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かわいいはつくれる!:佐藤ざくり「マイルノビッチ」1巻
佐藤ざくり「マイルノビッチ」(2)
私はうれしくて
やっぱり少し
泣きそうになったんだ■2巻発売です。
ドブスだったまいるが、天佑の一言で開眼!!かわいくなって、恋愛道を突き進み、合コンに参加。一緒に行った綾乃にハメられ絶対絶命のピンチに陥ったまいるだけど、駆けつけてくれた天佑のおかげで、奇跡的に成くんと合コンを抜けることに。ものすごいいい雰囲気になったのに、思わずついてしまった小さな嘘が原因で最悪の雰囲気に。恋愛で絶対誰もが突き当たるしくじりに、共感MAX!
~2巻発売です~ あっという間に2巻発売です。おバカさが前面に出ていた前作とは異なり、今作は別のベクトルで熱いです。テンポの良さが若干削がれた分、それが熱に変化して違った面白さが出ているような印象。特に「お前自分磨きに手ぇ抜いてんのにモテないとか恋愛できないとか言ってんじゃねぇ、自業自得だろうが!」的なメンタリティが、物語の根底にあるのが、スゴく好きです。その考えが正しいか間違ってるかはどうでも良くて、そういう一貫した考えが背景にある物語というのは、それに対して乗るか逆流するかすれば、しっかりと物語として機能するので。勢いで突っ走ってるように見えがちですが、この作者さんといい、この作品といい、すごくしっかりと作られた物語なんだってことですよ!
~至極真っ当な恋愛ものじゃないですか!~ といわうけで、メチャクチャ真っ当な恋愛してます。もう、ビックリするほどに。初カレがあんな奴だったので、今後もトンデモ野郎の間を転がりまくるのかと思いきや…

なんだこの空間は…
ドキドキとトキメキという、少女マンガになくてはならないものが、そこにはちゃんとあるのです。
とはいえこういう幸せを、とんとん拍子で手に入れていくわけではありません。この物語のヒロインに課せられた運命は、意外とハード。それは、必ず幸せを手に入れる前に一度失敗しなくてはならないということ。彼女が生まれ変わるキッカケをあたえたのも、ちゃんと恋愛には慎重にならなくてはいけないということも、全て何かしらのダメージがあり、そしてその反動で前に進んできました。化粧をしても、変な男から言い寄られるし、頑張ってフッテもつきまとわれるし、友達が出来たと思ったら裏切られるし。壁を乗り越えれば、そこにはまた新たな壁が。帯に踊るのは「あなたがこの先絶対にやらかす恋の失敗を、不肖・まいるが先にやらかしてくれます」という言葉。ひとつのきっかけで、トントン拍子に…なんてことはない、過酷なのろのろ運転。それでもそれを乗り越えられるヒロインだからこそ、この物語は面白い。何度でも立ち向かう彼女の前向きさに、何度も勇気づけられます。
~清々しいほどにわかりやすいまいるにとっての天佑~ さて、そんな中気になるのが、天佑の存在。キャラ的には確実に彼が相手本線となるわけですが、今のところ恋愛の気配はまったくありません。というのもまいるにとって、天佑は今のところ恋愛対象にはなり得ないのです。彼女にとって天佑は、恋愛対象というよりは…
信仰対象 まいるにとって、天佑は神様的な存在なのです。いわば次元が違う世界に住んでいて、そもそも恋愛対象になり得ないという。だからこそ、困った時にここぞとばかりに無理目なお願いもすることができる。まさに「困った時の神頼み」というやつなのでしょう。住んでいる世界が違えば、同じ目線での気遣いとかなかなかできないですから。ここからどうやって、天佑が恋愛対象になっていくのか。この作者さんのことですから、徐々に徐々に、ということはせず、ある日突然ズドンと来るような気がします。好きになるというのは、自分の感覚的に、相手が一段上のステージにシフトするような印象があるのですが、こちらの場合は逆。別世界に住んでいた人が、突然こちら側にやって来る。その瞬間をどう描くのか、今から楽しみですね。
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