
男はオオカミなのよ
気をつけなさい
■男嫌いな中学生・陽菜子がやってきたのは、男ばっかりの孤島の学園。そこにいる、会ったことのない“おばあちゃん”に会うために、春休みを利用して一人で乗り込んできたのだ!けれども着いて早々出迎えてくれたのは、女に飢えた男達。やっとの思いで逃げ切ったその先にいたのは、眼鏡の毒舌研究家・大神さん。ドSな彼に保護…というか拉致されてしまい、陽菜子絶対絶命!?
「カポーん。」(→レビュー)などを描かれている神田はるか先生のASUKAでの新作になります。おばあちゃんに会うために、とある孤島にやって来た女の子が巻き込まれる、ドタバタな毎日を描いたお話。ヒロインは、男嫌いの中学生・陽菜子。春休みを利用して、おばあちゃんに会いに来たけれど、島に着いた途端男どもに追いかけられるという非常事態に。何もわからず逃げ惑う陽菜子は、なんとも怪しげな風貌の男・大神にその身を保護され、なぜかそのまま拉致監禁されてしまいます。祖母が学園長を務める大学の講師だというその男は、「そのうちおばあちゃんに会わせてやる」「外に出たら危ない」などと言い、体よく陽菜子を閉じこめるのだけれど…という、ここまで紹介すると明らかに犯罪臭のする内容ですね、これ。

ヒロイン・陽菜子。もう神田先生ずるい!泣き顔困り顔の可愛さの破壊力と来たら、どうですか皆さん!?
この紹介だけだとだいぶ犯罪の匂いがするお話になってますが、多分序盤はかなり法に触れてると思います(笑)中学生の女の子が単身孤島に乗り込むという時点でかなりぶっ飛んでいますが、着いて早々「女だ」と追いかけ回されると言うトンデモ状態。そしてそんな彼女を華麗に助けてくれた表紙の男・大神がまたクセ者。部屋の中にきた狐と陽菜子の取り合いになり、その中でしびれ薬を散布。巻き添えを食らって陽菜子もダウンしてしまいます。そして目が覚めたら脅されて拉致状態に。一応祖母が学園長を務める大学の講師という素性明かしがあるため、安心とは言えるのですが、それでも外はアブナイからと特に何も説明せずに中学生の女の子を閉じこめちゃうあなたも相当危なぞ、と。後日逃げないように首輪つけたり、なかなか行動も強烈です。あと中学生の女の子を、女に飢えた大学生達が追っかけるっていうシチュエーションもなかなかに犯罪的(笑)
そういった不可解は、物語中盤に現れる祖母によって解消されるのですが、やりたい放題感はそのままに物語は進行します。物語のベースはお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、「赤ずきんちゃん」ですが、キャラクターイメージに継承されてるだけで、他は自由です。作者さんがやりたいことを先行させて作られている系統の作品だと思うのですが、それゆえに設定は緩めです。一応日本が舞台らしいですが、別に日本じゃなくても問題ないと思いますし、その辺は読み手の自由で。「カポーん。」でもそうでしたが、ヒロインの泣き顔(悲し泣き/うれし泣きどちらも)の可愛らしさは圧巻。小さな女の子ということで、その辺に訴求してくる面もあるかとは思います。とはいえ基本的には守ってくれる大神さん、腹黒そうな狐くん素敵というお話だと思いますので、そこは納得の上お手にしてください。
【男性へのガイド】
→陽菜子ちゃんのかわいさ一択。ほんとかわいいです。追いかけたくなる大学生の気持ちがわかる(←
【感想まとめ】
→神田先生はASUKAの方が自由にやってる感があるのは気のせいでしょうか?地に足ついていないのがむしろ売りな、ドタバタラブコメ赤ずきんちゃんです。
■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 神田はるか「スウィートガール」
作品DATA
■著者:神田はるか
■出版社:角川書店
■レーベル: ASUKAコミックス
■掲載誌:(連載中)
■既刊1巻
■価格:560円+税
■購入する→Amazon