「NO.6〔ナンバーシックス〕」(1)
待ってろよ
いつかお前の病巣をえぐり出してやる■人類の叡智を集めた未来都市《No.6》。四方を特殊合金の壁で囲まれた安全な土地、整然として美しい町並み、市内の犯罪率は限りなくゼロ…そこは絶望の存在しない聖都市。そこで幼い頃から未来を約束され、エリートとして育った紫苑は、12歳の誕生日の嵐の夜、「ネズミ」と名乗る傷ついた少年を匿ってから、運命が急旋回し出す。時は経ち4年後、紫苑の周りで続々と奇怪な事件が起こりはじめ…。紫苑とネズミの、あまりにも過酷な青春が幕を開けた…!
「バッテリー」で知られるあさのあつこ先生の小説が、アニメに。ノイタミナ枠で「うさぎドロップ」(→
レビュー)と同じく放送されていた「No.6」のコミカライズ版のお届けです。とかすげー知ってます的な前置きですが、全く知りませんでした(笑)あさのあつこ先生がこんなSF作品を描いていたことも知らなければ、それがアニメ化されてノイタミナ枠で放送されていたことも知らなかったです。というわけで、このマンガが自分にとっては物語とのファーストコンタクト。ウチのブログでは非常に多いですが、原作やアニメとの比較では語れませんので、ご了承くださいませ。
ということで、ご存知の方も多いかもしれませんが、「No.6」のご紹介です。舞台となるのは近未来のとある都市。No.6と呼ばれるその都市は、人類の叡智を集めた未来都市で、犯罪率は限りなくゼロ、安全で豊かな生活が約束された、地上の楽園でした。そんな都市で、エリートとしての将来を約束された少年・紫苑がこの物語の主人公。今までも、おそらくこれからも平穏な人生…そう思えた彼の人生を大きく変える出来事が、12歳の誕生日の夜に起こることになります。珍しく訪れた嵐に興奮した紫苑は、窓を開け放ち外に向かって叫ぶと、そこには謎の少年が。ネズミと名乗るその少年は、No.6の壁の外より侵入した指名手配の受刑者でした。彼を匿い、それがエリートコースからの脱線の契機となった紫苑は、4年後再び彼に出会うことになります。次々に紫苑の周囲で起こる不可解な事件と、ネズミとの再会。やがて二人は、過酷すぎる運命に巻き込まれていくことになるのですが…

何もわからぬままに巻き込まれていく過酷な運命。その中で、何もわからないなりに決断を迫られる。
安全と安心を約束された楽園で、とある事件に巻き込まれる主人公。そして知る、その世界の真実。いわゆるディストピアものになるのですが、1巻ではその全容は明らかになりません。とある不可解な事件と、冤罪。そしてそこから助けてくれたネズミと、No.6からの脱出。謎だらけの状況に、主人公の紫苑はネズミに説明を求めるのですが、ネズミは多くを語ろうとはしません。自分はどういう状況に巻き込まれているのか、そして自分はこれからどう行動していけば良いのか。ネズミとの関わりの中、紫苑はそれを知って行くことになります(多分)おそらく1巻は本当に前段という形になっているのですが、それでもなお読み手を引き込む力強さ。次々と起こる出来事に、息つく暇を与えずに一気にラストまで持っていかれました。ディストピアものがそもそも好きなのですが、この作品も面白いです。
この男の子二人がタッグを組んで、この世界を駆け回るということで、要素的にはBL方向もふんだんに含みつつ。というかバッテリーも穿った目で見ればそうだし、あさの先生の作品はそういう風に見れる要素を多分に含んでいるのだな、と思ったりしました。それとは別に、紫苑に想いを寄せる幼なじみの女の子もかわいく、これからどう物語に絡んでくるのか非常に気になる所です。
たぶんハチが物語のポイントになってくると思うのですが、どういう陰謀が渦巻いているのか、想像し出したら止まりません。これちょっと原作から読んでみたい気持ちになってます(笑)アニメも観たら面白いんですかねー。ちなみに2巻は既に発売しております。
【男性へのガイド】→BLとか言いましたけど、基本は男女関係なく読めるものになってるのだと思います。ノイタミナ枠ですが、ノイタミナ枠って案外男性もいけるでしょう?
【感想まとめ】→続き気になりますが、これちょっとアニメとかも観てみたい気が。面白い作品だと思います。オススメで。
作品DATA■著者:あさのあつこ/木乃ひのき
■出版社:講談社
■レーベル:ARIA
■掲載誌:ARIA(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税
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