このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.08.24
1106057473.jpg西炯子「恋と軍艦」(1)



やはりあの二人はあやしい…


■藤原晶、中学1年生です。クラスメイトの遠藤香菜の憧れのヒトは、28歳年上のさわやかイケメン町長さん。なのに金髪ピアスに、くわえ煙草に無精髭の不良オヤジと友達で、どうやらしばしばお泊まりしている仲らしい。全然似ているところがないのに、おそろいの香水を付けていたり、魚の小骨をとってあげていたり…。怪しいほどに仲の良い二人を前に、遠藤さんの恋に未来はあるの!?

 西炯子先生の、なかよしでの連載作になります。最初ニュースを見た時は、「は?なに、間違いじゃないの?」と思ったくらいに意外な組み合わせ。「娚の一生」(→レビュー)だとか、「ひらひらひゅ~ん」(→レビュー)といった、面白い作品を多数発表している先生ですが、そのイメージはオトナ向けな印象。それゆえに、低年齢の極みであるなかよしで連載とは、また思い切ったことを。どのようにシフトしてくるのかと思いきや、ちょっとテンションが高くなった感があるだけで、いつもの西炯子先生でした。
 
 それでは物語の内容をご紹介致しましょう。主人公は、東京からおばあちゃんの家に預けられてきた、中学一年生の女の子・遠藤香菜。慣れない土地で、未だ友達がいない彼女は、それでもこの町をいやがらずに日々を送っています。その心の拠り所は、密かに想いを寄せる人…。その人は、28歳年上のさわやかイケメン町長さん。日々彼のところを思い浮かべながら、にやにやしているのでした。そんなある日、ひょんなことから仲良くなった(?)クラスメイトの藤原晶と一緒に訪れたのは、町外れにあるとあるお屋敷。そこに住むのは、無精髭でタバコを吸っている金髪の不良外人(イメージ)。爽やかさとは無縁で、町長さんとは正反対のイメージなのに、なぜか町長は日がなこのお屋敷に通っては、お泊まりしているようで…!?というお話。


恋と軍艦
料理とか作っちゃう仲。そんな怪しい二人を前に、ヒロインの二人は全く違った反応を見せる。でもどちらもまだまだおこちゃまで、その核心には触れられない。


 恋に恋する、純粋無垢なヒロインと、耳年増でドライな視点を持ったクラスメイトの女の子。そんな二人の凸凹コンビが立ち向かうのは、なんとも怪しい関係を匂わせる、爽やかイケメン町長さんと、不良外国人エロ漫画家。なかよしでBLネタですか、とかビックリしてみたものの、エロさで際立つ「×しな!」(→レビュー)や、ガチ百合な「野ばらの森の乙女たち」(→レビュー)、さらにはサバゲ漫画の「さばげぶっ」(→レビュー)まで作品も連載しているので、こんなのカワイイ方かもしれません。登場人物の配置からするに、単純に恋愛ものとして転がらないことは明白。かといってどういう方向に転がって行くのかも、正直なところ現時点では全く分かりません。
 
 それでも頁をめくらせてしまう不思議な魅力はあり、なんとも続きが気になるところであります。元々西炯子先生って、どこかあからさまな非日常を落とし込んで、ドタバタやるパターンが多い気がするのですが、それが低年齢向けのなかよしとなると、素直に演出として受け入れることができるので、この発表媒体はむしろ合ってるんじゃないかとすら思えました。キャッチーかと言われると決してそうではないと思うので、本誌で支持を得るかと言われるとよくわかりませんが、肌は合いそうだな、と。
 
 面白いとは思うのですが、それでも掴みきれないこのすっきりしない感じはなんだろう(笑)個人的にはヒロインの遠藤香菜ちゃんよりも、ガード堅そうに見せてその実攻め込まれると脆い、藤原晶ちゃんの方が俄然好きですかね。男二人は良き雰囲気を漂わせつつも、どちらも胡散臭すぎて、いつもの西炯子作品の男性陣だなぁ、と(笑)


【男性へのガイド】
→西炯子先生好きであれば問題ないかと思われますよー。クセも抑えめ、ややマイルドに。
【感想まとめ】
→オススメしようか迷うところではありますが、たぶん続き読まないと絶対後悔するんですよ、こういうのは。私は買います。だって気になるので、落としどころが。


■作者他作品レビュー
西炯子「ふわふわポリス」
西炯子「うすあじ」
「西炯子のこんなん出ましたけど、見る?」
自分が幸せになれないと決め込んでいるあなたへ:西炯子「姉の結婚」1巻


作品DATA
■著者:西炯子
■出版社:講談社
■レーベル:KCなかよし
■掲載誌:なかよし(連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→西炯子「恋と軍艦」(1)

カテゴリ「なかよし」コメント (1)トラックバック(0)TOP▲
コメント

晶の名字は「篠原」ですよ。
From: ~名もなきお * 2011/10/04 22:25 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。