(→レビュー)。
 
 タイトルと表紙の絵からわかるように、サキュバス(夢魔)が登場する、ファンタジックな要素を交えての物語となります。ヒロインは、落ちこぼれサキュバスのリチル。男を誘惑しエナジーを得るサキュバスの一人でありながら、本人は色香を漂わせるどころか、同類のサキュバスに嫌悪感を抱き、自身の容姿も控えめに、獲物を見つける気が全くないサキュバスなのでした。しかしそれで安穏と生きられるわけもなく、サキュバスの暮らす里の長の怒りを買い、人間界へと堕とされてしまいます。そんな先でリチルが出会ったのは、なんとも見目麗しい少年・唯。今まで感じたことのない気持ちに、サキュバスとしての欲求が芽生え始めるリチルでしたが…というお話。


初恋サキュハ#12441;ス1
わふわふ喜ぶ。お金だとか、風船だとか、学校だとかいう知識はないので、そういうものを目にすると途端にテンションが上がる。


 端的に表すならば、残念なサキュバスが恋に目覚め空回り奮闘するというラブコメ。ヒロインのリチルは、元来異性には全く興味がなかったのですが、落とされた先で出会った子に思わずフォーリンラブ。しかもなんだか自分のことを行くあてのない可哀想な子だと思ってくれた彼は、自分のことを家に置いてくれるというなんとも都合の良い展開が待っているのでした。しかし相手役の唯からすれば、それは非常に都合の悪いことなわけで。可哀想な子だと思っていたら、別のベクトルで可哀想な子であり、しかも家は教会ということで、悪魔を迎え入れるなんて言語道断。サキュバスであることは早々にバレてしまうのですが、以来唯はリチルに冷たく当たることになります。
 
 前作もそうだった気がするのですが、暴走気味なヒロインが残念だけどなんだかとっても愛嬌があって素敵という。このリチルも、あらぬ方向に暴走してしまうところが非常に笑えるのですが、初恋ということもあってピュアさは抜群。元々誰彼構わず男を誘惑するサキュバスに嫌悪感を抱いていたというその反発心から、実に一途で一生懸命で、しかも自身の自己評価も低いですから、少しの嬉しい出来事に、これ以上ないってくらい喜びを見出すんですよね。それがとっても素敵で。描いているのはなんてことない恋心だったりするのですが、その見せ方が上手いのか、やたら感動的に映るのです。


初恋サキュハ#12441;ス
普通にしてれば至って素敵な恋する女の子。ピュアさは抜群。しかしながら素直すぎて時に失敗することも。


 ヒロインのリチルの気持ちは既に明らか。後は相手役の唯がどう心を開くかというお話へと変わっていくのですが、この唯もなかなか萌えツボを押さえたオーソドックスなツンデレキャラでして。ヒロインといい唯といい、完全にコメディシフトのキャラなのですが、一巻完結の短めのストーリーでは、このくらいベタにシンプルに行ってもらった方が、すんなり受け入れやすいというもの。良いテンポで進むので、とても読みやすく、あっという間に楽しく読むことができました。


【男性へのガイド】
→リチルの可愛らしさに一つ望みを。愛されたい系男子のあなたに。
【感想まとめ】
→絵柄もなんとなく安定しない感があるのですが、それでもなお上手い見せ方。面白かったです。



作品DATA
■著者:岡田ハルキ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ(連載中)
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
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レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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