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Tag [続刊レビュー] 2011.09.24
作品紹介→高尾滋「いっしょにねようよ」
3巻レビュー→重さは残しつつも、次第に救いが見えてきた:高尾滋「いっしょにねようよ」3巻
4巻レビュー→怖いと拒絶するか、嘘をついて受け入れるか:高尾滋「いっしょにねようよ」4巻




1106057259.jpg高尾滋「いっしょにねようよ」(5)


“家”そのものみたいだ


■5巻発売です。
 古白が一子に突然のキス!?努は動揺する一子を連れて鎌倉へ。おいかける古白は、一子にある約束を…。そんな中、姉のピンチを助けるために勇気を出して実家に戻った一子は、家族と若井を果たす。一方琥珀は、仕事で心霊スポットに行くことに。心配な一子が取った行動は…!?


~怪物のように扱われるということ~
 5巻発売致しました。段々とそれぞれのキャラクターのより深い特徴が明らかになっていく中、前回古白が一子に突然のキスを。そこから紆余曲折し、より古白は一子のことを意識していくわけですが、その前にちょっとした一幕があり、そこが今回印象的だったのでお話を。
 
 それは、姉の体調不良というピンチを助けるために、実家へと戻った時のこと。彼女は姉夫婦の子どもが見えなくなり、見えないままにその子どものことを蹴りとばしてしまったという事件から、この家を離れることになりました。子どもの姿が見えない件については、過去で克服したのですが、未だに姉の旦那とは確執が残ったまま。少しでも想いを寄せていたという事実も手伝って、彼女の中により大きな痼りとなってそのことは残り続けていたはずです。そして今回の再会。どんな形になるかと思えば…
 

いっしょにねようよ5-1
私は怪物?


 まるで怪物と対面したかのような怯えっぷりを目の当たりにし、一子はひどく傷つきます。居候先にいると、こうして自身が抱える心の傷であるとかが明らかになる瞬間が訪れることはあまりなく、また古白というもっとすごい輩がいるために、かき消されがちではあるのですが、彼女自身もある種の「怪物」的扱いをされ、人との関係を上手く築くことができなくなったキャラクターだったのでした。普通であれば古白という存在について、許容はすれど深く入れ込もうとはなかなか思えないと思うのですが、一子は逆に古白に対してはその抱えた傷ごと知ろうという姿勢をもっているわけですが(あくまで主観ではありますが)、それは彼女自身がそういった影を持っているからこそ、何かしらのシンパシーめいたものを感じているからなのかな、と思えました。とはいえそれが発露するのは、決まってお母さん的な形でってのは不思議ですが(笑)


~古白が恋を自覚…したけれど~
 さて、今回一番の出来事といえば、古白が恋を自覚したことに他ならないでしょう。正直こんなに早い段階で恋を自覚するとは思っていなかったので、少々びっくりでした(笑)でも今までの彼の行動や過去を見ていると、単純に「恋」と片付けて良い感情なのか判断に困りますよね。「この子は僕の奇跡」とまで言ってしまうほどに愛しているというか、崇拝・依存している古白が、どうやってその想いを成就させていくのか、今から楽しみです。

 さて、そんな古白の単純な結論とは打って変わって、このシーンが非常にカオス。まずこのシーンの発端、中盤~後半にかけての古白の暴走によってうやむやになってしまった感がありますが、そもそもここまで古白の気持ちを高ぶらせたのは、夜中に突然一子が彼の部屋を訪れたから。夜中に突然女の子が部屋を訪れて「入っていい?」とか聞いてきたら、そりゃあ盛り上がるってもんですよ。結果的に彼が全面的に悪者のような感じになってしまいましたが、多少は同情の余地あるんじゃないかなって(笑)まぁ冗談の通じない彼が暴走するからこそ怖くて、もしこれが努とかであればもうちょっと事は穏便に済んだのかもしれませんが。や、でもやっぱり古白は悪いか。そんな彼に鉄拳制裁加えた努の、彼に放った台詞が素敵。
 

いっしょにねようよ5-2
こんなもんつけて言ったのか
「好きだ」って

 
 
 これは確かに正論。この台詞から、この物語の行きつく先に、面をはずした古白の姿がいることが想像できました。子どもが「見えない」ことに端を発したこの物語が、最終的に彼の表情が「見える」ことで締めくくりとなる、なんて形、結構綺麗なんじゃないでしょうか。意外とガンガン行ける系の古白ですから、クライマックスは意外と近いのかもしれません。


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