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Tag [新作レビュー] 2011.09.08
1106057551.jpg花野リサ「乙女ゲームやってみた。」


今日からあんたは私が操縦する


■超オタク女子高生・ねねの趣味は、乙女ゲーム。数多ある乙女ゲームをやりつくした彼女は、いつの間にかリアルの恋愛までも操作出来るように。彼女の指令のもと動いた女子達は、全員揃ってその恋が成就。今では恋愛マスターとしてその名を響かせていた。けれども一つ問題が。それはねね自身には効かないということ。気になる相手はいるけれど、どうしてよいのかわからないまま。。。そんなある日、そのお相手と急接近の出来事が…!?

 新人フェアに打って出ている白泉社と同じく、集英社も新人さんのデビューコミックスを一挙に発売しております。その売り方がまた悪どくて、帯に売れっ子作家さんの名前を書いてパッと見その作家さんの新作であるかのように見せるという。これについては今度ちょっと雑記で書いてみたい所です。といきなり話が逸れましたが、デビュー単行本ですよ。一発目にご紹介するのはこちら、小村あゆみ先生推薦の花野リサ先生「乙女ゲームやってみた。」でございます。
 
 ヒロインは、乙女ゲームをやりこみまくっているオタク少女のねね。とはいえコミュニケーション能力に欠ける引きこもりがちなオタクではなく、十代少女らしい日常は送れるレベルで、ガチオタの匂いは外見からはあまりさせません。とにかく乙女ゲーム好きな彼女は、それが高じていつしかリアルの恋愛も操れるように。といっても操る相手は自分の意中の男子ではなく、恋愛相談してくる女の子たちとそのお相手。乙女ゲームのあらゆるセオリーに則り、彼女が出す指令の元動いた女子達は、見事にお相手のハートを射抜きまくるのでした。ねねの手にかかればどんな恋の悩みも万事解決、恋愛マスターとしての彼女の評価は上がるばかりですが、自身の恋愛はからっきし。。。気になる男の子を前にすると、途端にどうしたらいいのか分からなくなって…というお話。


乙女ケ#12441;ームやってみた1
攻略相手は最難関のクセ者!


 恋の指南役が実は恋の初心者で…という展開は、少女マンガでは結構ありがちではあるのですが、大抵そのバイブルとなっているのは少女マンガ。乙女ゲームをベースに…というのは意外と珍しいかもしれません(乙女ゲーム好きは腐るほどいますが)。そんな自身の恋はまるでダメというヒロインが好きになるのが、同じクラスのイケメンの藤崎くん。クールで当たり障りのない上手い返答で人気を獲得しているけれど、その実非常に扱いにくい裏のあるタイプ。乙女ゲームでは最難関とも言うべきタイプの男の子相手に、自分を見失ってしまいがちなヒロイン・ねねは、テンパリながらもぶつかり触れ合い…そして、見えてきたのは自分のことなんかまるで見てくれていない相手の心…。そう、なんとなくわかっているかとは思いますが、これネタ色の強いコメディでございます。というわけで、トキメキは抑えめ。
 
 キャッチーな表紙絵からも窺えるように、絵柄は非常に華やかで、それだけで楽しい気分になれます。ノリもよく、次から次へとポンポンとネタを投入。場面展開も比較的早く、テンポよく物語は転がっていきます。一方でネタが場面ごとのつなぎが甘く、ネタについていけないことも。テンポが良いので気持ち良くページをめくっていきたいのですが、所々で詰まってしまったのが残念なところ。おいてけぼりを喰らう読者さんは少なからずいるんじゃないでしょうか。
 
 その他読切り作品が複数収録されています。どれも一発ネタを効かせた作品で、現実ベースの別マよりは俄然現実にファンタジーミックスという感じのマーガレット本誌にフィットしそうな印象。個人的には、大仏の被り物を被って学校の平和を守る内気な女の子がヒロイン(この時点でわけわからん設定)の、「ひよちゃんの秘密」がぶっ飛んでて好きでした。


乙女ケ#12441;ームやってみた
大仏の面を被るヒロインとかどうですか?


 なおオマケ漫画でボツネタが披露されているのですが、その多くが伝説の乙女ゲーム「学園ハンサム」のネタだったり。私も実況プレイを見たことある程度で知っているのですが、ちょっと本編で見てみたかった気もします(笑)タイトルもニコニコ動画などにみられる「○○してみた」みたいなのにかけているっぽいですし、作者さん自身オタク文化に慣れ親しんでいる人なんじゃないかっていう気がします。ニコニコ動画出身の漫画家さんもおりますし(ルーツ先生とか、小山鹿梨子先生とか)、こういうタイトル、ネタでも違和感はさほど感じませぬよ、はい。
 


【男性へのガイド】
→めっさ女の子向きな印象のあるお話なのですが、ノリの良さはネタの濃さは男性も堪能できる部分はあるのかもです。
【感想まとめ】
→粗さと輝きが同居する、まさにデビューコミックスという感じの一冊。こういうスタイルで、こう描いていくんです!というのがすごくよく伝わってきて、これからの作品が楽しみです。


作品DATA
■著者:花野リサ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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