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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.09.20
1106070077.jpgリカチ「明治緋色綺譚」(1)


これはあたしに課せられた
あたしの謎
必ず探し当ててみせるわ



■時は明治。元は華族の出身であったが、一家没落のために遊郭へと身売りされた少女・鈴。そんな中出会ったのは、自分を身請けしたいと申し出る風変わりな青年。彼の名前は藤島津軽。藤島屋という大きな老舗の呉服店の長男である彼は、鈴を引き取りそのまま藤島屋の支店の店主になり、商売の傍ら道楽として探し物屋をはじめる。その助手として、鈴は津軽と行動を共にするが、大金を払ってまで自分を買った津軽の真意を知りたくて…!?

 リカチ先生のBE・LOVE連載作。明治時代を舞台に、とある呉服屋の長男と、彼に身請けされた少女の関係を描いた物語でございます。ヒロインは、元華族出身でありながら没落と共に遊郭へ売られてしまった少女・鈴。そんな彼女は幸運なことに、間もなくとある青年に身請けをされ、その身を引き取られます。その身請けをした青年が、現在一緒に暮らしている大きな呉服屋の長男・津軽。呉服屋の支店の店主をしている彼は、その本業(あんまり頑張ってない)のかたわら人や物を探す「さがしもの屋」をしていて、鈴はそのお仕事の助手をしています。その歳の割にしっかり者で大人びた鈴は、一丁前に津軽を意識。大金をはたいてまで自分を引き取った、津軽のその真意を探りたいがために、一緒に行動しながらあれこれと探りを入れるけれど…?というお話。


明治緋色綺譚
しっかり者の鈴は、好きに行動する津軽を叱るぐらい。それが自分の存在意義とでも言うように、無意識のうちに行動する。


 表紙が非常に風情溢れる装いで、書店でもとても目を引いたのですが、それと同時に帯にも目を引く言葉が。「明治時代の歳の差LOVE」。同じ講談社ARIAの「これは恋のはなし」(→レビュー)が話題になっている中で、同じようなシチュエーション。しかもこちらはしっかりと「恋物語」としている所が面白いです。表紙からもわかるとおり、ヒロインの鈴はせいぜい小学校高学年で、さすがに恋愛関係に至るには難しい間柄ではあります。とはいえ鈴はしっかりと津軽を意識しており、そこにはちゃんと「恋」が。「これは恋のはなし」では双方向の視点から物語を動かすため、「恋」とは言明できませんが、こちらは鈴の視点のみで物語が廻るのでこれで充分「恋」なのです。
 
 二人で育む恋というよりは、かけられた愛情を紐解き、それを自分の愛情へと変換していくような形であり、だからこそ見請け人・津軽の想いは全く明らかにはなりません。それがこの物語の肝であり、それが本当に明らかになったところで、この物語はクライマックスへと向かって行くのかな、と。なんの理由もなく自分を引き取るわけはないわけで、だからこそこの状況に少しの遠慮と疑いを持っている鈴は、だからこそ少しでもその不安を軽減しようと、「役に立つ自分」になろうと頑張ります。元々その年齢以上に大人びていたのでしょうが、その状況が彼女の今の性格を作り出しているのは明らか。彼女の性格形成すら、その相手の影響なくしては語れないという、なかなかディープというか、雰囲気以上に濃ゆい関係ですよ。


明治緋色綺譚1-2
素直じゃないけど素直。たまらずこんなこと言っちゃうところとかが、本当にかわいいんですよ。


 あと「しっかり者」の性格が、結果的にツンデレーションを作り出しているのもまた。そのシーンの時は、津軽の視点で微笑ましく見守りましょう。物語の転がし方としては、きっかけに「さがしもの屋」への依頼があり、その中で鈴が頑張りすぎてしまい、最終的に津軽が助けるみたいなパターンが主でしょうか。基本的には人と人の繋がりを描いた感動路線のお話ですが、単話での物語の決着は思いのほか安易。あくまで長期的な視点で、鈴と津軽の関係の変化を見るのがこの作品を楽しむメインとなるのではないでしょうか。表紙といい、物語が纏う雰囲気も良いですよ。


【男性へのガイド】
→これは萌える。少女マンガというか、女の子に夢を与える感があるお話ではありますが、シチュエーションがもう。
【感想まとめ】
→作品の纏う雰囲気が好き。一つ一つのお話の繋がりがあると、もっと全力で推せるのですが!とはいえ面白いですー。シチュエーションにピンと来た方は是非ともチェックを。


作品DATA
■著者:リカチ
■出版社:講談社
■レーベル:KC BE・LOVE
■掲載誌:BE・LOVE(連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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