このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2011.08.31
1106053380.jpgこなみ詔子「痣使い」


彼女にやってもらうのは
飼育だよ



■決して知られてはいけない、双子の謎。けれど、一人の少女に出会ったことで、アレの「飼育」が始まってしまう…。貧乏で行き倒れ寸前だった蜜を助けてくれたのは、イケメンの双子の兄弟。部屋も食事もいつも用意してくれる彼らに頼まれたのは、とある子どもの面倒見だった。昼間に姿は見えない。それどころか、本当に会っているのかもわからない。そんな男の子の存在が、気になりはじめた蜜だったけれど…?

 プリンセスの人気連載作「シノビライフ」の作者である、こなみ詔子先生のITANでの連載作になります。なんだかとってもファンタジックな感じのする表紙とタイトルで、表紙に書かれているジャンルは「サイキックミステリー」とのこと。これだけだとよくわからんと思うので、冒頭だけでもご説明致しましょう。物語のヒロインは、行くあてもなく食べるものもお金もない、ホームレス生活を送る女の子・小出蜜。高校に通うくらいの年齢だけど、もちろん高校なんて行けるはずもなく、制服に身を包んだ同年代の子達を羨ましげに見つめていたのでした。そんな彼女の元に突如やってきたのは、何やらとってもイケメンの男の子二人組。市川基と円と名乗る彼らは、挨拶もほどほどに彼女を家に連れて行き保護。ここでの生活と引き換えに、とある頼み事をしてきます。夜深くにやってくる、色黒の男の子の面倒を見ること。たったそれだけで、人並みの生活ができるの…?幸せいっぱいの蜜でしたが、どうにもその男の子は…


痣使い
テイスト的には中二病っぽくもある。ただ本人視点でなく、ヒロイン視点であり、物語を実質動かしているのは彼ではないので、そういった痛さは抑えられています。


 いきなりホームレス少女が登場というあたり、「シノビライフ」もそうですが、力技でありえない話を軌道に乗せてしまうこなみ先生のスタイルがもろに出たような作品となっています。好条件で密がこのような生活を送れるようになったのには、当然のことながら裏があるわけで。夜中現れる男の子は、蜜を拾ってくれた男の子の身体に住み着く“痣”。痣は人の命を食べて生きるのですが、その飼育係(=エサ)として密が選ばれたというわけ。当然そのことは蜜には秘密なのですが、その事実はやがて明るみに。そこをきっかけとして、彼女が知らぬ間に巻き込まれている、一連の出来事を知っていくことになる…と思われます。
 
 痣が肥大するとどうなるのか。そもそも痣はなんなのか。そして市川兄弟の狙いは…。まだまだわからない部分が多く、物語の全容が明らかになるのはこれから。とりあえずキャラクター整理をすると、とにかくお人好しでばかなヒロインの蜜。事の全容をほぼほぼ把握している邪悪なお兄さん・円。そして円と共に行動するも、正直者で心優しそうな基。主人公気質なのは基ですが、キーとなってきそうなのは円でしょうか。どちらもベクトルは違うけどもイケメンでございます。
 
 作品の印象はITANというよりもARIAっぽい感じが。物語の設定などを見てもらってもわかるように、だいぶ中二病っぽい要素が強いです。1巻のうち3分の1が、過去に描いた読切りで、本編はまだまだわからないことが多く、現時点では特に何も言えないですかねぇ。正直どういう展開でどう落ちるのかも想像つかないので、単行本から入った人はこなみ先生ファンでなければ若干おいてけぼりなんじゃないかって気もするのですが。でも新雑誌の初巻なんてだいたいそんなものなのかしら。


【男性へのガイド】
→痣使いとかいうタイトルに思わず反応してしまったら行ける素養があるんじゃなかろうかと。ヒロインの蜜はろりろりでカワユイです。
【感想まとめ】
→この時点ではどうすることも。説明もあんまりされない上に、3話でカットということで、よくわからんです。でもやっぱり手法はこなみ先生のソレだなぁ、という印象が。


作品DATA
■著者:こなみ詔子
■出版社:講談社
■レーベル:ITANコミックス
■掲載誌:ITAN(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


■購入する→こなみ詔子「痣使い」

カテゴリ「ITAN」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。