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Tag [オススメ] 2009.03.14
蝶よ花よ表紙吉原由起「蝶よ花よ」


「久世蝶子さん、面接を始めます」
「はい!」
「ではまず、あなたは処女ですか?」
「・・・はい?」



■8巻発売、完結しました。
 代々続く大地主である久世家自慢の娘・蝶子。しかし久世家は父親の代で没落、現在は町の小さな蕎麦屋を一家でやっている。とにかく働きに出なくては。大学卒業後、唯一受かった大企業に勤めることになるが、配属されたのは、面接の時にセクハラ質問をしてきた上司のいる秘書課。心穏やかでなく始まったOL人生ですが、なんとあのセクハラ上司は、かつて久世家の元使用人”ちーちゃん“だった!元使用人だけど、今は上司…どうなる蝶子の人生!?
 
 かつてのお嬢さま、使用人が、時を経て上司と部下になって再会する、ハイテンションなラブコメディです。ちーちゃんは、秘書課の課長。面接前から蝶子だと知っており、内定を出したあと、心配だからと同じ秘書課に配属させます。普段は上司として蝶子に厳しく接しますが、根は使用人なので、ちょくちょく使用人モードに。そのへんのパワーバランスがかなり曖昧で、出入りの激しい状態になっていますが、作品通してハイテンションなので気にならないです。


蝶よ花よ
途切れることなく盛り込まれる小ネタ。

 
 プチコミはラブコメといえど、ラブ8コメディ2ぐらいの比率で描いてくるのですが、この作品は真逆。とにかく徹底してネタを仕込んできます。ネタの質はかなりバラツキがあるのですが、とにかく良くここまで押し込めてくるな、と。男が読む分にはこのぐらいの比率が丁度良いと思います。10巻手前でスッパリ終わらせたのも好印象。


【オトコ向け度:☆☆☆  】
→プチコミの中では抜群に読みやすいと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→タイトルと表紙からは想像できないほどコメディに走ってます。面白いと思います。


作品DATA
■著者:吉原由起
■出版社:小学館
■レーベル:プチコミフラワーコミックス
■掲載誌:プチコミック(2005年9月号~2009年2月号)
■全8巻

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