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Tag [新作レビュー] 2011.08.26
1106035724.jpg藤村あゆみ/霜月はるか「グリオットの眠り姫」1巻


世界はキレイだし
めっちゃ広いんだぞ!



■人里離れた深い森の中の村で暮らす、ライルとシトラ。狭い世界から出たいと願う、二人の幼なじみ・エルフィンは、外の世界に憧れ、ライルに村から出ようと誘う。大きな出来事は何もないけれど、それなりに楽しい日々。しかしそんな日々は、ある日突然打ち壊される。何の前触れもなくやってきた、黒騎士たちに、村はめちゃくちゃにされ、エルフィンも殺された。そして残されたライルとシトラは…

 「ティンダーリアの種」(→レビュー)のタッグが贈る、ファンタジック冒険活劇でございます。前作「ティンダーリアの種」が非常に自分好みであったので、今回も迷わず買ったのですが、戦いの描写が殆どなかった前作に比べ、今回はまさに「RPG」という感じの、ファンタジックな世界を舞台にバトルメインで物語は動いて行きます。主人公は、とある辺鄙な村に育った少年・ライル。彼が普段仲良くしているのは、同じ村に生まれ育った二人の男女。唄が上手いけれど、肝心の試験ではなかなか上手くいかないシトラと、外の世界に強い憧れを持つエルフィン。お金の概念すらない田舎町で、平穏な日々を送っていた彼らですが、そんな毎日はある日突然崩れさることになります。突如現れた黒騎士の集団。そんな彼らが狙うのは、何故かシトラ…そして彼らの持ち物から臭うは、数年前に町を離れた歌い手・ローザ。シトラを守るため、エルフィンは黒騎士の前に立ちはだかるも、力が違いすぎる。結局彼は、外の世界に行きたいという願いを叶えることなく、その命を落とすのでした。どうしてこんなことに…友の死と、渦巻く謎を前に、ライルは村を発つ決意をする。そしてそんな彼の背中を追うように、シトラもまた外の世界に足を踏み入れる決意をするのだった…。


ク#12441;リオットの眠り姫
たびたびシトラの歌がポイントに。歌ありきですから、ライルとシトラの活躍の場は意外にも半々くらいです。


 単純に力比べでのし上がって行くようなお話ではありません。ドラマCDというかヴォーカルCDがメインであり、原作となるため、物語には自ずと“歌”という要素が登場し、重要な要素として位置づけられます。シトラをはじめ、この村出身の歌い手が歌う歌には、特別な力があり、ひとたび感情を込めて歌えば、様々な現象が起こります。しかしシトラは、その力を自在に操るほどのスキルを持っておらず、まだまだ修行中の身。そんな彼女がスキルを磨くには、もちろん練習も必要ですが、それ以上に精神的な拠り所が必要となります。そしてその役目を果たすのが、主人公のライル。彼もまた、剣術の才能はあるものの、荒削りで強いとは言えないレベル。そんな二人が、同じ想いで村を飛び出し、新たに経験しはじめて出会う町・人・ものに影響を与え、また逆に受けながら、成長を重ねて行く姿は、こういった世界観であるからこそ与えられるのであろう前向きさや力強さを感じることができます。
 
 私はRPGをそんなにやったことある方ではないので、そういった視点からこの物語のストーリーの良し悪しを語ることはできません。とりあえず1巻終了時点でわかるのは、まだ一つ目の町でのイベントをクリアしたばかりということ。さすがに長編RPGのようにイベント盛りだくさんということはないでしょうが、それでもなお序盤という感は強く、物語がどう転がって行くのかというところまでは、なかなか想像ができないです。こういった系統の物語がお好きな方であれば、多分安定して楽しめると思います。ひと捻りふた捻りしたファンタジー作品が多い中、ここまで気持ち良くRPGのそれを体現しているというのは、良いことだと思います。表紙に、タイトルにビビッと来た方は、たぶんそういう系統お好きでしょうから、チェックをば。


【男性へ向けたイド】
→このストーリーであれば男性でも全く問題ないかと思われますよ。
【感想まとめ】
→こういう系統の物語についてはあまり明るくないのですが、普通に世界観を理解し、楽しんで読むことができました。作りはしっかり、物語が描き出していることをちゃんと受け取り堪能することができるようになっています。


作品DATA
■著者:藤村あゆみ/霜月はるか/日山尚
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM(連載中)
■既刊1巻
■価格:552円+税


■購入する→藤村あゆみ/霜月はるか「グリオットの眠り姫」1巻

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かくかくしかじか
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BEARBEAR
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有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
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